カラマンシー(シキキツ)という柑橘類の実を使ってジャムと桔餅を作ったらジャムが固くて苦くなった話

以前から何かと作り続けているジャムなのですが、今回は知人から金柑に見た目がよく似たカラマンシーと思しき柑橘を頂戴したのでそれを使ってジャムを作ってみました。

カラマンシー(シキキツ)とは?

カラマンシー(シキキツ)とは台湾で四季桔や四季金桔、単に金桔などと呼ばれる果物で、外観的には金柑をちょっと扁平にした感じで、シークワーサーなんかとも似ている果実です。

カラマンシー(シキキツ)の皮には甘味があり、シークワーサーの皮には強烈な苦味があるのだそうです。実際にいただいた柑橘の皮をかじってみたところ、苦味があり、うっすらと甘みがありました。

甘味があると言っても、金柑のような甘味ではなく、本当に少しだけです。ただ、シークワーサーの皮に甘味は無いそうなので、カラマンシー(シキキツ)だろうと判断しました。

今回いただいたカラマンシー(シキキツ)

カラマンシーと思しき柑橘
カラマンシーと思しき柑橘

今回は知人からカラマンシー(シキキツ)をいただきました。聞けば、そのカラマンシー(シキキツ)は庭で採れたものなのだとか。自家栽培のカラマンシー(シキキツ)ですね。

台湾のシークワーサー

台湾におけるシークワーサーは沖縄のシークワーサーとちょっと異なるという話もあります。シークワーサーは台湾では扁實檸檬や台灣香檬と呼ばれ、果汁を瓶詰めされた形で流通していることが多いです。

カラマンシー(シキキツ)のジャム

カラマンシー(シキキツ)の皮にも苦味があります。正直金柑のような甘味はありません。ですが、あのオレンジですらマーマレードジャムになるのですから、このカラマンシー(シキキツ)もマーマレードジャムにできるだろうと考え、金柑と同じ要領でジャムにしてみました。

材料

  • カラマンシー(シキキツ)
  • 砂糖 

今回、材料の重量は一切量らず、味見をしながらすすめました。

作り方

  1. カラマンシー(シキキツ)の皮を剥き、皮を細切りにし、3回程度煮てはお湯を捨てを繰り返す(苦味取り)
  2. 種を含めた中身とヒタヒタの水(分量外)を入れて煮る(ペクチンの抽出)
  3. 薄皮や種などをザルで濾し、皮と合わせて皮を煮ていく
  4. 皮の量と同程度の砂糖を入れて煮る
  5. 味見をして、砂糖を追加しながら煮る
  6. 皮に透明感が出て、甘みも好みの味になったら完成

出来上がったジャムの問題点

今回作ったカラマンシー(シキキツ)のジャムは、失敗とまでは言いませんが、正直いまいちの出来上がりとなりました。

大きく2つの問題点がありました。1つは固くなったこと、もう1つは苦くなったことです。

固いジャムになった原因は?

今回のカラマンシージャム(シキキツジャム)は非常に固いジャムになりました。

水分不足だった可能性あり

カラマンシー(シキキツ)の果実の中身を煮込んでいるのはペクチンを抽出するためで、ペクチンと酸が反応するとゼリー状になるのですが、水分が少なくなると粘度が高くなり、少なくなりすぎると非常に固いジャムとなります

一晩おいてから作業するのは良くない

水分以外の原因として、実は今回、ジャムを作ろうとしたときに他の用事ができてしまい、二日に分けて作業をしました。その際、皮を剥いた中身を水に浸した状態で冷蔵庫に入れていたのですが、そのこともあってペクチンが大量に抽出されていたのかもしれません。このペクチンの量の調整は今後の課題だなと思っています。

固くなったジャムを柔らかくする方法

固くなってしまったジャムは再度水を加えながら沸騰するまで煮ることで固さを和らげることができるそうです。なお、水を足すため、一旦沸騰させないと雑菌繁殖の原因になります。

苦いジャムになった原因は?

皮の苦味取りのため、皮を煮て、沸騰したらお湯を捨て、再度煮て、を3回程度繰り返したのですが、結局苦味は取り切れませんでした。

砂糖の量が足りなかった可能性あり

砂糖を入れたら大丈夫かなと思ったのですが、全然大丈夫ではありませんでした。

冷めると味が変わる

もちろん煮詰めた後に味見もしたのですが、その時は大丈夫だと思っても、冷めると苦味が際立つように感じられ、ちょっと残念な結果になりました。

熱いうちに味見をする場合は、冷めたときとの違いを意識して味見をして、味の調整をすると良いと思います。

余ったカラマンシー(シキキツ)で桔餅づくり

カラマンシーで作った桔餅
カラマンシー(シキキツ)で作った桔餅

ジャム以外にも桔餅というのを作りました。

桔餅とは

桔餅というのは客家料理らしいのですが、今回のカラマンシー(シキキツ)などの柑橘を潰して砂糖で煮て、さらに粉砂糖をまぶしたお菓子のようなものです。

調べてみると沖縄にも同じ漢字の食べ物があり、きっぱんやちっぱんなどと呼ばれているようなのですが、いずれも柑橘類を使っていることは共通しているものの、客家料理の桔餅と沖縄の桔餅は若干異なるようです。

材料

  • カラマンシー(シキキツ) 作りたいだけ
  • 砂糖 カラマンシー(シキキツ)を漬け込む際にカラマンシー(シキキツ)を覆える量
  • 粉砂糖 適量

作り方

  1. カラマンシー(シキキツ)の八方に縦に包丁で切れ目を入れる
  2. 切れ目を入れたカラマンシー(シキキツ)をスプーンなどでつぶし、種を取る
  3. つぶしたカラマンシー(シキキツ)を瓶に砂糖と交互に詰め、二日間冷蔵庫で保管(時々振ってシロップを全体にいきわたらせる)
  4. 鍋に移し、水(分量外)と砂糖(分量外)をヒタヒタぐらいまで足して煮る
  5. カラマンシー(シキキツ)の色が変わり、透明度が増したら火を止め、クッキングペーパーに並べる
  6. エアフライヤー80℃で60分乾燥させる
  7. 乾燥させたカラマンシー(シキキツ)に粉砂糖をまぶしたら完成

手作り桔餅の感想

おいしいです。ジャムよりも糖分濃度が高いせいか苦味をあまり感じませんでした。苦味を取るような作業はしていないので、やはり糖分の量がものを言うということかもしれません。

大量に砂糖を使っているのに手が止まらなくなるので食べすぎ注意です。

最後に

カラマンシー(シキキツ)の苦味とか酸味は砂糖を大量に入れることである程度抑えられるのではないかと思います。今度作るときはジャムにももっとたくさん砂糖を入れてみようと思います。

なお、桔餅を作る際に出た種は加熱していない種なので、土に植えて発芽を待つことにしました。