栽培が難しい龍眼 種から発芽させてベランダで育てています

ライチによく似た果物「龍眼」の発芽に成功してベランダで育てています。なかなか難しく感じる竜眼栽培について書いた記事です。

漢方でも利用される龍眼

ライチやランブータンと同じムクロジ科のトロピカルフルーツに龍眼があります。見た目はライチを小さくして、色を黄土色にした感じのものです。味や肉質はライチやランブータンに似ています。独特の甘みを持ったフルーツです。

龍眼は台湾では全く同じ漢字で「ロンイエン」と読みます。日本ではリュウガンかロンガンと呼ばれるそうですが、私は日本で見たことがありませんでした。台湾に来て初めて見た果物でした。

龍眼は漢方としても利用されます。街を歩けばドライ龍眼も売られていて、乾燥龍眼はパンに入っていることもあります。まるでレーズンのような扱いです。

ベランダで龍眼栽培

ベランダで種から龍眼を育て始めました。

龍眼の種まきの仕方

浸水している龍眼の種
浸水している龍眼の種

龍眼を食べ、種を入手してから数日水に浸けておくと、勝手に種の固い殻が割れてきます。殻が割れてきたら土に移植です。

土に移植する際、殻が割れていても割れていなくてもそんなに気にしなくても良いです。土に移植した龍眼は1週間ぐらいで芽を出します。浸水は24時間でも良いらしいのですが、私は今まで大体殻が割れるまで放置しています。その方が確実な気がするからですが、確信があるわけでもありません。

発芽率は結構高い龍眼

発芽した龍眼
発芽した龍眼

今までの経験では、発芽率は非常に良いです。ただ、ベランダでそんなに龍眼を育てるわけにもいかず、成長過程で調子の良いもの1本を残し、他は処分しました。

同じような工程でライチの種の発芽にも何度か挑戦していますが、ライチの発芽は今のところ一度も成功しておらず、そういう意味でも龍眼の発芽率は高いと感じています。

ライチと龍眼は収穫時期が違い、発芽に挑戦した時期も違います。ライチは6月や7月に挑戦して失敗し、龍眼は9月に挑戦して成功しています。

龍眼栽培は難しい

龍眼の実生苗
龍眼の実生苗

2020年に初挑戦した種からの龍眼栽培だったのですが、発芽までは順調にいくものの、その後、翌年の春には枯れてしまいました。

原因ははっきりしません。2022年の発芽チャレンジ分も、水を与えてから調子が悪くなることがあり、個人的には根腐れかもしれないなと思っています。そこで、2022年のその経験以降、水やりの回数を減らしました。

他の植物を比べて龍眼に多く水を与えていたわけではありません。排水が悪いか、そもそも過湿に弱いかのどちらかだと思います。そのため、龍眼の栽培は難しいと感じています。

そして、これらのことから、ここまでで思う龍眼栽培で大切なことは、排水の良い土を使うことと、水を与えすぎないことです。我が家の場合たぶん土があまり良くないのと、水のあげすぎなのだと思われます。

トロピカルフルーツなので暖かい方が良い

我が家は冬でも10℃を下回ることが稀な地域なのでベランダでも気温による問題は発生していないように思われます。ただ、トロピカルフルーツなのでやはり暖かい場所の方が良いでしょう。

近所には庭木として龍眼の木が植わっている場合もあります。日本では庭木で見たことがないので、おそらくできたとしても沖縄などの緯度が比較的低い地域に限られるのではないかと思います。

ドライ龍眼は発芽しない

過去にドライ龍眼から種を取って発芽に挑戦したこともあったのですが、見事に失敗しました。ドライ龍眼は一般的に加工工程で加熱処理されるため、種が生きていないと思われます。

本来なら固い種の殻もパリパリで、ポロポロと崩れる場合もあります。例えばナチュラルドライなどと書かれているような自然乾燥で作られる乾燥龍眼があれば発芽する可能性もあるかもしれませんが、そのようなものが売られているのを見たことがありません。基本的には何も書いてなくて、つまりそれらは加熱されたものだと理解しています。

枝付き龍眼の枝は挿し木には使えない

市場に行くと龍眼が枝付きで売られていることがあります。無知な私はこの枝を使って挿し木ができないかと考えました。

しかし、枝の下端をよく切れる刃物で斜めに切り、きれいな赤玉土に挿して水を与え続けてもダメでした。一切根が出てきませんでした。枝が古かったか、そもそも実が付くところの枝は挿し木に向いていないのかもしれません。

最後に

龍眼栽培は挿し木が成功するなら挿し木の方が早いですし、苗を購入する方がさらに早いです。でも、種から育てるというのは非常におもしろく、いわば再生栽培のような楽しみがあります。

龍眼を食べた後の種をただ捨ててしまうぐらいなら、発芽に挑戦してみても良いのではないかと思います。そして、あわよくば鉢植えにして育てても良いのではないかと思います。家に緑が増えて楽しいです。

種から育てる龍眼栽培は簡単だとは思いません。むしろ難しい部類に入るのではないかと思います。2020年に挑戦した分は翌2021年の3月か4月ごろに枯れてしまったので、2022年発芽分はそうならないように気を付けながら育てていこうと思います。