タンニン鉄を作ってみてわかったこと【自作】

話題のタンニン鉄を作って2株のオジギソウで効果を検証しました。その結果について書いた記事です。

植物にとっての土

植物は水と光と栄養があれば育ちます。水耕栽培という手法があることからも、土は必須ではないですが、水と光と栄養は必ず必要になるため、水耕栽培でも液肥を使うのが一般的です。

50年前に宇宙船が月から持ち帰った土で植物の発芽に成功したというニュースがありましたが、月の土でも植物は育ったものの、理想的な生育状況ではなかったようで、それでも宇宙に移住するかもしれない未来に思いをはせるには十分なニュースでした。同時に、やはり土、もっと踏み込んで言えば、土の成分って重要なんだなと思わされました。

土には様々な栄養が含まれている

植物を育てるために使われる肥料は窒素、リン酸、カリウムの3要素が多いです。窒素は茎や葉の成長に、リン酸は開花や結実に、カリウムは根の発育に効果があるとされています。そして土の中にはこれら以外の成分や微生物などもいて、自然界で植物が発芽しては枯れてを繰り返しているように、土は様々な成分が一体となって循環を繰り返しています。

タンニン鉄を知るに至る

もともと挿し木をするにあたって、発根剤の代替になるものはないかと思って情報収集する中でタンニン鉄というのを知りました。2020年ごろに農業系の雑誌に「タンニン鉄」というのが掲載されたことがここ数年タンニン鉄が注目されている理由のようです。

さて、そのタンニン鉄ですが、植物の生育に大きな効果が期待できるとされる情報もあれば、表向きは変化を感じられないが、根の張りが違うと言った情報も見聞きします。実際どうなのか。そんなに難しいものでもなさそうだったので自分で作って試してみました。

タンニン鉄の作り方

簡単に言えば、鉄でできた何かを、タンニンを多く含むお茶などに浸けておけば3日程度で完成します。以下に私がやった方法を具体的に記しておきます。自作方法自体は簡単です。

タンニン鉄づくりの材料

  • 鉄くぎ(メッキなどされていないもので原材料「鉄」のみのもの)3本程度
  • 紅茶のティーバッグ 1つ
  • お湯 800ml

材料は本当にシンプル。紅茶を使ったのは家に紅茶しかなかったからです。紅茶にもタンニンは含まれます。ネットでは緑茶を使ったものをよく見ますね。

タンニン鉄の作り方

  1. ガラス瓶に鉄くぎ、お湯、ティーバッグを入れて3日放置で完成

作り方もとても簡単。上記の作業をして24hもすれば、色が若干黒くなってきます。最初は紅茶の赤というか茶色というか、そういう色をしているのですが、時間が経つにつれて色が若干青みがかった黒に変化していきます。赤みがほぼなくなれば成功としています。

タンニン鉄の効果の検証方法

2株のオジギソウ(これから右にタンニン鉄を投与予定)
2株のオジギソウ(これから右にタンニン鉄を投与予定)

さて、タンニン鉄を作ったのは良いのですが、そのまま植物に与えるだけでは効果がわかりません。そこで、オジギソウを2株用意し、片方が通常の水やり、もう片方は水やりの代わりにタンニン鉄を与えることで生育に差が出るのかを観察してみました。

タンニン鉄の使い方

タンニン鉄は希釈などせず、そのまま投与しました。通常の水やりと同量です。最初作った800mlは結構すぐになくなってしまうので、なくなりそうになったら新しく別の瓶で作り始め、できるだけ切らさないようにしました。

タンニン鉄実験でオジギソウを選んだ理由

オジギソウを選んだ理由は特にありません。単にその場にちょうど2株あったのがオジギソウだけだったからです。

タンニン鉄の保存方法

私は蓋をして室内の冷暗所に置いていました。腐るという話もあるようですが、10日ぐらい放置しても特段腐っている様子はなく、異臭と呼べるほどのニオイは発生しませんでした。ただ、特有の香りというかニオイというかはあります。

タンニン鉄を与えた結果

オジギソウ(右だけタンニン鉄を投与)
オジギソウ(右だけタンニン鉄を投与)

タンニン鉄をしばらく与え続けてどうなったのか、結果を書きます。

新芽が増えた

タンニン鉄を与えている方のオジギソウは、そうでないものに比べ、脇芽の発生が旺盛で、力強く見えました。数で言うと前者が9つの脇芽、後者が8つでした。

雑草が増えた

タンニン鉄を与えている方のオジギソウは、そうでないものに比べ、株元からの雑草の発生が多く、しかもその雑草はかなり元気な印象を受けました。

茎の長さが逆転した

タンニン鉄を与えている方のオジギソウは、そうでないものに比べ、徒長気味だったこともありもともと茎の長さが長かったのですが、タンニン鉄投与後はそれが逆転しました。

茎は太くならなかった

タンニン鉄を与えている方のオジギソウは、そうでないものに比べ、茎が細いです。茎の太さになんら効果は見られませんでした。

タンニン鉄実験の結果を受けての考察

上記の通り、タンニン鉄を与えているオジギソウの方が、そうでないものに比べて植物の成長にとって良い影響を受けていると感じました。ただ、それは非常に微々たるもので、そこまで大きな変化ではないように思います。

課題

1.今回は2株のみの実験だったため、個体差や若干のその他条件の違いが出ていた可能性があります。ちゃんとした検証結果を求めるならもっと大規模に実験すべきだと感じました。

2.実験対象としてオジギソウが最適だったかは再検討が必要です。オジギソウはマメ科植物のため根粒菌が発生します。今回のタンニン鉄の実験に最適な実験対象だったかは疑問が残ります。

3.自分が作ったものについては多分にバイアスがかかってしまうので、どうしても「良い結果」を考えがちです。個人的には効果があったと感じましたが、雑草の発生具合を除けば実際はかなり小さな違いでした。

4.雑草やこぼれ種から発生した紫蘇など、土選びはもっと慎重にすべきでした。余計な雑草の種などが含まれない状態の土で、つまりほぼ同じ条件の土で栽培されている植物を使って検証すべきでした。今回は咄嗟に思いついたため、既存のオジギソウを使いました。

最後に

効果があったようななかったような。背丈が2倍になりました、などのようにはっきりと違いがあれば良いのですが、そういうものでもないようです。作るのはそんなに難しくはないので、定期的に作って他の植物にも与え続けてみようと思います。

タンニン鉄を語るとき、同様に二価鉄というのも語られることがあります。二価鉄についてはやったことがないので、いつか機会があったら試してみたいと思っています。