タンニン鉄の作り方と使い方 超簡単で希釈も不要!

話題のタンニン鉄を作って2株のオジギソウで効果を検証しました。タンニン鉄の作り方など、結果も含めて書いた記事です。

タンニン鉄を植物に与える

効果があるとかないとか言われているタンニン鉄。今回は実際に使ってみました。タンニン鉄については以下の記事が参考になると思います。

タンニン鉄の作り方

簡単に言えば、鉄でできた何かを、タンニンを多く含むお茶などに浸けておけば3日程度で完成します。以下に私がやった方法を具体的に記しておきます。タンニン鉄の作り方は簡単です。

例えば、タンニン鉄は紅茶のティーバッグ1つもしくは粉末緑茶2gに鉄くぎ3本、お湯800mlを混ぜて3日冷暗所に放置すれば作れます。

タンニン鉄づくりの材料(紅茶使用)

  • 鉄くぎ(メッキなどされていないもので原材料「鉄」のみのもの)3本程度
  • 紅茶のティーバッグ 1つ
  • お湯 800ml

材料は本当にシンプル。紅茶にもタンニンは含まれます。作成後は1週間以内、できればすぐに使用する方が良いです。

タンニン鉄づくりの材料(緑茶使用)

粉末緑茶によるタンニン鉄(仕込んだばかりで未完成の状態)
粉末緑茶によるタンニン鉄(仕込んだばかりで未完成の状態)
  • 鉄くぎ(メッキなどされていないもので原材料「鉄」のみのもの)3本程度
  • 粉末緑茶 2g
  • お湯 800ml

紅茶ではなく、緑茶でも作れます。 作成後は1週間以内、できればすぐに使用する方が良いです。

タンニン鉄づくりの材料(コーヒー使用)

  • 鉄くぎ(メッキなどされていないもので原材料「鉄」のみのもの)3本程度
  • インスタントコーヒーの粉 2g
  • お湯 800ml

コーヒーにもタンニンは含まれていて、お茶と同じようにコーヒーでもタンニン鉄を作ることができます。ただ、コーヒーでタンニン鉄を作ると腐りやすいようなので、常温の水道水を使わないことと、作ったらすぐに使うことがポイントになります。

タンニン鉄が腐ることについてはこちらに書いてあります。ベランダ菜園やるなら知っておきたい『タンニン鉄』の豆知識

タンニン鉄を作るのにお湯じゃなくて水でも良いか

紅茶のティーバッグや緑茶の粉を使い、お湯ではなく水でタンニン鉄を作ろうとしたことがあります。それっぽいものは出来上がりましたが、お湯を使った方が反応が格段に速いです。

そのため、大量に作る場合を除けば、水を使うメリットはないと思います。少量のタンニン鉄づくりは水ではなくお湯でやる方が良いです。その場合、容器は熱いお湯を入れても大丈夫な容器を使わないといけません。

なお、コーヒーと常温の水道水でタンニン鉄を作った際はなぜか腐敗してしまったので、コーヒーの場合はお湯一択かなと考えています。

タンニン鉄の作り方(必要な作業)

  1. ガラス瓶に鉄くぎ、お湯、ティーバッグを入れて3日冷暗所に放置で完成

作り方もとても簡単。上記の作業をして24hもすれば、色が若干黒くなってきます。紅茶を使用した場合、最初は紅茶の赤というか茶色というか、そういう色(緑茶の場合は緑色、コーヒーの場合は茶色)をしているのですが、時間が経つにつれて色が若干青みがかった黒に変化していきます。

紅茶にしても緑茶にしても、コーヒーでも、もともとの色がほぼなくなれば成功としています。

タンニン鉄
タンニン鉄

使用する釘(鉄材)について

私は成分が鉄であることを確認して釘を購入しました。これはタンニン鉄のためではなく、実は黒豆を煮るために数年前に購入したものでした。

体に有害な物質が含まれている釘や、鉄材もあるかもしれません。そういったものは使わない方が良いです。使用する鉄材はしっかりと材質、成分を確認しましょう。

一度使って黒くなった釘の再利用

何度も繰り返しタンニン鉄を作る場合、一度使用した釘を再利用できるかが気になると思います。結論から申し上げると、黒くなってしまった釘をそのまま使えば大丈夫です。なんなら赤錆が出てきてしまっている釘でもタンニン鉄は作れます

タンニン鉄の効果の検証方法

2株のオジギソウ(これから右にタンニン鉄を投与予定)
2株のオジギソウ(これから右にタンニン鉄を投与予定)

さて、タンニン鉄を作ったのは良いのですが、そのまま植物に与えるだけでは効果がわかりません。そこで、オジギソウを2株用意し、片方が通常の水やり、もう片方は水やりの代わりにタンニン鉄を与えることで生育に差が出るのかを観察してみました。

タンニン鉄の使い方

タンニン鉄は希釈などせず、そのまま土部分に投与しました。通常の水やりと同量です。ジョウロなどがあればジョウロを使えば良いと思いますが、もしかしたらジョウロに色が付くかもしれません。私はタンニン鉄を作った瓶からジョウロに移さず、そのまま植物に与えています。葉面散布はしたことがありません。

なお、私が普段作っている量の800mlは結構すぐになくなってしまうので、なくなりそうになったら新しく別の瓶で作り始め、できるだけ切らさないようにしました。

タンニン鉄実験でオジギソウを選んだ理由

オジギソウを選んだ理由は特にありません。単にその場にちょうど2株あったのがオジギソウだけだったからです。

タンニン鉄を与えた結果

オジギソウ(右だけタンニン鉄を投与)
オジギソウ(右だけタンニン鉄を投与)

タンニン鉄をしばらく与え続けてどうなったのか、結果を書きます。

新芽が増えた

タンニン鉄を与えている方のオジギソウは、そうでないものに比べ、脇芽の発生が旺盛で、力強く見えました。数で言うと前者が9つの脇芽、後者が8つでした。

雑草が増えた

タンニン鉄を与えている方のオジギソウは、そうでないものに比べ、株元からの雑草の発生が多く、しかもその雑草はかなり元気な印象を受けました。

茎の長さが逆転した

タンニン鉄を与えている方のオジギソウは、そうでないものに比べ、徒長気味だったこともありもともと茎の長さが長かったのですが、タンニン鉄投与後はそれが逆転しました。

茎は太くならなかった

タンニン鉄を与えている方のオジギソウは、そうでないものに比べ、茎が細いです。茎の太さになんら効果は見られませんでした。

タンニン鉄実験の結果を受けての考察

上記の通り、タンニン鉄を与えているオジギソウの方が、そうでないものに比べて植物の成長にとって良い影響を受けていると感じました。ただ、それは非常に微々たるもので、そこまで大きな変化ではないように思います。

課題

1.今回は2株のみの実験だったため、個体差や若干のその他条件の違いが出ていた可能性があります。ちゃんとした検証結果を求めるならもっと大規模に実験すべきだと感じました。

2.実験対象としてオジギソウが最適だったかは再検討が必要です。オジギソウはマメ科植物のため根粒菌が発生します。今回のタンニン鉄の実験に最適な実験対象だったかは疑問が残ります。

3.自分が作ったものについては多分にバイアスがかかってしまうので、どうしても「良い結果」を考えがちです。個人的には効果があったと感じましたが、雑草の発生具合を除けば実際はかなり小さな違いでした。

4.雑草やこぼれ種から発生した紫蘇など、土選びはもっと慎重にすべきでした。余計な雑草の種などが含まれない状態の土で、つまりほぼ同じ条件の土で栽培されている植物を使って検証すべきでした。今回は咄嗟に思いついたため、既存のオジギソウを使いました。

最後に

効果があったようななかったような。背丈が2倍になりました、などのようにはっきりと違いがあれば良いのですが、そういうものでもないようです。作るのはそんなに難しくはないので、定期的に作って他の植物にも与え続けてみようと思います。

タンニン鉄を語るとき、同様に二価鉄というのも語られることがあります。二価鉄についてはやったことがないので、いつか機会があったら試してみたいと思っています。