以前からりんごの発芽に挑戦し、ベランダで育たないものか試しているのですが、今まで試行錯誤してきたことをここにまとめます。種を見ると発芽させたくなってしまう、私のような方に少しでも役に立てればと思います。なお、筆者は現在台湾に滞在しているので、台湾での環境のお話になります。おそらく沖縄は環境が似ているのではないかと思います。
目次
りんごの種を発芽させる!
りんごの木を、種から発芽させて育てています。なかなか難しいもので、枯れては種まきしてを繰り返しておりまして、その中で気が付いたこと、思ったことなどをまとめています。
りんごを種から育てるのはナンセンス?
以前、日本の農家の方、つまりプロの方から馬鹿にされたことがあります。りんごを種から育てるなんて馬鹿げていると。何も知らない素人はこれだから困る、と言わんばかりでした。いや、考えすぎか。台湾の方(一般の園芸ファン)からも台湾でりんごは無理だろうと言われました。
そもそも果樹は接ぎ木苗の方が一般的。その方が効率も良ければ病気にも強い。だから園芸店で売られている果樹苗は接ぎ木苗が多い。特に品種改良などによって生まれた品種は、そもそも種を守るためには接ぎ木や挿し木以外にはありません。
それは種から発芽させて育てると親の性質を受け継がず、親木にできる果実は品質が高くても、その子木にできる果実の品質も高いとは限らないからです。
ですので、私個人の感覚でも種からりんごの木を育てるのはナンセンスではあります。ただ、種から発芽させると楽しいのです。
りんごの種の発芽
りんごを種から育てる場合、まずは発芽が必要になります。
りんごの種を発芽させる方法
りんごの発芽自体は何も難しくありません。りんごの種を湿らせたキッチンペーパーで包んでおくと勝手に発芽します。直接土にまいても発芽します。時期的には2月ぐらいなら暑すぎず、良いのではないかと思います。
今、りんごは通年流通しているので、季節にこだわらずキッチンペーパーで一度試してみると良いと思います。
発芽しなかった品種
過去に一切発芽しないこともありました。例えば青りんごのグラニースミスなどは一切発芽しませんでした。
品種の違いというより、時期的な問題など、他の条件が合っていなかった可能性もあります。聞けば、低温処理(強制的な休眠打破)が必要という意見もあるようです。
発芽しやすかった品種
富士や王林などはよく発芽しました。これらのリンゴにおいては低温処理(強制的な休眠打破)はしたことがありません。
りんごの病気
発芽してしばらくは元気に育つリンゴも、しばらくすると徒長し始めたり葉が縮れ始めたりします。徒長は日当たりが悪いからで、葉が枯れるのは虫による食害や、病気によるものだと考えています。我が家のベランダで種を発芽させてりんごを育てると高確率でこの状態になります。
種から育てる実生苗は病気に弱い
りんごは比較的よく発芽するので私のような素人は「いける!」と思いがちですが、種から育てる実生苗は病気に弱いのか、我が家では大体の苗が病気にかかってしまいます。そもそも実生苗というのは、りんごに限らず病気には弱い可能性があります。
植物には一般的によく採用されている繁殖方法があり、果樹は接ぎ木が多め。種から育てる場合、双胚でもない限り親の性質を受け継がないため、病気に弱くなるということは十分に考えられます。つまり、確立された品種とは違い、育てにくいわけですね。
病気になるリスクが高くてもかまわないという方、そもそも収穫まで行けない可能性もある(むしろ高い)し、収穫出来ても美味しくないかもしれないという状況下でも試してみたいという方向けなのがりんごの種まきかと思います。
発芽に使った土
その辺の土でも発芽はしますし、りんごの木自体は大きくなります。特別な土ではなく、使い古しの培養土で問題ありません。
なお、湿らせたキッチンペーパーで包んでおくだけでもリンゴの種は発芽します。
りんごの害虫
りんごにはハダニ、アザミウマ、ホコリダニのようなダニが付いているのを発見したことがあります。
種から育てるりんごは虫害にも弱い可能性があります。なにしろ確率されていない不安定な種となる可能性を秘めているのがリンゴの種から栽培(実生苗)です。
最後に
もろもろ今までりんごを発芽させたり育てたりしてきた中で感じたこと、発生したことなどを書いてきたのですが、種を発芽させるのは非常に楽しいです。苗を買ってきて育てるのももちろん楽しいのですが、発芽した時はものすごく興奮します。
あまり深いこと考えずに、ただの遊びと割り切って種まきしてみるのも良いと思います。もともと捨てられる種だったらダメで元々、痛手もありません。
収穫したい方は園芸店で育てる環境に適した苗を、ただ発芽させたい方は食べたりんごの種を蒔いてみると良いと思います。きっとどちらも楽しいです。