家庭菜園で農薬を使いたくないときのアイデア 唐辛子スプレーからニームまで

家庭菜園と虫は切っても切れない関係にありますが、その虫が害虫だった日には目も当てられません。今回はそんな害虫を駆除するために使用される農薬についてのお話です。

農薬とは

農薬とは野菜や果実を育てる際に特定の目的(害虫対策、病気対策など)のために使用される薬のことです。化学的に合成された農薬と天然材料を使った農薬があり、前者の方が効果は高いですが、後者の方がおおむね身体や環境への負荷が少ないという特徴があります。

化学的な農薬を使わずに害虫対策

化学的な農薬を使えば早いのですが、小規模の家庭菜園ではできればそういう農薬を使わないで済ませたい、そんな風に考える方も多いと思います。効果は絶対的に化学的な農薬の方が高いと思いますが、キッチンにある材料で忌避剤を作ったり、殺虫剤を作ったりしたこともあります。

唐辛子スプレー

唐辛子とニンニク、米酢には虫が嫌がる成分が含まれているらしく、これら3つを漬け込んで作るのが唐辛子スプレーです。家庭菜園でよく使われています。市販品もありますが、自作もできます。

唐辛子とニンニクの成分は水には溶けだしにくいため、お酢、もしくはアルコールを用いるのだそうです。唐辛子とニンニクを適量米酢に1か月漬け込んでおけば完成。

唐辛子スプレーは希釈して使います。どのぐらい希釈するかは人それぞれのようですが、おおむね10~1000倍といったところのようです。

過去に1000倍で希釈していた時はほとんど何も変わりませんでした。そして最終的に10倍ぐらいにして使い始めたのですが、その後虫は減ったように思います。ただし、その後枯れてしまった植物もあるので、あまり濃すぎるのも問題なようです。

主な対象はアブラムシです。一時期大量発生していたアブラムシは完全にいなくなりました。もっとも、唐辛子スプレーが原因でいなくなったのかははっきりとはわかりません。唐辛子スプレーと水によるシャワーを1日おきにやっていたので、水によるシャワーの効果も大きかったのではないかと思います。

ハダニに対する効果は微妙です。というのも、いくらかけてもハダニは付いていたからです。とはいえ、以前のような大繁殖ということはなくなりました。

そしてコナカイガラムシにはまったく効きません。

なお、唐辛子スプレーを炎天下に使用したらスプレーがかかったところだけ葉が黄色くなってしまいました。唐辛子スプレーに限らず、植物に何かを散布する場合、炎天下は避けた方が良いと思います。私はそれから夕方の太陽が沈む直前ぐらいの時間に使用するようにしています。

廃油スプレー

揚げ物を作った時の廃油をスプーン1g程度、それから食器用液体洗剤を1g程度、最後に水を300ml程度スプレー容器に入れ、フリフリして乳化させ、葉裏などに散布するのが廃油スプレー。

虫って体を油で覆われていることが多く、水ははじいてしまうことがあります。廃油スプレーならジワッと染み込み、洗剤が気孔をふさぐことで呼吸ができなくなって駆除できる、という仕組みなんだそうです。

これは忌避というより、殺虫して対策することになります。虫に直接噴霧です。希釈せずに使います。しかし、ハダニはこれをかけても元気でした。翌日も元気にタムロしていました。多少は減ったのかな?

この手の天然系の農薬は化学系の農薬に比べると効果が薄いです。ルーティーンを組んで定期的に使用するのが良いと思います。

牛乳スプレー

文字通り牛乳をスプレーします。牛乳は乾燥すると膜ができます。それを利用して、虫の気孔をふさぎ、窒息させます。

個人的にこの方法はあまりお勧めできません。理由は、牛乳が乾くと白い膜になるのですが、植物に白い膜が付いて、見た目が美しくないからです。翌日、乾燥後は水のシャワーなどで洗い流すようですが、その白い膜は簡単には流れてくれませんでした。

私が試した時はニオイは気になりませんでしたが、大量に使えばニオイも出てくると思われます。

オレンジオイルスプレー

オレンジオイルを自作し、それを希釈して植物にかけています。効くかはわかりませんが、我が家における主なターゲットはアザミウマです。

水によるシャワー

成分はH2Oのみ。水道水をシャワーノズルで植物の葉裏に散布するだけ。ハダニやアブラムシなどの虫はシャワーをするだけで結構簡単に落ちていきます。それを流してしまえば虫対策ができます。

実は私が一番のススメなのはこの方法。夕方などにやれば植物に対する負担も少なく、かつ効果も高いです。ただし、コナカイガラムシは強く植物にくっついているためほぼ効果がありません。

ニーム

ニームオイル
ニームオイル

ニーム(インドセンダン)というのがあって、主にその種子に害虫の忌避成分アザジラクチンが含まれているらしく、種子を粉砕して絞ったニームオイルや、その搾りかすニームケーキは害虫予防に使われることがあると教えていただきました。確かに台湾でもニームを使った商品がネット通販などで販売されています。

ニームケーキもニームオイルも購入したことがあります。そのうちニームオイルは今も継続して使用していて、ニームケーキもまたいつか購入したいと考えています。

ニームに含まれるアザジラクチンは熱に弱く、また、効果が長続きしないため、定期的な散布が必要なのだそうです。

なお、ここ台湾に置いてニームオイルは人畜無害として販売されていました。

アロマティカスエキス

アロマティカスから抽出したエキス
アロマティカスから抽出したエキス

効くのか効かないのかは全くわからないのですが、虫が全然つかないアロマティカスのエキスを抽出してベランダに噴霧したこともあります。効果は実感できませんでした。

害虫駆除粘着シート

物理的に害虫を駆除する方法に粘着シートがあります。黒、青、黄色などの色があり、対象となる虫に合わせて導入します。実際に使ってみたところ、確かに虫は取れました。

虫が付きやすい植物を撤去する

最終手段にも近い感じがありますが、虫の対策がどうにもうまくいかない場合は、虫が付きやすい植物を撤去するという方法もあります。というのも、虫がたくさん付く植物が1つあるだけで、そこから虫が移動し、他の植物にも影響が出るからです。

例えば過去に我が家のベランダでハダニが多く発生したのは紫蘇、さつまいも、カボチャ、大豆です。アブラムシは百日紅(さるすべり)に大量発生しました。コナカイガラムシは山芋、オジギソウによく付いています。

撤去は悲しいのでできればしたくないと思っていますが、どうにもならないときは最後の手段として撤去も検討しますし、実際に撤去したこともあります。

生物農薬

生物農薬という概念があって、その名の通り生物を用いた害虫駆除なのですが、例えばテントウムシが生物農薬として利用されることがあります。

また、ヨーロッパではクサカゲロウなども生物農薬として利用されるそうです。

最後に

ハダニとアブラムシは水によるシャワーと各種スプレーをたまに使うことでかなり減ると思います。

今後の課題としては、コナカイガラムシやアザミウマをどうするかです。絶賛試行錯誤中です。