自宅ベランダの桜の木から「桜の葉の塩漬け」を作った体験談

台湾に住み始めてからと言うもの、桜餅を見かける機会はかなり減りました。当然食べる機会も減りました。

「ああ、桜餅食べたいなぁ。そうだ!自宅に桜の木があるから、その桜の木の葉っぱを使って桜餅を食べよう!まずは桜の葉の塩漬けだ!」

そう考える方も多いはず。今回は桜の葉の塩漬けを作ってみました。

桜の葉の塩漬け

桜の葉の塩漬けというのはその名の通り桜の葉を塩漬けしたものです。桜の葉にはクマリンという芳香成分が含まれていて、それがあの独特の桜の葉の香りとなっています。桜葉漬けともいうようで、日本では伊豆半島の松崎町という場所が主要生産地のようです。

桜の葉の塩漬けはオオシマザクラの葉を使って作られることが多いようです。オオシマザクラの葉の特徴は柔らかいことと、毛が少ないこと。それらの特徴が桜の葉の塩漬けに向いているのだそうです。

日本ならスーパーで売られていることと思いますが、私の住む台湾で売られているのを見たことはありません。

桜の葉の塩漬けの作り方

桜

まず、近所のホームセンターで桜の苗を買ってきて、というのは冗談ではありますが、実は我が家ではそれをやりました。そもそもの目的は桜の花の観賞だったのですが、せっかくなので桜の葉を収穫し、塩漬けにしました。台湾の富士櫻という種類の桜です。日本の富士桜とは別の種なのだそうです。

桜の葉が出てくる5月ごろ、まずは桜の葉を収穫します。この時、サイズに注意します。というのも、小さすぎると桜餅が包めません。でも大きすぎるとバランスが悪くなります。おおむね12cm前後の葉が良いのではないかと思っています。桜餅の周りを1周することを考えると、直径3cm前後の桜餅で、外周は9.42cmになります。これはまん丸の場合です。それに+αという感じです。

それから、あまり固くなった葉も食感が悪くなるので、できれば新しい葉を収穫すると良いです。もちろん虫などに食われていないきれいな葉を収穫しましょう。

なお、自宅の桜以外は所有者の許可を取る必要がありますし、どんな農薬を使われているかわからないのでやめた方が良いと思います。我が家の桜は化学農薬不使用です。しかも自己所有。安心して使えます。

桜の葉を湯通しする
桜の葉をお湯にくぐらせる

収穫した桜の葉は、20~30秒ほど沸騰したお湯にくぐらせて色止めをします。殺菌殺虫の意味も兼ねて、この工程は忘れずにやりたいです。

桜の葉の塩漬けには桜の葉の重量の20%ぐらいの塩を入れました。これは梅干し準拠です。どのぐらい入れれば良いのかわからなかったので20%ぐらいにしました。

お湯にくぐらせた桜の葉をキッチンペーパーで拭き、水分をとります。それからビニール袋に塩と一緒にいれ、最初は重しをして数時間放置し、それから冷蔵庫に入れて保管しておきました。お湯にくぐらせた後冷や水に浸す場合もあるようです。

塩水で作る桜の葉の塩漬け
塩水で作る桜の葉の塩漬け

塩水に漬けて作る場合もあります。その時も塩分濃度が20%になるようにして作っています。

桜の葉の塩漬けを作る時期

自作した桜の葉の塩漬け
自作した桜の葉の塩漬け

桜の葉の塩漬け作りは桜餅を作る前にやっておく必要があります。約50日後に取り出した桜の葉の塩漬けは市販の茶色いものではなく、緑がまだまだ残っているものでした。これは好き好きかもしれません。

私の印象では桜の葉は茶色がかった色の物が普通ですが、緑だとちょっと作り物っぽい。それはそれで鮮やかなのできれいではありますが。自作したところ非常に鮮明な色の桜葉漬けとなりました。

使用前の処理「塩抜き」

桜の葉の塩漬けは使用前に水かお湯で塩を洗い流し、湿らせたキッチンペーパーなどで包むなどして出番を待ちます。お湯に塩を少しだけ溶かし、そこに塩漬けにした桜の葉を入れ、しばらく浸けておけば塩も多少は抜けるのではないかと思います。梅干しの塩抜きのようなイメージです。

水で洗った後に1枚だけ食べてみると良いですね。それで判断できます。時間にして30分ぐらいで私は十分ではないかと思います。

なお、葉の付け根の部分の固い茎のような部分は包丁で切り取ります。

オオシマザクラ以外の桜で作った桜の葉の塩漬けの味は?

オオシマザクラの葉が手に入らず、自宅のベランダにあった台湾の富士櫻で桜の葉の塩漬けを作りましたが、味も香りも非常によく、イメージ通りの桜の葉の塩漬けとなりました。

このことから、オオシマザクラの葉が手に入らないからとあきらめるのはもったいないと感じております。

最後に

合法的に安全な桜の葉を手に入れることができるのは自宅で桜を育てている方だけかもしれません。ただ、桜は庭木としてはいろいろ弊害があって難しい木でもあると聞きます。鉢植えなら可能性があるでしょうか。

自分で作ってみると意外となんとかなるもので、非常に楽しくもあります。これから梅仕事ならぬ桜仕事として恒例行事にするかもしれません。