手作り桜餅に使った桜の葉の塩漬けがなにやら苦かった理由

手作りした桜の葉の塩漬けが苦くなってしまったのでその理由を考えてみたところ、出てきた答えは葉が大きいことでした。

桜の葉の塩漬けが苦い?

以前桜の葉の塩漬けを作った時は特段苦いとは感じなかったのですが、今回は桜の葉の塩漬けが苦かったです。すべてではなく、どちらかと言うと茶色が強く出ている方や、大きい葉の多くが苦かった印象です。

台湾富士櫻だから苦い?

桜の葉の塩漬けは一般的にオオシマザクラで作られることが多いそうです。産地で言えば桜の葉の塩漬けは西伊豆の静岡県松崎町が有名です。

以前我が家のベランダにある台湾の富士櫻の葉でも一般的な桜の葉の塩漬けとそん色ないものが作れたので、松崎町のオオシマザクラを使わないと苦くなるということでもないようです。

実際、今回作った桜の葉はすべて台湾富士櫻なのに、苦いのもあれば苦くないのもあります。つまり、桜の品種が問題だとは考えにくいです。

塩水で作ったから苦い?

桜の葉の塩漬けはまとめた桜の葉を18~20%の塩で漬け込みます。今回は塩分濃度20%前後の塩水を作り、それに漬けていたのですが、一部は苦くなり、一部は苦くなりませんでした。

苦いものも苦くないものも、塩だけではなく塩水を使って漬けたという条件は同じだったので、塩水が原因とは考えにくいです。

大きい葉が苦い!

手作り桜餅
手作り桜餅

今回、できるだけ大きい葉、具体的には12cm程度の葉を中心に採取して塩漬けを作ったのですが、苦い葉は大きい葉が多かったです。

特に、葉の付け根部分の太さに注目で、葉の付け根部分の茎のような部分が立派に育った葉は苦い傾向にあると感じました。

葉が大きいということはそれだけ成熟している状態とも言えるので、やはり若葉を選択して採種する方が良いと思います。

なお、12cmにした理由は、前回桜の葉の塩漬けを作った際に小さいと感じたからです。今回は逆にちょっと大きすぎかもと感じました。

クマリンが苦い!

そもそも桜の葉には苦い成分が含まれています。桜の葉の苦い成分はクマリンです。桜の葉特有の香り成分がクマリンで、塩漬けにすることで香りが際立ちます。

香りの素になっている成分のため、なくてはならない成分でもありますが、このクマリンが苦いのだそうです。

桜の葉に含まれるクマリン

クマリンは桜の葉に含まれる芳香成分です。クマリンは苦い味がします。

グレープフルーツなどに含まれる苦み成分はフラノクマリンと呼ばれ、それもクマリンが名前に付いていました。何か関連があるのかもしれません。

クマリンは非水溶性

クマリンは水にほぼ溶けません。そのため、水で塩抜きをしてもクマリンはほとんど溶け出ていかないのです。

そのため、桜の葉の苦味が気になるからと言って、塩抜き時間を長くしても苦味に関してはほぼ意味がないようです。

クマリンには毒性があるのでたくさん食べると良くない

桜の葉に含まれるクマリンは毒性の物質のため、たくさん食べると体に害がある可能性があるそうです。苦かったら食べたくもなくなりますが、苦くないときもあるのでなんだかそういう時はもったいないような気にもなります。

子供のころ、桜の葉の塩漬けが苦手で、中身だけを食べていましたが、むしろその食べ方の方が体には良さそうです。

ただ、健康な人が桜の葉の塩漬けを少量食べたところですぐにどうこうなるものでもないらしく、食べ過ぎが良くないのだそうです。

苦くなる原因は?

苦い葉と苦くない葉があります。苦くない葉は比較的小さい葉です。つまり、葉が成熟するにつれて苦味が増す傾向があるように感じられました。

今回使用した桜の葉の塩漬けは制作時にできるだけ大きな葉を選んで制作しました。そのため、以前よりも成熟していたことは間違いありません。以前は苦味が気にならなかったのに今回気になる理由はそこにあるのかもしれません。

苦味は最初に感じる

5つある味覚の中で、最も感度が高いのが苦味です。続いて酸味→うま味→塩味→甘味と感じやすい味覚が続きます。

そのため、葉が大きければそれだけ苦み成分の含有量も多く、口に含む量が多ければ多いほど苦味を感じやすくなるとも言えるかもしれません。

苦い桜の葉の塩漬けは食べない

桜の葉で包まない桜餅
桜の葉で包まない桜餅

今回、桜の葉の塩漬けを使って桜餅を作りました。使用した桜の葉は半年以上漬けていたので色は見慣れた茶色になっており、いい感じではあったのですが、あいにく苦かったため葉は剥がして食べることにしました

なお、桜の葉の塩漬けをまかなくても桜餅がおいしいことには変わりありません。もちろん桜の香りが付いているともっとおいしいですよね。今回はぐっと我慢して、来シーズンにまた改めて桜の葉の塩漬けを作り、桜餅に挑戦したいと思っています。

最後に

今回手作りした桜の葉の塩漬けは苦いものが混ざっていました。原因は葉の成熟度と大きさではないかと考えました。

ベランダには今も桜の木があるので、その桜の木を有効活用するためにも、また来シーズン桜の葉の塩漬けを作ろうと思っています。

でも、その時は桜の葉が大きくなりすぎていないか、成熟して始めていないかに注意しながら葉を採取しようと思います。