いただいたイチジクの鉢から大量のカタバミが生えてきたので、花が咲くまで育ててみた記録です。
目次
カタバミを育てる
カタバミと言えば雑草の代表とも言っていい植物で、そこかしこに生えている雑草の一つです。
雑草とはいえ、カタバミも植物の一つです。そこで、育ててみようと考えたことがある方もいるはず。私もそうでした。
せっかく生えてきたのでカタバミを育てることにしました。
育てたのはムラサキカタバミ
今回育てたカタバミは、葉の形を見ればカタバミだとすぐに分かったのですが、カタバミもいろんな種類があります。
Googleレンズで調べた結果、突然生えてきた我が家のカタバミはムラサキカタバミと呼ばれるものとのことで、確かに写真は酷似していました。
ムラサキカタバミとは
ムラサキカタバミはカタバミ科の植物で、多年草です。キキョウカタバミとも呼ばれるそうです。なお、漢字で紫片喰と書くこともあるそうです。
ムラサキカタバミの特徴は、葉が大きく、紫の花が咲くことです。同じムラサキの花を咲かせるカタバミにイモカタバミというのがありますが、イモカタバミは花の中央まで紫色なのに対し、ムラサキカタバミは花の中央はムラサキではなく緑色をしています。
葉が紫色のオキザリス ・トライアングラリスのようなカタバミもありますが、ムラサキカタバミの葉は緑色です。
なお、実際に育ててみても思ったのですが、ムラサキカタバミは繁殖力が強く、環境省から生態系被害防止外来種(要注意外来生物)に指定されているそうです。
カタバミの毒性
ムラサキカタバミはシュウ酸を含むため、少なからず体には毒になるそうです。当然食用にはしませんでしたが、触ったところで体に害は感じませんでした。
10月ごろに発芽

暖かい地域に住んでいることもあってか、10月に発芽しました。そもそも今回のムラサキカタバミは購入したものではなく、知人から9月にいただいたイチジクの鉢に生えてきたものでした。
当初、完全に雑草扱いしていたため、即座に抜き去ったのですが、地下には球根のようなものがあり、それが何とも神秘的で育ててみようと思いました。
カタバミの駆除方法

カタバミは球根(鱗茎)のような塊茎のような地下茎で繁殖します。そのため、カタバミを駆除するにはこの地下茎をすべて取り去る必要があります。
カタバミを駆除するときは地上部の葉を持って引き抜くと地下茎が土中に残った状態になりがちです。地下茎が土中に残ったままだとまた発芽してしまいます。そのため、スコップなどで掘り起こして根こそぎ除去しなければなりません。
今回はこのカタバミを育てる試みなので、除去はしませんでした。
大きい葉
カタバミの葉は一枚一枚がせいぜい1cmぐらいの印象でしたが、生えてきたカタバミの葉がイメージよりも大きく、2cmぐらいにはなっていました。
そのため、私の良く知る黄色い花が咲くカタバミとは違う種類だなと思っていました。でも花が咲くまで同定は困難であるとも感じていました。
この大きい葉はムラサキカタバミの特徴の一つでしょう。
ハダニ対策のバンカープランツ

カタバミはバンカープランツとも言われます。なんでも、ハダニの天敵をおびき寄せる効果が期待できるのだとか。
バンカープランツとは
英語のバンクが銀行を指すように、お金ではなく害虫の天敵となりうる昆虫などを引き寄せる植物で、育てたい植物に害虫が発生した時にその天敵の銀行から天敵が飛び立ち、害虫を駆除してくれるイメージなのだそうです。
バンカープランとしてのカタバミの効果
実際にカタバミを育ててみた感想ですが、ハダニの天敵を呼び寄せる効果は全く実感できず、実感できたのはむしろハダニによる被害でした。
ムラサキカタバミの葉裏にハダニがびっしりと付き、しかもハダニがかなり巨大化していました。つまり、カタバミはハダニも引き寄せる効果があるようなのです。
カタバミを育てていた時期、他の植物にはハダニがほとんど付いていなかったので、カタバミはハダニの大好物と言って良さそうです。
ハダニの天敵を呼び寄せず、ハダニが大量に発生してはかなわないので開花を確認したらカタバミを除去しました。
1月末に開花

3~4か月程度育て続け、1月末に開花に成功しました。通常、カタバミは梅雨ごろから夏にかけて開花するのだそうですが、おそらく我が家が暖かい地方にあることが影響して1月末に開花したのでしょう。
紫色の、ネットで見た画像とまったく同じ花が咲きました。
開花後の地下茎

開花後まで育った地下茎は最初のころよりもかなり立派になっていました。球根というよりは確かに塊茎に近いのだと思います。
これが土中に残っているとまた新しい芽が出て、開花することになるでしょう。
最後に
雑草と呼ばれるカタバミも自分で育てると可愛いものです。ベランダで植物を育てていると、土にもともと含まれていた種か、鳥さんが運んできた種か、突然発芽することもあり、それを育てるのも結構楽しかったりします。とはいえ、ムラサキカタバミは繁殖力が非常に強いので、栽培はおすすめしません。
今回はムラサキカタバミを育ててみた記録でした。