日本では回転ずしチェーンを中心とした飲食業界で、いたずらをした高校生などが大炎上し、社会現象となっていますが、ここ台湾も例外ではないようで。
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台湾の回転寿司「爭鮮(争鮮)」
台湾で回転寿司と言えば争鮮が有名ですが日本の回転寿司チェーンであるスシロー、くら寿司、はま寿司も台湾の都市部を中心に出店しています。
回転寿司騒動
今回、日本の回転寿司チェーンで発生した、高校生などによるいたずら行為は台湾でも批判の的となっており、ニュースなどでも大々的に取り上げられています。もはやその騒動の事を知らない台湾の方は少ないのではないかと思うほどに知れ渡りました。
良くも悪くも日本のことは注目されており、日本で発生したよくないニュースがテレビで流れると、なぜそれが発生したのかの理由を聞いてくる人や、とにかく批判したい人や、さらには日本人の質が下がっていると持論を展開する人もいます。
何を隠しましょう、私はそのようないたずらをしたことは無いので、いたずらをした人の心理はわかりません。ただ一つ思うことは、こういうことって日本だけの問題ではないだろうということ。
台湾の回転寿司店でも騒動
台湾の回転寿司チェーン争鮮でもやはりいたずらというか、不衛生なことをする人はいて、一度取った皿のカバーを外し、手や箸などで触ってから再び蓋をしてレーンに戻した人がいたと最近話題になりました。なんでも、そんなことをしたのは常連客で、お店側の対応も問題視されました。
それがあったからか、本件に関しては「日本は!!日本は!!」とあまり言われなくなりました。
ちなみに、上記の事件の後、そのお店は衛生局から見回りを強化するように言われており、それが後述の巡回体制につながっているようです。
争鮮の対策
改めて争鮮に行って、そのようないたずらを防ぐための防御力がどの程度か観察してみました。
レーン上の寿司には透明のカバーがかかっている
日本でもレーン上の寿司にカバーを付けている回転ずしチェーンは存在します。争鮮もそうです。透明のプラスチックカバーで蓋をされており、客はそれを皿ごと取って、そのカバーはレーン上を流れる専用の「カバー返却用の皿」に戻します。その返却用の皿が見当たらずに机にいったんそのカバーを置くと、巡回している店員さんが回収してくれます。
透明のカバーはいたずらの発生を抑止する意味では完璧ではないですが、一定の効果は発揮しているものと思われます。悪意がなくとも、レーンの前で話しているとツバも飛ぶでしょうし、誤って触ってしまうということもあるかもしれませんが、それを防ぐことができます。それに、カバーがあると、いたずらをするためのハードルが一段階上がるため、それで防ぐことができたいたずらも多いのではないかと思います。いうならば、魔が差すのを防ぐくらいの効果はあるでしょう。
ボックス席の仕切りが低い
店舗にもよるかもしれませんが、私が案内されたボックス席は、となりのボックス席との仕切りがなく、ソファのみで仕切られているタイプで、そのソファの背もたれは、大人の胸の辺りまでしかありませんでした。
ちょうどとなりに2~3歳ぐらいの男の子がいて、その子がずっと身を乗り出してこちらを見ていました。それぐらい仕切られていません。つまり丸見えです。
仕切りが低く、丸見えであることもいたずら防止には一定の効果を上げているものと思われます。というのも、仕切りが高ければそれだけ魔が差した時にいたずらを実行するまでのハードルが低くなるからです。仕切りが低ければ逆にこの心理的ハードルは高くなります。
従業員がしきりに客席の間や後ろを巡回する
私が訪問した際、案内されたボックス席までの通路を2~3人の従業員がしきりに行ったり来たりしていました。ただ用事があってと言うよりは、常に客席に気を配っている様子で、そのボックス席は通路を挟んで反対側に一般の一人用席が並んでいたのですが、視線はボックス席に向いていることが多いように感じました。もちろん不必要な寿司のカバーを回収したり、その他もろもろに迅速に対応するために巡回しているのだとは思いますが、昨今の報道で店側も神経を光らせているのではないかと感じられました。
常に監視されているとすれば、いたずらをするためのハードルはぐっと高くなります。もちろん、2~3人がボックス席とその反対の一人用の席の合わせて約30~40人の客を一人ひとり監視し続けることは困難なので、必ず死角は存在しますが、それでも頻繁に従業員が見に来るというのは一定の効果があるものと思われます。
注文商品お届けのレーンが若干高い位置にある

今回訪問した争鮮はすべてスマホで注文する方式になっていました。もちろんレーンにもお寿司が流れているのでそれを取って食べても良いのですが、注文することもできます。
注文した品は新幹線みたいな乗り物に乗せられて、通常のレーンの二階部分、少し高い位置にあるレーンで運ばれてきます。二階のレーンが注文商品専用になっています。
この注文商品専用レーンは少し高くなっており、一般の成人男性でもちょっと背伸びする方が良いぐらいの高さに設置してありました。いや、平均身長が日本よりも高い台湾の方はもしかしたらそんなに背伸びしなくても簡単に取れるのかもしれませんが、例えば縦に飾れる什器とともに流れてくる手巻きずしやパフェなどは、立ち上がった方が良いなと判断するぐらいの高さになっていました。座ったままだと倒れそうで怖かったです。実際、子供が商品を落としてしまっていました。
座ったままリラックスした状態で流れてくるものにはいたずらしやすいです。逆に、ちょっと背伸びをしないといけないとか、立ち上がらないと取れないレーンはいたずらをするためのハードルが上がるように感じました。
しかも、その注文商品専用レーンを流れる新幹線は結構なスピードで通り過ぎます。それもいたずら防止に一役買っていることでしょう。
それでもいたずらする人はする
今回、報道のニュースを受ける前から争鮮では様々な対策を講じていたことと思いますが、結局いたずらする人はどのような対策があってもするように思われます。ただ、そのハードルが高くなればなるほどいたずらする人の数は減るのかなと。
最後に
私が回転寿司に行く理由は、安く、気軽に入れるからです。レーンにエンタメ性は求めておらず、実際、ほとんどレーンに流れている商品は取りません。ほぼすべて注文しています。
あれ?レーンなくてもよくね?とも思いましたが、寿司が回転するというエンタメ要素がなくなると子供、つまり家族連れの客が減るのかもしれません。
回転寿司のように気軽に入れて、安心価格の寿司屋が出来たらむしろそちらの方がいたずらの心配も少なくなるし、安心して行けるなと思った次第です。
例えばカウンター席なんだけど職人さんと会話する必要はなく、注文もスマホなどを使えるシステムで良いのではないかとすら思います。
そもそも回転寿司で1500円とか2000円とか食べるレベルなら、実はそのぐらいの価格で回らないお寿司屋さんがありますよね。もうそっち行こうかなって思ったけどここは台湾でそんなお店そうそう見つからないんでした。