梅酒の種から発芽に挑戦したけどダメだった理由

梅酒や梅干しの種って発芽するの?という疑問に対し、ネットを見ると賛否両論、いや、どちらかというと「しない」派の意見の方が多いようなのですが、非常に気になったので実際に挑戦してみました。

今回実験したのは梅酒の梅と、甘い梅漬けの梅。結論を先に書くと、発芽はしませんでした。何をどうしたかを書きます。

ベランダで梅の木を観賞したい

秋になってだいぶ過ごしやすくなってきました。真夏の灼熱の太陽で元気を失っていた一部のベランダ植物も、最近はちょっと元気になってきたように思います。

さて、台湾でも2月末ごろには山を中心に梅の花が咲き、3月末ごろから市場に梅の実が出回ります。梅を加工した製品も非常に多く、スーパーなどで一年中、いつでも手に入れることができます。

台湾での生活と非常になじみ深い梅なのですが、自分でも育ててみたいと思うようになりました。

台湾で梅の木を手に入れるには

そこで、梅の木を手に入れたいと考えたのですが、園芸店で買えば早いとは思うものの、やはり自分で種から育てたいと考えました。ご存じの通り、果樹は種から育てた場合、親の性質を受け継がないという特徴があり、必ずしも良い木にはならないかもしれませんが、どうしても興味があります。

今までアメリカンチェリーや桃は発芽しましたし、実際に春先に手に入れた梅の実から種を取りだし、育ててみたところ、しっかりと発芽して、現在も成長中です。

ですので、台湾で梅の木を手に入れる方法は、正攻法では園芸店で苗を買う方法、実験したい方は梅の実を買って、種から発芽させるという方法があります。

梅酒や梅干しの種は発芽するのか実験!

上記のとおり、実験的に梅の実から種を取りだしても発芽することはわかったのですが、この方法は時期が限定されます。というのも、生の梅の実が出回るのは、台湾では3月末から4月中旬ぐらいまでだからです。その時期を逃すと生の梅の実は手に入りません。

ん~、実験してみたいのにできない、という歯がゆい状況が続きます。そこで白羽の矢が立ったのが梅酒や甘い梅漬けと言うわけですね。

梅酒は日本の有名メーカーのものに入っていた実から、甘い梅漬けは台湾で作られたもので、塩漬けではなく、砂糖かはちみつで漬けられたものです。

生の種からも同時に実験したかったのですが、今は梅の時期ではなかったので、冷蔵庫に眠っていた桃の種を使って実験しました。

数は、生の桃×1、梅酒の梅×2、甘い梅漬けの梅×2の、合計5つです。

固い殻を割る

桃、甘い梅漬け、梅酒の種
左から生の桃の種、甘い梅漬けの梅の種×2、梅酒の梅の種×2

梅などのバラ科の植物の場合、冬を経験させないと発芽しないという話があります。今回の種は梅酒のものは冷蔵庫で冷やさず、甘い梅漬けの梅の種と、生の桃の種は冷蔵庫で2~3か月程度眠らせていたものです。

実際、冷蔵庫で冬を疑似体験させていない種も発芽することはあるので、今回はそれに期待しました。

まずは固い殻を割ります。その方が発芽が早く確実だと考えたからです。また、中の様子も確認したかったという理由もあります。

中には仁と呼ばれる種の中身(本体?)があります。茶色い薄皮まで剥いていくと、生の桃の種は真っ白。しかし、梅酒の種は茶色、甘い梅漬けの物は薄茶色でした。

参考まで、以前発芽した生の梅の種の写真を以下に掲載します↓

生の梅の種
過去に発根した生の梅の種(参考)

光の具合やカメラの設定も関係あるとは思うのですが、おおむね生の梅の種も、今回の生の桃の種と同じように白が強い印象です。

なお、生の桃の種を割るとき、実は失敗して種を半分に砕いてしまいました。完全体ではありませんが、発芽実験には問題ないだろうと思い、続けることにしました。

梅酒の種は仁まで酒の匂いが染み込んでます。甘い梅漬けの種の仁はもしかしたら漬け汁の味がしたかもしれません(梅干しの種を食べたことがありますが、しょっぱいです)。

ん~、この段階でなんとなく望み薄かなという感じがします。でも、もちろん継続します。

湿らせたキッチンペーパーで包み、保管

割った種は湿らせたキッチンペーパーで包み、保管しておきます。場所は本棚に適当に置いておきました。

今までの経験では、5日も放置すれば、発根するものが現れます。さて、どうなるか。

この5日間、キッチンペーパーは変えません。いや、変えても良いと思うのですが、面倒で変えませんでした。

5日後の結果

発根した桃の種
発根した桃の種

それから5日経ち、中身を確認した結果は以下の通り。

  • 梅酒の梅×2:失敗(発根せず、カビで覆われる)
  • 甘い梅漬けの梅×2:失敗(発根せず、盛大にカビに覆われる)
  • 生の桃×1:成功

大方の予想通り、仁が白かった生の桃のみが発根しました。

個人的には桃が発根したこともうれしかったのですが、それ以上に梅が発芽しなかったことが残念でなりませんでした。

考察

まず、今回は母数が少なすぎます。たった2つずつの種から発根しなかっただけで、梅酒や梅漬けの種は発芽しないと断定するのは時期尚早。しかし、たった1つの桃の種が発根したことを考えると(過去には生の梅の種も発根しました)、なにかしらの液(砂糖やはちみつによる甘い液、酒など)に長く浸かった種に関しては、仁まで液が浸透し、発根機能に影響を与え、発根する可能性が低くなるのではないかと思います。

また、今回の実験で梅酒の種は冷蔵庫による冬の疑似体験を経ていません。ただ、この点に関しては過去にもその疑似体験を経ずにいくつも発根させた経験があるので、今回の失敗の主たる原因とは言えないと考えています。

最後に

梅酒や梅漬け(梅干し含む)の種から梅の木を育てたい、というのはロマンを感じます。可能性が低くとも、またいつか挑戦してみたいなと思っています。