iPhone13はセンサーシフト方式! スマホカメラの手振れ補正の種類について

2021年9月にiPhone13が発表され、興奮しまくった人もいるのではないかと思いますが、やはりセンサーシフト式の手ブレ補正搭載でしたね。

実はiPhoneがセンサーシフト式手ブレ補正を搭載していると知る前、VIVOというメーカーの一部モデルが気になっていました。その理由は簡易的なジンバルがカメラ部に内蔵されていたからです。

この記事ではスマホカメラの手振れ補正について書いています。

ジンバルが内臓されているスマホ

ジンバルと言えばヌルヌル動くような非常に滑らかに遷移する動画を撮影されるために使用される機器。スマホ対応の機種などもあり、今では非常に身近な存在と言えます。私もいつかはジンバルを手に入れたいなと思っていたのですが、しばらく前にジンバルを内臓したスマホと言うのがあるということを知り、それからというもの一気に興味が通常のジンバルではなくジンバル内蔵スマホへとシフトしていきました。

ジンバルが内蔵されていると謳ったスマホはVIVOと言うメーカーから発売されています。モデル名はX50 ProとX60 Proです(X70 Pro+にもジンバルは内臓されているようなのですが、少なくとも記事執筆時にはグローバルモデルがないようです)。

ジンバルの効果は?

最初は実際にそれが機能しているのか半信半疑でした。そこでYouTubeで検証動画などがないか探してみたところ、英語や中国語で検証動画をアップしているユーザーを発見!早速見てみたところ、結構効果がありそう

ただ、一部の動画のコメントを見てみると、それらの動画の一部はスポンサードになっていて、そのためにVIVOに有利な検証結果になっているというものでした。また、iPhoneの方が良いというコメントも見られました。

手振れ補正の種類

手振れ補正にはいくつか方式があって、大きく分けると電子式(EIS)と光学式(OIS)の2つにわかれ、安価なモデルは電子式のみが多く、高価なモデルは光学式を搭載していることが多いようです。

電子式手振れ補正

電子式の手振れ補正はソフトによる補正。技術はかなり高くなっているようですが、どうしても画角が狭くなったり、不自然にガクッと動く瞬間が混ざることがあります。

そもそもスマホに搭載された機能としての電子式手振れ補正もありますが、動画編集ソフトなどを使ってすでに撮影された動画を、後からソフトで補正することもできます。いずれにしても、画角は狭くなります。

手ブレすると前後左右に画面がブレるわけですが、その前後左右を切り取り、中央部のみを残すことであたかもブレていないかのような映像を残す、という原理のようです。

光学式手振れ補正

光学式手振れ補正と一言で言っても、いくつか方式があります。「レンズシフト式」「センサーシフト式」が主流のようですが、ソニーのハンディカムに搭載されている「空間光学手ブレ補正」やVIVOの一部のスマホに搭載されている「微雲台(ジンバル)」のように、レンズ群/レンズとセンサーを1つのユニットにしてしまい、それを丸ごとジャイロセンサーでコントロールする方式もあります。

レンズシフト式

1枚のレンズをジャイロセンサーで動かすことにより、手振れを防ぐというもの。今までのスマホで光学式手振れ補正というと、この方式のようです。一般的には3軸の補正のようです。

空間光学手ブレ補正

ソニーがハンディカムに採用していた方式で、レンズ群とセンサーを1つのユニットにして、そのユニットごと手振れ補正をかけるというもの。前から見るとレンズがギョロギョロと動いているように見えるため、「ギョロ目くん」などと呼ばれることもあるそうです。

スマホで空間光学手ブレ補正という名称は聞きません。ですが、vivoの微雲台は少し似ているかもしれません。

微雲台(ジンバル)

VIVOの一部のスマホに搭載された手振れ補正の方式で、「ジンバル内蔵」と謳っています。今までスマホ用のジンバルはありましたが、ジンバル内蔵スマホの登場と言うことで、心躍ったものです。

ただ、その内容を調べていくと、どうやらソニーがハンディカムに採用していたユニットごと手振れ補正をかけるというものと似ている技術のようで、こちらは5軸補正だそうです。

すでにVIVOが初めてこれをスマホに搭載してから時間が経っていますが、他社が追随している様子はありません。むしろ別の方式を採用し始めています。それが以下のセンサーシフト式。

センサーシフト式

iPhone 12 Pro Maxに搭載されていたセンサーシフト式手振れ補正。そして2021年9月に発表されたiPhone 13シリーズにも搭載。従来のレンズシフト式に比べ、画質の劣化が少ないことと、補正能力の改善が期待できるのだそうです。実際YouTubeに投稿されたiPhone 12 Pro Maxの検証動画を見てみるとかなり補正が効いていることがわかります。

Samsungの次期GalaxyシリーズS22にもセンサーシフト式の手振れ補正が搭載されるのではないかと言う噂がありましたが、S22は光学式手振れ補正+AIとのことで、特段センサーシフト式と言わないということは、レンズシフト式+AIなのではないかと思っています。

センサーシフト式が主流になるかと思ったのですが、意外とそうでもなさそうですね。

デュアル光学式(OPPO Find X5 Proの手振れ補正)

OPPO Find X5 Proの手振れ補正はDual-OISとされていて、ネット上の資料などを見る限りセンサーシフト式とレンズシフト式を合わせた方式のようです。そして、これらを合わせることによって5軸手振れ補正を実現したとするものです。

YouTubeで実際に撮影された映像を見ましたが、OPPO Find X5 Proの手振れ補正は、走りながら撮影するようなときには強いようですが、VIVO X70 Proと比べた場合、大体同じような挙動に感じました。歩くときの手振れ補正はiPhone 13 Pro Maxの方が優れているように感じました。

ただ、これらも撮影者や撮影条件によって異なるので、結局のところ自分で実際に撮影してみないとわからないというのが現状ではあります。とはいえ、ただのレンズシフト式よりもこのデュアル光学式の5軸補正の方が良さそうで、スマホで手振れの少ない映像を撮る上ではVIVOのジンバル式かiPhoneのセンサーシフト式、このOPPOのデュアル光学式のどれかが良さそうではあります。

最後に

実は今、手元にギョロ目くんがあります。手振れ補正の効果はかなり高いです。これ、ソニーがXperiaに空間光学手ブレ補正を搭載したりすることはないでしょうか。もしも実現したら非常に面白いことになりそうな気がするのですが。ただ、あの技術はギョロギョロするために結構なスペースも必要になりそうなので、スマホと言う極薄のボディにあれを埋め込むのはそう簡単ではないのかもしれません。