今年は「七草がゆ」じゃなく「七菜粥」で良いではないか

日本ではお正月が落ち着いたころにスーパーで七草がゆの材料がスーパーに並びます。ここ台湾では当然並ばないのですが、そんな台湾で七草がゆを再現できないものか、似たようなものが作れないものか考えてみました。

七草粥ではなく七菜粥を作る

台湾に住んでいると春の七草を入手するのは簡単ではありません。そこで七菜粥を作りました。

七草がゆはいつ食べるのか

1月の寒い中、もうそろそろスーパーに七草がゆセットなる商品が並ぶのではないかと思っておりますが、どうでしょうか。

七草がゆは毎年一月七日の人日(じんじつ)の節句に食べられる行事食です。私も日本にいることは、毎年とは言いませんが、何度も食べたことがありました。

七草がゆに入っているのは春の七草( せり、なずな、ごぎょう(ははこぐさ)、はこべら(はこべ)、ほとけのざ、すずな(かぶ)、すずしろ(だいこん)) です。学校で覚えた方も多いのではないかと思います。

七草がゆの作り方

そもそもおかゆは鍋でお米を炊く要領で、水の量が通常のご飯よりも多ければおかゆになります。水の加減でおかゆの硬さは変わり、おおむねお米の体積に対して5~10倍程度ではないかと思います。

七草をお米と一緒に煮込んでも良いとは思うのですが、野菜類、特に葉物野菜は長くゆでると色が悪くなることがあるので、お米とは別で茹でて、完成前に混ぜ合わせるというのが良いと思います。

また、塩も大切。塩には味を引き立てる効果があり、個人的に好きな分量は0.1%。全材料(水含む)に対して0.1%の塩を入れると、素材の味が引き立ちます。ただし、この量では「塩辛さ」はほぼ加味されないので、味気ないと感じる方もいるのではないかと思います。作る料理にもよりますが、おかゆ以外なら0.1~0.5%ぐらいまで加減し、焼き物などはもうちょっとかけることもあります。

例えば水と米、野菜などの総重量が大体1kgだな、と思ったら1g程度の塩を入れます。実際に計量するのは面倒なので、もしもこの材料全てをミキサーにかけて計量カップに入れたら何杯分かな?などと目分量で計算しています。

味見をして塩気が足りなければ少しずつ足していきます。ただ、甘かったり濃かったり、肉や魚が多かったりするおせちで疲れた胃腸に優しい七草がゆを目指すなら、必要以上に塩を加えない方が良いかなと思います。

台湾の七草

日本では暦通りの一月七日ですが、台湾において人日の節句は旧暦の一月七日なので、2022年は二月七日にあたります。

そもそもこの「人日」とは何かというと、台湾のみならず中華圏における伝統的風習で、人類が創造された日を表すのだとか。人日節と言ったり、七元節、人勝節、人慶節、人口日、人七日などと呼ばれることもあるのだそうです。

七菜粥を食べよう

この日、中華圏では七種の野菜のスープ「七菜羹」や、七種の野菜のおかゆ「七菜粥」、中華がゆ「及第粥」、中華風そうめん「麵線」、大きな餃子のような「盒子菜」を食べるのだそうです。そんな習慣があることを私は全く知りませんでしたが、七菜粥というのがあるんですね。

七菜粥とは、七つの野菜を煮込んだおかゆという意味。もともとは「せり、なずな、ごぎょう(ははこぐさ)、はこべら(はこべ)、ほとけのざ、すずな(かぶ)、すずしろ(だいこん)」が入れらていて、日本にもこの風習が入ってきて、今の七草がゆとなっているようですが、現代の中華圏において七菜粥に使われるのは「ほうれん草、セロリ、パクチー、からし菜、ニラ、ネギ、ニンニク」なんだそうです。

それぞれ中国語の音が似ていることから「ほうれん草(葉物野菜)=財を生む、セロリ=勤労、ニンニク=お金の計算、ネギ=賢い、ニラ=不変、パクチー=縁、からし菜=金持ちになる」などの意味があるそうです。これらの材料なら台湾でも作れるかも!

雑草は怖くて食べられない

日本風の七草がゆを作ろうと思った場合、スーパーで春の七草が売られていない以上、自分で仕入れることになりますが、それぞれが自生しているのかわからず、また、自生していたとしても、安全かどうかがわかりません。

というのも、もしかしたら農薬がたくさんかかっているかもしれませんし、除草剤などの残留物がかかっているかもしれません。それに、動物の便などもかかっているかもしれません。繁華街なら酔っぱらった方がその上で嘔吐していたかもしれません。

やはり道端などに生えているのを見つけたからといって、それを素人が食べるのは危険。それに、そもそも空き地や道路沿いなどでも他人様の土地なので、それを勝手に抜いて持ち帰ることはやはりダメ。

スーパーで売られているならスーパーで買った方が良いですし、売られていなくてもそういう雑草のような状態で生えているものを一般人が食すのは控えた方が良いでしょう。

最後に

日本で言うところの春の七草は中華圏にも伝わる伝統的な七草ではありましたが、現代の中華圏においては別の野菜を使ったおかゆを食べるということなので、今度スーパーでこれらを買ってきて台湾式七草がゆ、いや、七菜粥を作ってみたいと思います。

しかし、今まで台湾に住んできた中で、そんなもの食べたことがなかったのは残念で仕方がありません。台湾の文化ももっと知りたいです。