枝付き柑橘を買って接ぎ木してみたけど大失敗した経緯

スーパーで枝が5cmほど付いた柑橘類(タンカン)が売られていたので購入して、ベランダで育てている実生のオレンジやタンカンの木に接ぎ木してみました!

が、見事に失敗しまして、その経緯と反省点をここにまとめます。

上級スキル「接ぎ木」に挑戦

植物を育てていると「接ぎ木」という言葉に当たることがあります。

そもそも園芸店で売られている果樹苗はほとんどが接ぎ木で、意外と身近でもあるのですが、接ぎ木の作業自体はプロの業者さんが行ってくださっており、完成した苗を買ってくるのが一般的です。

そんな接ぎ木を私は上級者スキルとして認識しており、これまで試したことがありませんでした。

今年はそんな接ぎ木に挑戦しています。手始めに杏梅を接ぎ木し、杏梅はおそらく成功、そしてこちらの柑橘類(タンカン)にも挑戦しました。

接ぎ木の手順

接ぎ木の元になる根が生えている方を台木、上に付ける枝を穂木と言います。

まず、スーパーや市場で健康そうでできるだけ太い枝が付いたタンカンを購入してきました。収穫から数日は経過しているはずなので、ものによっては多少枝が痩せてきているものもありましたが、できるだけ健康そうなものを選びました。

タンカンに付いた(残っている)枝部分を穂木として接ぎ木をします。

穂木の保存は乾燥に注意!

接ぎ木のために用意する穂木は、切った後すぐに接ぎ木するなら良いのですが、そうではない場合、湿らせた新聞紙などで包み、それをビニール袋で密閉し、冷蔵庫などの5℃前後の環境で保存すると良いそうです。そして接ぎ木に適した時期を待つのだそうです。

今回私が手に入れた穂木(私がそう呼んでいるだけで、本当はタンカンの実に付いていた枝)は、スーパーで何日も乾燥状態にあった穂木です。見た目はまだ青々としているし、葉も元気でした。行けるかな?と半信半疑ではありましたが、とにかく挑戦してみることにしました。

台木はカラタチが多い

柑橘類の場合、台木にはカラタチの実生苗を使うことが多いようです。それは耐寒性、耐病性に優れ、穂木との相性が良いからだそうです。

我が家にカラタチの台木はないので、2年ぐらい育てている実生のタンカンと思しき柑橘の木や、その他1年~1年半前後育てているアフォーラマンダリン、マーコット、台湾オレンジの柳丁の4つの実生苗を使って接ぎ木作業をしてみました。

実生苗がまさかこんな形で役に立つとは思いませんでした。

穂木は傾いたL字に切る

接ぎ木したタンカン
接ぎ木したタンカン

穂木は5cm程度の長さに切り、そして底部を傾いたL字に切ります。この時、できるだけ鋭利で清潔なナイフを使います。

私は通販で購入した折り畳み式のナイフを砥石で研いでから使用しました。研いだばかりは切れ味がメチャクチャ良いです。

実際に穂木を切ってみたところ、形成層はキレイな緑色でした。木質部も新鮮に見えたのですが、果たして?

台木は形成層のサイズに合わせて切る

穂木の形成層のサイズを確認し、そのサイズと同じぐらい形成層が露出するように台木は切ります。

接ぎ木する枝の太さが穂木と同じぐらいなら中央を真っ二つに切ればいいし、台木の方が大きい場合は少し端に近いところを切ればいいと思います。

要するに、穂木と台木の形成層を可能な限り隙間なく合わせられるように切れば良いのですが、それがなかなか難しかったりします。

失敗する可能性が高い場合は、台木を少し長く保持したまま挑戦すると良いと思います。いきなり台木を短くしてしまうと失敗した時にリカバリーできなくなるからです。

私は見事に失敗して、やり直したため台木がかなり短くなってしまいました。

形成層を合わせるように穂木と台木を合わせる

穂木も台木もカットしたらそれらをできるだけ形成層がぴったり合わさるように穂木を台木に挟み込みます。

そして接ぎ木テープで密着させて乾燥しないようにすれば接ぎ木完了です。

いや、意外とできてしまうんじゃない?とこの時はかなり期待していました。

1ヶ月経っても全く変化しない接ぎ木たち

接ぎ木に失敗して枯れた穂木
接ぎ木に失敗して枯れた穂木

柑橘類の接ぎ木は1ヶ月ぐらいで活着するのだそうです。

そこで接ぎ木から1ヶ月程度経った頃に1つのテープを取ってみたところ、全く活着しておらず、穂木が枯れてしまっていました。

気になって他ののテープも取ってみたところ、活着した確率は0%。中にはカビのようなものが生えていたものもありました。すべて失敗でした。

接ぎ木を実行した時期

私は冬に接ぎ木を実行して失敗しましたが、本来は秋や春に行うようです。

この時期による違いはおそらく樹木内の樹液の流れと関係があるのだと思いますが、今回失敗した理由がこの接ぎ木の時期によるものなのか、それとも他に理由があるのかはよくわかっていません。

数日間乾燥状態にあった穂木はダメ?

スーパーで少なくとも数日間放置されていた枝を穂木として使用しました。やはりそのような状態の穂木ではダメだったのかもしれません。

市場などに並んでいるタンカンで、その日の朝に収穫したものなどがあれば、もしかしたらうまくいくこともあるのかもしれません。

最後に

接ぎ木に失敗して思ったのですが、接ぎ木に成功するポイントは新鮮な穂木を手に入れることと、鋭利な刃物で切ること、そして適切な時期に接ぎ木作業をすることが大切だということです。

またいつか挑戦してみようと思っています。