ここ数年、自宅で梅干しづくりにはまっております。いろいろ改善点はあるものの、それでも年々少しずつ上手になっていると実感しております。
2025年、初めて減塩の梅干しづくりに挑戦したのですが、いろいろとトラブルが発生しまして、個人的にはもう二度とやりたくないと思っている次第でございます。顛末を書きます。
自宅で減塩梅干しを作ろう!
昔ながらの梅干しは塩分濃度が18%から20%程度だと聞き、これまではその塩分濃度で梅干しを作ってきました。
しかし、例えば一粒20gの梅干しに20%の塩分が含まれているとするならば、それはつまり一粒の梅干しに4gもの塩分が含まれていることになります。成人が一日に摂取する塩分の目安は女性で6.5g、男性で7.5gなので、一粒でその50%以上になってしまいます。
そこで、誰しもが検討するであろう減塩の梅干しづくりに今年は挑戦することにしました。
塩分濃度8%で作る梅干し
減塩梅干しを作るにあたり、まずは塩分濃度を決めました。
梅干し以外の漬物を考えると、一般的な漬物は塩分濃度3%で作られる物が多いです。キムチや浅漬けなどは2%前後だそうです。しかし、それらの多くは乳酸発酵などをしているものになるので、発酵しないと言われる梅干しを漬けるのにこの濃度では足りないと考えられます。
発酵しないことに加え、梅は果実なので白菜などよりも分厚く、内部まで浸透させるためには時間もかかるため、雑菌の繁殖を防ぐ意味でももっと塩分が必要になります。
減塩梅干しはどの程度の塩分濃度なのか調べていく中で、8%で作っている方が多いようだったので私も先人に倣って塩分濃度8%で減塩梅干しを作ることにしました。
15%以下はカビやすくなる
梅干しの場合、塩分濃度15%を下回るとカビやすくなるそうです。そのため、塩分濃度15%以下で梅干しを作る場合は、低塩分ゆえに高塩分の時よりも慎重に雑菌が繁殖しないような工夫をする必要があります。
減塩梅干しを成功させるために冷蔵庫へ
今回の減塩梅干しは、雑菌の繁殖を抑えるために、冷蔵庫に入れて漬け込みました。
常温よりも低温になると、雑菌の繁殖が常温に比べて穏やかになります。そのため、冷蔵庫に入れることは一つの雑菌繁殖の予防策と言えます。
今まで塩分濃度18%や20%で漬けたときは、常温で漬けていました。これまで18%以上の塩分濃度の梅干しを常温で管理しても問題は発生しませんでしたが、18%に満たない塩分濃度で梅干しをつくるなら、冷蔵庫に入れる方が良いでしょう。
なお、私は冷蔵庫に入れていたことで安心してしまい、2か月も冷蔵庫に入れたままでした。これも後述のトラブルが発生した原因だったのかもしれません。
白い何かが発生!これはカビ?産膜酵母?
今回の減塩梅干しは冷蔵庫で漬けていました。冷蔵庫で漬ければカビることは無いだろうと思っていたのですが、よく見てみると2種類の何かが発生していました。
2種類の何かはともに白く、片方が白に加えて若干黒っぽいものも混ざり、もう一方はゼリー状にも見えました。
袋を開けてみると梅酢特有のニオイはせず、なぜか無臭。ちょっと梅酢が濁っているようにも見受けられました。
白い物① どう見てもカビ!これはカビだ!

減塩梅干しに発生した白っぽくもあり、黒っぽくもある何かはどう見てもカビのようであり、ちょっと毛ワタっぽい質感でした。
ん~梅干しに生えるのはカビではないと聞いたことがありましたが、これはどう見てもカビ。今まで18~20%で梅干しを付ける時にこのような物は発生したことがありませんでした。
黒っぽくなってきている部分があると、それはカビの可能性が高いそうです。残念ですがこのカビのようなものが付着している梅は処分しました。
白い物② これはカビか?ナタデココ的な何か?

カビのようなもの以外に、減塩梅干しにはちょっとゼリー状のような、ナタデココのような、または紅茶キノコのような白い何かが付着していました。
カビのように黒っぽくなっていませんし、毛ワタっぽい感じもありません。初めてなので確証はありませんが、どうやら産膜酵母と呼ばれる物が発生したようです。
白い何かが発生した原因
塩分濃度18~20%の梅干しではこのような白い何かが発生したことはありません。つまり、基本的に減塩、低塩分濃度(今回は8%)で漬けたことが第一の原因でしょう。
さらに、普通のビニール袋を消毒せずに使ったことも原因の一つかもしれません。しっかりと消毒できる容器で漬けていれば、あるいは違う結果になっていたかもしれません。ジップロックは消毒する必要がない、そんな記述を多く見かけますが、だとすれば、今回はジップロックではなく、他のビニール袋を使ったので、例外的な扱いにはなるでしょう。
白い何かの対処方法

もし産膜酵母なら、適切に処理することでまだこの梅干しは食べられるのだそうですが、見ていて気持ちの良い物ではありません。
ネットの情報をもとにぬるま湯に入れてこすり落とし、きれいな梅酢をコーティングして、そのまま一晩冷蔵庫に保管し、次の日に干しました。
今思えば、一つずつ丁寧に、お湯も交換しながら洗った方がよかったのかもしれません。

梅酢は今年18%で作った梅干しのがあったので、それを利用しました。この時に使用した梅酢にそのまま一晩浸けておいたのですが、それもあまり良くはなかったのかもしれません。ここで使った梅酢は捨てた方が良かったように思います。
完成した減塩梅干し

産膜酵母と思しき物体は、見た目上はキレイになくなり、キレイな梅干しができました。
かなり黄色が強いように思うのですが、それは減塩だったからか、完熟も完熟でかなり熟した実だったから、または、今回は直射日光に当てずに陰干しをしたからなど、理由はいくつか考えられます。

率直に言って、おいしくない梅干しができました。まず、舌が当たった瞬間に苦味を感じ、そして口に含んだ瞬間とてつもない酸味が口に広がりました。
苦くてすごく酸っぱい梅干し。ここまで数年梅干しづくりに挑戦してきて、少しずつ上達してきていたのに、いきなり振り出しに戻ったかのような失敗作。今回の梅干しは他人様に食べさせるわけにはいきません。正直まずいです。
なぜこんなに酸っぱいの?!
酸っぱい理由は、塩分濃度が今までよりも低いため、梅本来の酸味が際立っている可能性が考えられます。
それにしてもすごく酸っぱい。天日干しをしなかったというのも原因の一つかもしれません。
なぜこんなに苦いの?!
産膜酵母が発生した梅干しは苦味を感じるという記述をネットで見たことがあります。自分はそれをしっかり落としたつもりだったのですが、しっかり落とせていなかったということでしょうか。
はたまた、やはり天日干しをしなかったことが原因になったのかもしれません。これまで天日干しが苦味取りで重要だと考えていましたが、天日干しはよくないという梅農家さんがいて、それに従い今回は天日干しをせず、陰干しとしていました。
ところがどっこい、かなり苦い梅干しとなってしまいました。なお、使用したのは完熟梅なので、青梅と比べれば苦味は少なかったはずでした。
今後の対策
今後、また減塩梅干しを作るならいろいろ工夫しなければなりません。例えば以下の項目です。
- 苦味の少ない品種の梅を利用する(近所で買える梅はかなり苦いことがわかっています)
- 冷蔵庫に入れているからと言って油断せず、1ヶ月経ったら干す(もしくは定期的に天地返しをするなどして、滞留しないようにするなど)
- もしも産膜酵母が発生したら丁寧に、かつしっかりと洗い落とす(カビたら処分)
- 干す際は直射日光にしっかり当てる
この手間をかけてまで減塩梅干しを作る必要はあるのでしょうか。20%で作って、塩抜きするのじゃダメなのでしょうか。個人的には減塩の梅干しはもう作りたくないとさえ思ってしまいました。来年も、、、やる?
最後に
手間暇かけておいしいものができると、やはりうれしいものです。しかし、手間暇かけてできたものがおいしくないと、なんとも表現しがたい感情となります。その落胆たるや筆舌に尽くしがたいものがあります。
挑戦すること自体は楽しい作業なので、いずれまた挑戦する可能性がありますが、今年はとにかくものすごくがっかりしています。この私の失敗談が誰かの役に立つことを期待します。




