最短で梅酢を上げたい!! 簡単な作業で梅酢を一気に上げる梅干しづくり

2025年も梅仕事の時期がやってまいりました。今年も梅干しづくり、梅ジャムづくりなどを楽しもうと梅の実を買ってきた私なのですが、私が行っている「梅酢をすぐに上げる方法」を、自分の覚書としてここに書き記しておきたいと思います。

梅干しづくりは梅酢を如何に早く出すかが大切

梅酢に浸かった梅干し(漬け始めてから12日経過)
梅酢に浸かった梅干し(漬け始めてから12日経過)

梅干しづくりで難しいのはカビなどの繁殖を如何に抑えるかです。カビの繁殖を抑えるために道具を消毒することや、細菌が入らないようにすることはもちろん大切ですが、1ヶ月も2ヶ月も漬け込む梅干しは、梅から出てくる梅酢を如何に早く出させるかが梅干しづくりの成否を分けると言っても過言ではありません。

塩をまぶしておけば梅酢は少しづつ出てきます。でも、ただ塩に触れているだけでは梅酢の出が遅く、梅の実全体が梅酢に完全に浸かるまでかなりの時間がかかってしまいます。

酢には細菌の繁殖を抑える効果があり、梅の実をカビさせないためには如何に早く梅酢を出させ、梅の実全体を埋めずに漬けるかが大切になります。

梅酢を早く出す方法

2025年の今年、梅酢は24時間で完全に上まで上がってきました。実践した方法は以下の通りです。

  1. 漬ける前の梅を、梅酢(過去に作ったものや売っているもの)にくぐらせる
  2. 梅酢にくぐらせた梅に塩をまとわせる
  3. 重りをしっかり乗せる

①梅酢にくぐらせる

そもそも水洗いして乾燥させたままの梅の実を塩で漬ければ梅干しはできるわけですが、梅酢に浸しておくことでカビの繁殖を抑えることができるなら、最初に梅酢をまとわせれば良いです。

日本なら梅酢がスーパーでも売られていると思います。私は台湾在住のためスーパーで梅酢が売られているのを見たことがありません。そこで、毎年梅作りで出来た梅酢を冷蔵庫に保管していて、今回は2023年に梅干しを作った際に出てきた梅酢を使いました。

梅の実には毛が生えていて、なかなか梅酢がしっかりとなじみません。5~10秒程度梅酢の中でくるくると梅の実を回すことで梅酢をまとわりつかせます。

乾燥した梅の実に塩を振って漬け始めるより、梅酢にくぐらせてから漬け始めた方が梅酢の出が早いです。

②塩をまとわせる

乾燥した梅の実に塩をまとわせることは難しいですが、梅酢でぬれた梅なら塩をまとわせることが可能です。

天ぷらを作るがごとく、梅の実を梅酢に浸し、次に塩の入ったバットで塩をまとわせます。こうすることで梅の実に塩がまとわりついた状態となり、梅酢が出やすくなります

なお、ここで使用する塩の量は、材料の分量通りの塩の量です。約1/3も使えば十分だと思います。余った塩、それから残りの塩は容器の底と、梅を容器に敷き詰め後に上からかけます。

2025年は20%の塩分濃度で梅干しを作りました。塩分濃度が高いと細菌はより繁殖しづらくなります。

③重りをしっかり乗せる

梅干しづくりで重りは非常に重要です。でも、私は以前重りを軽視していました。梅干しに限らず、漬物は適度に重りを乗せることで素材の水分が出てきやすくなります

重りの重さの目安は梅の重さと同じぐらい。梅酢の出方を見ながら調整します。その際に注意しなければならないのは、特に完熟梅はつぶれやすいので、できるだけ梅の実がつぶれないように注意しながら重りを乗せていきます。

梅酢が上まで完全に上がってきたら重りは必要ありませんが、梅が浮いてくることがあるので、浮かないような工夫は必要です。私は陶器製の清潔な(消毒した)お皿を上にかぶせておくことが多いです。

梅干しづくりでは、梅の実がつぶれない程度に重りを乗せる!これが大切です。

24時間で梅酢が上がった!

梅酢が上がってきたばかりの梅干し(漬け始めから約24時間経過)
梅酢が上がってきたばかりの梅干し(漬け始めから約24時間経過)

上記の方法を用いて、2025年は12時間で約80%程度まで、24時間で梅の上まで梅酢が上がりました。見たところカビも生えていないようです。

梅酢が上がるまで、一回だけ梅酢が全体にいきわたるように容器を傾けたりしました。ですが、作業はそれぐらいです。梅酢が上がった後も、容器を傾けたりして上の方もしっかり梅酢が付くようにします。こうしないと空気に触れている場所からカビが生えて来たりするからです。

なお、ヘタの部分に空気がたまっていることがあります。その場合、その空気がたまった部分からカビてしまうことがあるので、容器をトントンと叩いたりして空気を抜くようにしています。

ジップロック使うと梅酢がいきわたりやすい

過去にジップロックで梅干しを作ったこともあります。ジップロックの場合、樽などの容器よりも梅酢が全体にいきわたりやすいため、初期段階から必然的に梅と梅酢が触れ合う面積が増え、結果的に梅酢が出やすくなります。

2025年もジップロックを使っても良かったのですが、ジップロックを切らしていたことと、上記の方法を実践すれば、結構早く梅酢が上がってくると踏んで、そのままジップロックではない普通のバケツ(もちろん洗ってから消毒した物!)で梅干しを漬けました。

最後に

梅酢が早く出てくるとカビなどの細菌の繁殖を抑制することができるため、梅干しづくりではなにはともあれ梅酢を早く上げることが大切になります。

今回のように24時間でしっかり梅酢が上がれば、カビなど、細菌の繁殖をかなり抑制できるはずです。

2025年の梅干しはまだ漬けたばかりなので、天日干しの工程までは行っていませんが、今からもう出来上がりが楽しみです。