ここ数年、ほぼ毎年春になるとなにかしらの梅仕事をしています。今年2025年は今までの反省を踏まえて梅干しづくりをしてみました。そして、ついに最高傑作ができたのでここに書いていきます!
目次
2025年の梅干しづくりはちょっと違う!

ここ数年、少なくとも2年に1回ぐらいは梅干しづくりをしています。これまで数回挑戦してきた梅干しづくりは、毎回反省点があり、毎回改善させてきました。
梅干しは素人でも作れます。でも、これまで私は失敗ばかりを繰り返してきました。なぜだ、なぜセオリー通りに作っているはずなのに美味しくないのか。そんなことを思っていました。
少しずつ、毎年少しずつ改善して、2023年の時は「殺青」をしてだいぶマシになりましたが、2025年は今までで最もおいしい梅干しを作ることに成功しました。
2025年の梅干しがおいしくできた理由
2025年の梅干しは今までになくおいしいです。その理由として考えられるのは以下の2点です。
- 完熟梅を使用した
- 直射日光で天日干しした
特に完熟梅を使用したことが大きいです。我が家の近所で手に入る梅は苦味の多い品種のようで、とにかく苦い。多少黄色いぐらいではまだまだ苦いです。
今まではそんな梅を未熟なまま使用したり、追熟をしてみたりして使用していましたが、結局すべて苦味が残っていました。
2025年は完熟梅が市場に並ぶまで待ち、でも待ちきれずに半分ぐらい黄色くなった梅を買ってきて追熟させて使用しました。これが大当たり!これにより今までと全く違う、今までよりもおいしい梅干しができました。
青梅から追熟させるのと、ある程度熟した梅から追熟させるのではやはり結果が違いました!なお、2025年は2023年に行ったような「殺青」は行いませんでした。
梅干しづくり5年で学んだ大切なこと
これまでの梅干しづくりを通して、今まで多くの反省点が生まれてきました。改善出来た物、これからさらに改善できそうなものなどがあります。
そもそも梅干しづくりなど経験したことがなかった私だったのですが、台湾在住のため近所で梅干しを入手することが困難で、また、梅干しを作る際に出る梅酢を使って紅ショウガを作りたいと思い立ち、梅干しづくりに挑戦することにしました。
未熟な梅を使ってはいけない

春先に市場に行くと、梅が売られていました。梅は季節もので、年中売られているわけではありません。初めて梅を買ったその年、もしも今回を逃したらもう売られなくなるかもしれないという焦りから、とにかく何でもいいから購入してきました。
最初に購入した梅は青々としたまだ若い梅でした。梅干しには完熟梅を使うと聞きましたが、青梅しか売られておらず、迷いはしましたがそのまま青梅を購入して帰りました。
作るなら大きな梅が良いなと思ったのですが、小さな梅を販売するお店の店主に話を聞くと、「大きな梅はホルモン剤を注射した偽物の梅なんだ、台湾の梅はこの小さなものが本物だよ」と言われ、その言葉を信じて小さな梅を購入しました。それが事実だったからは今もわかっておりません。
小さくて青い梅を購入した私だったのですが、梅干しを作るのに青い梅、若い梅を使ってはいけません。なぜなら、若い梅は苦み成分が大量に含まれているからです。ただし、その程度は梅の品種にもよります。中には青梅で梅干しを作る方もいるようですが、あいにく我が家の近所で手に入る梅の品種は苦味の強い品種のようで、青梅を使った梅干しはとてつもなく苦くなりました。
梅の大きさは関係ない
今年、今までよりも大きな梅を手に入れて梅干しを作りました。完成品は素晴らしい出来だったのですが、昔ながらの梅干しは大きいと全部食べるのにかなりの塩分量になるし、酸っぱさも尋常ではないので、1粒全部を食べるのに結構苦労することに気が付きました。
梅干しを作り始めた当初より、私は大きな梅を使った方が良いと思い続けていました。しかし、ふと気が付いたんです、大きさは関係ないと。
小さな梅でも梅は梅。むしろしょっぱく酸っぱい昔ながらの梅干しを、口いっぱいに含んで食べるような、そんな食べ方はあまりしません。そのため、個人的には実は小さな梅の方が都合が良かったりします。
梅干しを作る上で、梅の大きさは関係ありません。しいて言えば、大きい方が塩が浸透するのが遅いかもしれません。しかし、今年の例を取って言えば、比較的大きい梅も1ヶ月も塩漬けすれば、問題なく内部まで漬かります。とはいえ、日本で売られているような南高梅や、白加賀、八助のような大きいサイズの梅(杏梅)では試したことがないので、もしかしたら大きい梅では塩漬けの期間を長くした方が良いなどということもあるのかもしれませんが、少なくとも近所で私が手に入れられるサイズでは1ヶ月で問題ありません。
干すまでに1ヶ月以上塩漬けする製造者さんもいるそうで、長く漬けている分には問題はないようです。そのため、小さかろうと、大きかろうと、梅は1ヶ月も付ければ同じ結果が得られると考えるようになりました。もうこれからは大きな梅にこだわりません。
なお、はちみつ梅は丸ごと口に含んでバクバク食べられるので、大きな梅の方が食べ応えがあって良いのではないかと思います。
完熟梅はシーズン後半に登場する
完熟梅を購入したい場合、我が家の近所ではシーズンの後半に完熟梅が登場します。購入時期を見極め、こまめに市場に足を運ぶと良いと思います。
青梅を購入して追熟させる方法もありますが、完熟梅を買う方が簡単です。
青梅を追熟すると水分が抜けてしまう

追熟すると水分が抜けます。そのため、部屋に無造作に置いておくと、たしかに熟してはいくものの、シワシワの梅になったりします。そのため、新聞紙で包むとか、それをさらに段ボールに入れて水分の蒸発を防ぐとかする必要があります。
周りの湿度が下がればそれだけ乾燥するスピードが上がると考えられます。それを防ぐための新聞紙であり、段ボール箱です。もちろん、霧吹きを吹いたり、湿った何かを同梱するようなことをしてはいけません。それはカビや腐敗の原因になる可能性があります。買ってきたままを新聞紙に包んで段ボール箱に入れておけば良いです。洗ってもいけません。
天日干しが不十分だとおいしくない

梅干しを干すと、可搬性が高まると同時に、乾燥することで皮と果肉がはがれやすくなり、食感の変化が生まれます。そしてもう一つ、数年前に気が付いたのが、失敗して塩漬けの段階ではかなり苦くなってしまった梅干しも、天日干しをすると多少苦味がマイルドになることです。
干していない梅干しは梅酢が滴り落ちるほどにまとわりついており、そんなビチョビチョの梅干しを持ち歩くことは不便極まりありません。今はプラスチック容器など、持ち運びに便利な容器も多くありますが、こういった容器が無かったころ、梅干しを持ち運ぶならやはり乾燥している方が持ち運びやすかったはずです。ビチョビチョだとおにぎりにしても梅酢がたくさん米に染み込みます。干しておけば、持ち運びが便利になります。
天日干しして乾燥した梅は食感が変わります。よりフルーティーなのは塩漬け直後の、干していない梅でしょう。それは梅の塩漬けです。皮にたくさん果肉が付いていて、それこそスモモみたいな状態を想像すると良いのではないかと思います。それが干すことで皮が薄くなり、あの梅干しの食感が生まれます。干さなくてもいい、だけど、干せば食感が良くなります。
なぜ天日干しすると苦味が取れるのかはよくわかりません。また、これは勘違いかもしれません。しかし、私個人は天日干ししたものの方が苦味がマイルドになったように感じました。そもそも塩漬けの段階で強い苦味がある梅干しは失敗だと思うのですが、それでも、それをどうにか食べられるレベルにするには天日干しが必要です。
なお、陰干しをしたこともあったのですが、陰干しよりは直射日光を当てて、3日程度で一気に干した方が良い結果になりました。また、苦味は干した後に長期間保管していると、年を追うごとにマイルドになって食べやすくなっていきます。
塩分濃度によっては雑菌が繁殖してしまう
塩分濃度が低ければ低いほど雑菌は繁殖しやすくなります。8%に挑戦したこともありますが、それは冷蔵庫で漬けました。常温保存は塩分濃度15%以上ないと厳しいそうです。
そのため、私は基本的に18~20%の塩分濃度で梅干しを作っています。覚えている限りでは、カビが生えたことは一度もありません。
最後に
完熟梅を手に入れること、天日干しすること、これらの2点が梅干しづくりでは非常に重要です。むしろ、これさえ注意すればそれなりの梅干しができると思います。いや、それ当たり前やん?と自分でも思いますが、大切なのは「適当」「ちょっとぐらい大丈夫だろう」という根拠のない自信を捨てることだと思います。もはや自分への戒めです。。。
よりおいしい梅干しを作るには、塩にこだわるとか、調味液にこだわるとか、さらにいろんな工夫ができると思います。それらはおいおい挑戦していこうと思っています。