台湾の謎料理の代表格と言えば「バーワン」!チャレンジャーの方はぜひ台湾で食べてみてほしい料理です。今回はそんなバーワンを作ってみました。
ジブリ飯?「バーワン」
アニメの中で出てくる食事をぜひ食べてみたいと考えたことがある方は私だけではないはず。例えば天空の城ラピュタでパズーが食べていた食パンに目玉焼きを乗せていたものも、アニメーションの影響もあってかものすごくおいしそうに見えました。
そして千と千尋の神隠しで登場した謎の食べ物。味は全く想像できませんが、あれはいったい何なのかと非常に気になったものです。結論から言うとあれは台湾のバーワンではないので、今回は『ジブリ飯と言われたりするけど本当は違う「バーワン」』ということになります。
千と千尋のお父さんが食べていた物はシーラカンスの胃袋
そしてよく「あれは何なのか」と話題になるのは千と千尋の神隠しで、冒頭に千尋のお父さんが食べていた何とも柔らかそうな食べ物。
あれはよく台湾のバーワンだと言われます。しかし、実際はバーワンではなくシーラカンスの胃袋だとスタジオジブリの方が明かしたそうです(ちなみに台湾の九份(きゅうふん)は千と千尋の世界のモデルになった場所と言われたりしますが、それもスタジオジブリの方から否定されています)。
台湾グルメ「バーワン」
台湾のグルメは数あれど、バーワンを知っている方がいればその方はかなりの台湾通ではないかと思います。いや、千と千尋の神隠しの一件で覚えた方も多いのかもしれません。このバーワン、実は肉圓(ろうゆえん)という呼び名もあります。というか中国語では肉圓です。肉圓の台湾語が「バーワン」になります(台湾では公用語の中国語のほかに、台湾や中国南東部の方が使う閩南語を話す方も多く、この閩南語を一般的に台湾語と呼びます)。
バーワンを簡単に説明するなら、透明な皮で包まれた肉まんのような料理です。ご存じの通り肉まんは肉の餡の周りに小麦ベースの白い皮がついていますが、バーワンは肉の餡の周りに米粉とでんぷん(キャッサバやサツマイモなどのでんぷん)で作られた透明な皮がついている料理で、上からタレをかけて食べます。
バーワンのレシピ
バーワンは意外と簡単に作れます。
バーワンの材料
バーワンは皮と中身の具からできています。以下の材料で4つのバーワンができました。また、ソースは市販の甜辣醬でも良いのですが、手作りもできます。
皮の材料
- 在來米粉(いわゆる米粉ベースの粉) 60g
- 塩 3g
- 油 12g
- 水 420g
- 片栗粉 180g
具の材料
- 豚肩ロース 300g
- 干しシイタケ(細切り) 20g
- ニンニク(チューブ) 30g
- 白コショウ 1g
- 醤油 30g
- 五香紛 0.5g
- 料理酒 20g
- 片栗粉 15g
ソースの材料
- ケチャップ 30g
- 味噌 15g
- 砂糖 15g
- 在来米粉 20g
- 醤油 15g
- 水 250g
バーワンの作り方
- 肩ロースを1cm角で2cm長の柱状に切り、すべての具の材料(干しシイタケ(細切り)を水で戻したもの、ニンニク(チューブ)、白コショウ、醤油、五香紛、料理酒、片栗粉)とともに密閉袋に入れて均一に混ざるようにモミモミする。
- 上記の「1.」を冷蔵庫で一晩漬けこむ
- 翌日、皮の材料である在来米粉と水、油、塩(つまり片栗粉以外全部)をボウルでしっかりと混ぜ、火にかける。火にかけている間も絶えず混ぜる。火の強さは弱火。
- ゆっくり加熱していくと少しずつ粘り気が出てくる。さらに混ぜ続け、フツフツと沸騰するようになったら火をすぐに消す(1回でもフツっとなったら消してOK。要は熱くなりすぎないことが大切)。火を消してからもしばらく混ぜ続けて滑らかにする。
- お風呂と同じぐらいの40℃ぐらいの温度まで自然に冷やし、40℃ぐらいになったら皮用の片栗粉180gを全量入れて、混ぜ合わせる。
- 茶碗を用意して、茶碗に油を薄く塗り、皮の材料をまんべんなく塗り付ける。大体厚みで5mmぐらい。そしてさらに具を乗せ、上からも皮の材料を乗せて具を包み込む。完全に皮の材料で包み込めたら準備完了
- 蒸し器で20分間蒸したら完成。完成後はお箸などで茶碗の縁の固くなったところをはがし、茶碗をひっくり返して少しずつ剥がしていけばお皿にボトッとおちる。
- 蒸し器で蒸している間にソースづくり。ソースはソースの材料を先にすべてよく混ぜておき、火にかける。火にかけてからも絶えず混ぜ続け、糊状になったら完成。これを蒸したバーワンをお皿に盛り、それにかければ完成。
バーワンの食べ方
バーワンは丸ごとかぶりつくよりもハサミなどで切ってから食べることが多いです。
バーワンはまずいのか
バーワンはまずいと言う方がいます。でも私個人が思うに、バーワンはまずくありません。
じゃあバーワンがまずいと言っている人たちのまずい理由は何なのかと言うと、それは中に入っている豚肉の生臭さであったり、周りの皮の食感だったりします。前者の豚肉の生臭さは剪定する豚肉によってその生臭さは多かったり少なかったりもしますし、いわゆる臭みをネギやニンニクなどでカバーすることも調理上は可能かと思います。
バーワン作りのポイント
実は私は皮の厚み1cmぐらいで作りました。1cmはちょっと厚すぎます。5mmぐらいで良いと思います。そのため、上記の作り方は5mmで書いています。
辛いのが好きな方はソースに唐辛子の粉を入れても良いそうです。ただ、私はやったことがありません。
タケノコを入れて食感をプラスするレシピもあります。それもいつか作ってみたいです。
最後に
バーワンはなかなかすごい見た目なので敬遠してきたのですが、食べると結構おいしいです。何事も挑戦が大切だなぁと思わされました。