かぼちゃを食べた種からベランダで育てる方法

ベランダでこの野菜だけは育ててはいけない!そう思い続けてきた野菜があります。それはかぼちゃです。しかし、野菜の中で、調理の際に発芽させたい欲求がもっとも強くなるのもかぼちゃを調理しているときです。2022年、誘惑に負けてマンションのベランダでかぼちゃを育て始めました。

マンションのベランダでかぼちゃを育てる

かぼちゃ、漢字で書けば南瓜は日本のみならず、様々な国で食卓に並ぶ定番素材。個人的には薄切りにしてソテーしたものや、醤油などで煮込んだものが好きです。

カボチャの種類

カボチャにはいくつか種類があります。日本でよく見たタイプはここ台湾で売られている「栗子南瓜」というタイプに近いように思います。

栗子南瓜よりも安いかぼちゃも売られていて、台湾ではむしろその安い方のカボチャの方がメジャーなようです。というのも栗子南瓜は大体輸入品だからです。

かぼちゃは品種によって特徴が異なり、例えば栗子南瓜はホクホクなので、煮ても比較的原型をとどめていますが、安い方のかぼちゃはドロドロになってしまいます。ドロドロになる方はかぼちゃスープなどにむしろ向いています。煮ても良いですが、好みはわかれるかもしれません。

今回ベランダで栽培しようと思っているのは栗子南瓜です。

ベランダでかぼちゃを育ててはいけない理由

ベランダでかぼちゃを育ててはいけないなどという決まりは法律上も私のマンションの規約上も存在しないのですが、個人的にダメだと思い続けていました。というのも、かぼちゃは蔓が非常に長く伸びるうえに、とても大きな葉が付くからです。そんな植物を狭いベランダで育てたらかなりのスペースを占有されてしまいます。そのため、かぼちゃだけは絶対に我が家のベランダで育てまいと思い続けていたんです。

しかし、2022年はベランダにネットを設置した年でもあります。そのネットに這わせて上に向かって蔓を伸ばさせればなんとかなるかも?と思い、かぼちゃの空中栽培をしてみることにしました。

ベランダにおけるかぼちゃの育て方

我が家で2022年に実際にやっている方法をもとに育て方を記録します。

カボチャの種の発芽

カボチャの種はよく洗ってヌルヌルとした透明の膜も取っておきます。かぼちゃ1つにかなりたくさんの種が入っていますが、全部を発芽させるのではなく、精鋭を発芽させるため、水に沈めて浮かんできた種は捨ててしまいます。沈んだ種が発芽候補です。こうやって選定してもかなりの数が残るのではないかと思います。

残った種、つまり精鋭のカボチャの種は水で濡らしたキッチンペーパーなどで包んで放置しておくと、数日で発芽します。

カボチャを土に植え替える

発芽したカボチャを日に当てれば葉は緑になります。他の植物に比べ、かぼちゃは成長が速く感じます。

実際のところ種のまま土に蒔いても芽は出るのではないかと思いますが、確実を期すために水とキッチンペーパーで発芽させました。それを土に植え替えるわけですが、根をできるだけ傷つけないよう、土に穴を開けて、そこに小さな苗を入れ、根を包むように土を戻せば完成。

植え替えたときは水をたっぷり上げました。そしてそれからいくつかの苗を育て続けていたのですが、1つは根腐れ、2つは根に白い菌が発生してダメになってしまいました。いずれのものも処分しました。白い方は白絹病の可能性がありそうです。

かぼちゃの摘芯

かぼちゃはどんどん大きくなります。そして本葉が4枚ほどになったところで蕾のようなものも見えました。いやいや、まだ早いでしょ、と思ったのでその蕾は取りました。さらに言うと、本場5枚ぐらいのところで摘芯しました。

ネットを使って上に向かって這わせるように育てるとは言っても、それでもスペースは限られています。ですので、摘芯した後の今、脇芽が伸びてきたら脇芽は1つに絞るつもりです。そうすることで栄養を集中させるのと、スペースの節約をしようと考えたのです。

かぼちゃを育てる容器

我が家ではプランターで育てることにしました。そんなに大きなものではありません。しかも山芋と同居という非常にふざけた環境でございます。それでも大きくなっていきました。

かぼちゃの空中栽培

かぼちゃをベランダで這わせるわけにはいかないので、空中に浮かせて栽培する空中栽培に挑戦しています。空中栽培をするには支柱とネットが必要です。ネットに沿って蔓が伸び、ヒゲのようなものがネットをしっかりとつかんでくれるので、特段手作業で紐を結んだりとかはしていません。ただ、時々ネットに巻き付くように先端の位置を調整するくらいです。

結実したら重みを支えるためと、落果を防ぐために別のネットか紐で支えた方が良いでしょう。

かぼちゃの病気

かぼちゃのうどんこ病
かぼちゃのうどんこ病

かぼちゃはうどんこ病になりやすいです。過去に育てたときにも確かうどんこ病になりました。葉に白い粉みたいのが付き、それが広がっていきます。

うどんこ病には酢が良いということだったのですが、ちょうど酢を切らしていて、自家製唐辛子スプレーがちょうど酢で作られていたのでそれを希釈してかけました。

翌日には白い粉は消え、効果があったかのように見えたのですが、同時にちょっと葉が痛んでいるようにも見えました。そして、数日経つとまたうどんこ病は出てきます。

もう、きりがないので共存することにしました。

かぼちゃの開花

かぼちゃの雌花と雄花
かぼちゃの雌花と雄花

かぼちゃは雌花と雄花が分かれています。そのため、虫が少ない環境では人工授粉がほぼ必須、また、虫がいる環境でも人工授粉をした方が結実の確率は高まるでしょう。

雄花は花だけ、雌花は花の下に小さなかぼちゃの赤ちゃんみたいのがついているので、一目でわかります。「え~?これはどっちかな?」と思ったらたぶん雄花です。何しろ雌花は一目瞭然。

最後に

ベランダで育ててはいけないと思い続けてきたかぼちゃにとうとう手を出しました。かぼちゃって調理する際に大量に種が出てくるのですが、それを見るたびに発芽させたく思っていました。今回ついに、という感じです。

過去にかぼちゃを育てたこと自体はあります。その時は確か小さなカボチャが収穫できたのではないかと思います。ベランダはスペースも限られているのでうまくコントロールしながら育てられると良いのですが。