オジギソウに種をつける方法 もう種ができないなんて悩まない!

触られると閉じる葉っぱがなんともおもしろいオジギソウ。子供と一緒に育てた経験のある方も多いのではないかと思います。

日本では1年草として育てられることが一般的なオジギソウですが、毎年オジギソウ栽培を楽しむためには種を取る必要があります。ところが、オジギソウの種ができないというお話もチラホラと聞きます。

そこで今回はオジギソウで種を取るために私がやっていることをまとめていきます。

オジギソウは多年草だけど一年草扱い

オジギソウは寒い冬を超えることができません。もともとは多年草で、冬だけでも暖かい環境に移すことができれば年を超えることもできるようですが、日本では一年草として育てるのが一般的です。

一年草として育てる場合、一度きりならその年に観賞して終わりで良いのですが、次の年もオジギソウ栽培を楽しみたい場合は種を取る必要があります

オジギソウの種を取る方法

オジギソウを育てる過程で、オジギソウはなかなか種ができないという話は聞いていました。結論から言うと我が家では1株から100個以上の種を取ることに成功しているのですが、最初から「種ができない」のが当たり前だと考えて、一応の対策をしているのが功を奏しているのかもしれません。

じゃあ、具体的にどんなことをやっているのかというと、以下の2点です。

花が2つ以上同時に咲くのを待つ

種ができるためには受粉をしないといけません。ただなかなか種ができないと言われているということは、この受粉がうまくいかないケースが多いのではないかと。

だから人工授粉です。花Aの雌しべに花Bの雄しべをトントンと押し付ける感じ。雌しべと雄しべの違いはぱっと見ではわかりづらいので、とにかく花全体を押し付けます。

一度、花が一つしか咲かなかった日に、その花だけをトントンと軽くたたいて揺らしてみたのですが、それはどうやら受粉できなかったようで、種ができませんでした。同一の花(つまり花Aの雌しべに花Aの雄しべ)の花粉ではダメなのかもしれません。つまり花は最低でも2つ必要です。ところがオジギソウの花は1日で枯れるので、2つ同時に咲く日まで待つ必要があります。

中には同一の株の花同士では(同一株の花Aと花Bでも)受粉できないという情報もありました。もしかしたらオジギソウというのも種類があって、そういう種類もあるのかもしれませんが、我が家で育てていたオジギソウは一株のみ。それでも成功しました。

オジギソウの花が咲かない場合

オジギソウの花が咲かなければ種も採れません

オジギソウの花は、おおむね葉が10枚ぐらい出た後に蕾が付き、それが順に開花します。以降、葉が1つ(つまり1節)に花が1~2個という割合でどんどん開花することが多いです。そして、そこからさらに10節ぐらいで頭打ちとなりますが、最後の花が咲くころにはすでに脇芽が伸びていて、それも開花を始めることが多いです。脇芽は10節まで待たなくても蕾をつけ始めます。

花が咲かない場合、まだ上記の段階に達していないか、生育不良が起きているのかもしれません。基本的に肥料は与えていませんが、極端に日当たりが悪いと生育は悪くなるように思います。特に室内で栽培されている場合は、室内でも日当たりの良い場所に移動してみると良いと思います。その際、夏の直射日光はさすがにダメージになる場合があるので注意してください。

また、時期的なもので、おおむね7月~9月ぐらいが花を楽しめる期間です。その時期が来ていない場合なども花は咲きづらいのではないかと思います。

それから、頻繁に剪定をして株を小さく小さくして育てている方がいますが、そうすると花も咲きにくいそうです。葉を楽しむというスタイルの方の場合、蕾は取ってしまうという方もいますね。そうすると当然ですが種は取れません。

朝のうちに人工授粉する

オジギソウの花は朝咲いて、時間の経過とともにあっという間に枯れていきます。正午には朝と違う姿になってしまっています。受粉をするなら咲いたばかりの、もっとも美しい、かわいい姿の状態がベストと考えました。

実際、朝に人工授粉をすると薄っすら花粉が飛ぶのも目視できます。花粉がたっぷりついた状態で人工授粉をしましょう。私は大体朝7時か8時頃にやっています。

ここで受粉が成功していないと、種もできないでしょう。

花が咲いて受粉ができれば莢ができて種ができる

オジギソウの種
オジギソウの莢(中に種がある)

受粉に成功すると、その後、莢(さや)ができ、その中に種ができます。マメ科植物らしく、莢に包まれていて、それこそ本当に豆のようです。周りのトゲトゲは痛そうに見えますが、実は柔らかくて全然痛くありません。

オジギソウの種
オジギソウの種

莢が乾燥してから割ると、中に種が入っています。ちょっと緑がかった黄土色の種で、大きさは2~3mm程度です。非常に固い種です。

道端のオジギソウにも種はできる

台湾では道端にオジギソウが生えていることがあります。というかそこかしこに自生しています。で、秋ごろにそれらを見てみると、勝手に受粉し、勝手に実ができ、勝手に種ができています。

やはり自然は偉大です。何もしなくても、自然の環境に、そこにあるだけで循環のサイクルを全うできるのですから。風よけもなくてあまざらしの環境を用意できればオジギソウも勝手に育っていってくれるのかもしれません。それをベランダなど、家庭で再現しようというのが面白いのですが、オジギソウ自身にとってはなかなかハードなことなのかもしれませんね。

植物の受粉は、受粉を媒介する虫によるところも大きいです。例えば蜂。蜂が来て花を次から次へと移動することで受粉が達成されます。蜂が滅多に来ないベランダでは蜂による受粉に期待することが困難、ということもあろうかと思います。そこで人工授粉ですね。

まとめ

日本で育てる場合は一年草として育て、種を取るようにします。種を取るためには2つ以上開花した朝に花同士をぶつけることで人工授粉をして、その後種を収穫し、次の年にはその種をまきます。

台湾で育てる場合は越冬も可能な場合がありますが、種を取ることができれば翌年はその種からも育てられます。種の取り方は日本も台湾も共通です。一般的には台湾でも種を取る形で、一年草として育てるそうです。