マンションベランダでのオジギソウの育て方

ベランダで育てる植物の代表例と言えば「朝顔」や「ミニトマト」を想像するのですが、いつからか息子が「オジギソウを育てたい!」と言うようになり、オジギソウを園芸店で探すものの、なかなか見つからず、弱ったなぁと思っていたらなんと!義父が育てていることがわかり、息子が義実家からオジギソウの苗を持ち帰ったことから我が家のオジギソウ栽培がはじまりました。

オジギソウとは

オジギソウとは、葉を触ると葉が閉じる、子供が大好きなあの植物の事です。中国語では「含羞草」と書いて、発音的には「はんしょうつぁお」という感じです。日本語でも同じ漢字を書くようですね。ただ、他に「お辞儀草」とか、「おじぎ草」とか書いているのも見たことがあります。

基本的にオジギソウは多年草なのだそうですが、日本では冬を越すのが困難らしく、一年草として育てるそうです。花が咲いて種ができ、それを採種して次の年に蒔くと。その方法が一般的なんだそうです。

さて、ここ台湾ではどうなのかというと、知人の話を聞く限りではやはり一年草として育てるのだとか。台湾は比較的温暖だとはいえ、それでも越冬は難しいのだそうです。

オジギソウ栽培の過程

今まで実施してきたオジギソウの育て方をまとめます。

オジギソウの苗を入手!

息子が義父からオジギソウの苗をいただきました。いただいたオジギソウの苗は、種から育てていたものか、それとも挿し木のようにしたのかは不明でした(今日まで義父に聞く機会はたくさんあったのにいまだ確認せず。というかこの段階でオジギソウが挿し木で育つのかどうかはわかりませんでした)。ここから大きくなるのか、責任重大!いや、私ではなく息子の責任重大!と思っているのは私だけで、当の本人(ねだった本人)は呑気なものでした。

いわゆる種苗店、園芸店で「オジギソウありますか?」と聞いても「ない」という返答ばかりでした。じゃあ義父はいったいどこから入手したのでしょうか。今度聞いてみたいと思います。

なお、種から育てる場合、種まきから一週間ぐらいで発芽します。

オジギソウは室内でも育てられる?

オジギソウを室内で育てられている方もいるようなのですが、いかんせん茎がどんどん伸びていくので、剪定などをしない場合は結構なスペースを使うことになろうかと思います。

また、太陽に当てているととても元気なので、どちらかというと室内よりも太陽の当たる場所に置いてあげた方が良いように思います。

オジギソウの水やりについて

オジギソウ
オジギソウ

オジギソウは水切れに結構敏感で、夏場は朝1回の水やりでは足りないことがあります。ただ、これは鉢のサイズにもよるでしょう。我が家の場合、直径12cmぐらいの鉢に1株だけ植えている状態でも、次の日には干上がってしまい、てきめんに元気がなくなります。

具体的には、オジギソウは水切れを起こすと葉が閉じます。そして少しずつそれが曲がっていき、ダメになっていきます。そうなる前に水やりをする必要がありますが、曲がってしまうとそれから水やりに気を付けても、曲がった部分はもとに戻らないこともあります。そうなる前に水やりが必要です。

これは、蒸散を防ぐためなのかもしれません。蒸散が起こる気孔は葉裏にあることが多いようですが、葉の表にもあるようです。葉を前回の状態にするよりも、閉じた方が蒸散が少なく、自己防衛の手段として閉じているのではないでしょうか。

オジギソウの花について

オジギソウの花
オジギソウの花

世話をしていると、オジギソウは花をつけることがあります。オジギソウの花はインスタグラムで他人様のを見たことがあったのですが、実際に見るととてもかわいい!ピンク色の丸い花になります。ポンポンという感じでしょうか。

オジギソウの開花時期

オジギソウの花は、2020年は9月に咲きました。2021年は7月に咲きました。たぶん、通常は夏に咲くのだと思います。2022年は6月にはすでにつぼみがありましたが、剪定してしまったのでもう少し後になりました。

枝元から数えて大体10個目の葉が出る前後からつぼみができ始めます。

オジギソウの花は早朝に咲く

花が咲く前日はつぼみにピンク色の個所が見え、そして翌朝にはすでに満開状態でした。タイムラプスで午前3時から午前6時までのつぼみの様子を動画に記録したところ、どうやら午前3時~5時頃に咲いていたようです。どうりで朝起きたらすでに満開状態だったわけですね。

オジギソウの花の寿命は短い

そしてオジギソウの花が一番きれいなのは朝です。昼に向かって少しずつですが元気がなくなり、その日の夜にはすでにしおれ、次の日には終わってしまいます。つまり、たった一日、しかも半日ぐらいしか満開状態を楽しむことはできないのです。

同時に1つの枝に咲くオジギソウの花の数は少ない

1つの枝に同時に咲くのは大体2~3個まで。1株に4~5本の枝がある場合、合計10個ぐらい咲くこともありましたが、同条件でも1個だけしか咲かない朝もありました。

越冬して株が大きくなると、もっとたくさんの花が一斉に咲くこともあります。数十個まとめて咲くこともありました。

オジギソウの種

一年草として育て、翌年も楽しむには採種が必要になります。確実に受粉させるため、花が1つしか咲かなかったときは茎をトントンと叩いて花粉を飛ばす感じにし、2つ以上咲いたときはそれぞれを接触させながら花同士をトントンとぶつけて受粉させました。ただその時はそれが良いのか悪いのかはわからず。

結果的に、1つだけで茎をトントンしたものは受粉できていませんでした。自分自身の花粉では受粉できなかったのかもしれないと考えました。2つ以上咲いて花同士をぶつけることで受粉させたものは無事に受粉した模様で、豆類に見られるようなサヤができ始めました。

そのサヤはどんどん大きくなり、そして熟して(枯れて?)茶色くなります。ちょうど豆類が固くなる過程と同じですね。その茶色く固くなったサヤを取り、中の種を取り出せば種の採取完了。

一株しかありませんでしたが、種は100個以上採取することができたので、これが無事に発芽するようなら来年もオジギソウを楽しめそうです。

オジギソウの種は開花後2か月ほどで茶色くなり、採取できるようになります。

オジギソウの挿し木について

さて、サヤが出来始めたころから茎や葉の成長は止まっていましたが、種が取れるころになるとまた成長が始まったのか、脇芽のようなものが見え始めました。そこで、茎を切り、水に差していたところ発根し、それを土に植え替えました。時期的に厳しいのかもしれませんが、この段階では根が出てきたので挿し木は可能であると判断しました。

しかし、その後、この挿し木をしたものは根が張ることなく枯れてしまいました。水に差せば根は出ます。でも、最終的に挿し木として成功させるのは難しいという結論に至りました。

義父からしきりに「茎を切った方がいい」と言われていたのですが、来年育てる時は適度に茎を切り、挿し木についてはあきらめた方がよさそうです。ただ、剪定はした方がよさそうですね。

オジギソウに付く害虫

オジギソウには虫が付くことがあります。我が家で顕著なのはハダニとコナカイガラムシ。通常、ハダニは水をかけて、コナカイガラムシは捕殺で対処しています。

ハダニは主に葉の裏に、コナカイガラムシは新芽や枝の分岐部分に隠れていることが多いです。見つけ次第対処するのが吉。でないとどんどん増えていきます。ハダニもコナカイガラムシも繁殖力が半端ないです。ここで繁殖させてしまうと、他の植物にも広がってしまうことがあります。

オジギソウの越冬(冬越し)

日本ではオジギソウを一年草として育てるらしいですが、台湾では何も気にせずとも越冬できます。ベランダに放置です。とはいえ、2年連続の越冬は今のところ成功したことがありません。おおむね12℃ぐらいになる場合には室内に入れることも検討します。

剪定などに失敗すると越冬できずに枯れてしまうこともあります。オジギソウは常緑多年草。葉がなくなるほど剪定すると水の吸い上げが弱くなるのではないかと推測しています。葉を残しつつ草形の整理をすると良いと思うのですが、なにぶん素人なもので成り行きに任せる感じで行っています。

挑戦してみたい方は、越冬できればラッキー?ぐらいの気持ちで取り組むと良いと思います。日本では難しいそうですが、沖縄ならできるのではないかと思います。ここ台湾と沖縄は、自生する植物の種類も似ているようです。

以下はオジギソウの越冬に成功したときの話です。場所は台湾です。

オジギソウの寿命

オジギソウは多年草です。冬越しに成功したこともありますが、複数年冬越しに成功したことはありません。そのため、少なくとも一年以上は生きるということはわかっていますが、それがいつまで生き続けることができるか、寿命がどの程度かはまだまだ確認中です。

追記:2024年1月現在、満二年、三年目に入るところのオジギソウが一株あります。そのオジギソウの寿命は結構長くなるかもしれません。

最後に

オジギソウは子供が喜びます。とげもあるので注意が必要ですが、そこさえクリアできれば子供も喜ぶし、育てていて楽しい植物だと思います。