【生物農薬】ベランダに出現する益虫「クサカゲロウ」や「ハサミムシ」で害虫駆除!

植物を育てる際に害を及ぼす虫を害虫と呼び、植物にとって有益な虫を益虫と呼びます。今回は益虫について書いていきたいと思います。

害虫と益虫

植物を育てることと虫と戦うことはほぼ同義であると感じるほどに、園芸と虫は切っても切り離せない関係があります。虫は餌を求めて植物にたどり着き、人は植物を虫から守るために戦います。

害虫

一般的に植物にとって有害な虫を害虫と呼びます。例えばアブラムシやハダニ、アザミウマ(スリップス)、アオムシ(蝶の幼虫)などです。これらの虫は植物の葉を食べたり、汁を吸ったりすることで植物に直接的な害を与えるのみならず、病原菌も媒介してしまったりして厄介極まりないです。

害虫の対策は園芸愛好家にとって避けては通れない問題で、話は農薬の是非にまで飛躍することがあります。

益虫

植物につく害虫を捕食することで害虫を減らしてくれるなど、植物にとって有益な虫を益虫と呼びます。

その代表的なものはテントウムシです。テントウムシはアブラムシを捕食するため、畑やベランダに飛んできたらラッキー。ただし、テントウムシ科のテントウムシダマシというのは益虫ではなく、特にナス科の植物を食害するので要注意。

益虫のカゲロウ

クサカゲロウの幼虫?
クサカゲロウの幼虫?

2023年、ベランダに見たことのないような虫が出現しました。いや、厳密には過去に見たことがあったのかもしれませんが、虫と見るやすぐに捕殺をする癖があり、もしかしたら過去にも捕殺してしまっていたかもしれません。

この虫はなにやら背中にたくさんのゴミを付けています。拡大するとどうやら他の虫の死骸(死骸はコクゾウムシのようでした)や自身の卵の殻でしょうか、カプセルのようなものも背負っていました。

クサカゲロウの幼虫?
クサカゲロウの幼虫?

頭部を見るとアリジゴクのようでもあります。しかし、砂の中に潜っていたわけではなく、植物によじ登り、葉の裏をウロチョロしていました。

当初、食害を受けた葉の近くにいたのでこの虫のせいだと思っていたのですが、調べてみるとどうやらこの虫はカゲロウの仲間で、カゲロウはアブラムシなどを捕食する益虫であることが多いのだとか。し、知らなった。

出現したクサカゲロウ

クリップと比較するクサカゲロウ(仮)の幼虫の大きさ
クリップと比較するクサカゲロウ(仮)の幼虫の大きさ

それからカゲロウの生体について調べていくと、確かにカゲロウの卵のようなものは見たことがあるし、それを処分したという哀れな記憶もよみがえってきました。

カゲロウは種類が豊富で、ベランダに出現したのがどの種類かはわかりませんが、ネットで写真などを見る限り、クサカゲロウが近いのではないかと思います。クサカゲロウは捕食した虫の死骸などを背中に背負うらしく、特徴としてもぴったりです。

クサカゲロウはヨーロッパでは生物農薬として導入されているのだそうです。

なお、今回カゲロウを見つけた場所が台湾だったので、タイワンクサカゲロウではないかと思っています。

クサカゲロウでアブラムシ対策

クサカゲロウはアブラムシや鱗翅目(チョウチョやガなどの類)を捕食するのだそうです。我が家のベランダに最近アブラムシが少ないのはもしかしてこのクサカゲロウのおかげ?

真偽は定かではありませんが、調べる限り益虫であることは間違いなさそうなので、今後クサカゲロウを見つけたら駆除せず、遠くから見守っていこうと思います。

なお、クサカゲロウの種類によってはハダニ類、コナカイガラムシ類、アザミウマ類も捕食することがあるのだそうです。いや、むしろその種がほしい!2023年現在、我が家のベランダ菜園はアザミウマに浸食されております。

カゲロウの寿命

調べてみるとカゲロウの寿命は成虫になってから数時間程度という話もありましたが、中には1~2か月とするものもありました。もしかしたら同じカゲロウでも、種によって寿命が大きく変わるのかもしれません。

なお、カゲロウは成虫の状態で越冬をするということなので、少なくとも数日間は生きているのかな?と思っております。そうでないと生物農薬として管理するのが大変そうな気もします。

益虫のハサミムシ

土があるところには大体いるハサミムシも益虫の一つなんだそうです。

私なんかはその見た目から恐怖に慄いてしまうのですが、お尻のハサミで挟まれたり刺されたりといった物理攻撃や家に侵入するなどがなければ、特段人間や植物に害はなく、むしろ肉食であるため小さな昆虫を食べてくれる益虫と見られているのだそうです。

台湾のハサミムシ
台湾のハサミムシ

私の住む台湾にもいました。ただ、日本で見慣れていたハサミムシとちょっと違うようです。最初見たときは毒でもあるのではないかと思いましたが、台湾でハサミムシについて調べてもやはり毒があるという記述は見つけられませんでした。

害虫か益虫か確認を

屋外で植物を育てているとほぼ確実に虫はやってきます。虫がやってくると植物を食害するなどして被害が発生することが多いですが、すべての虫が植物に悪さをするわけではなく、中には益虫として働く虫もいます。

虫と見たらすぐに駆除するのではなく、その虫がなんなのか、益虫ではないのかを調べてから処分するというのも良いかもしれません。

ただ、問題はそんな悠長にそれがどんな虫かを調べている余裕はないということ。なぜなら動きの速い虫はあっという間に隠れてしまうからです。

今回カゲロウを見つけたときは、まずはカゲロウを捕獲し、それから調べ、再度ベランダに放つ決定をしました。先に捕まえずに調べていたらきっと見失っていたことでしょう。

知識を持ってつけていって、見たらすぐに判断できるようになりたいです。

最後に

クサカゲロウは数日前から数匹ベランダで見かけたので気になっていたんです。今回調べてみてどうやら益虫だということがわかり、今後の対策に役立ちそうです。

すでにベランダに放ってしまったので、これで益虫のクサカゲロウではなく、害虫の何かだったら目も当てられません。ハサミムシもベランダに放ちました。

これで害虫を一網打尽にしたい!