イチジクをベランダで育てる方法

2020年の夏、イチジクの苗をいただきました。親木を剪定し、切った枝を挿し木したものとのことでした。

我が家に庭はありません。あるのはベランダのみ。ベランダ菜園でイチジクをどうやって育てれば良いのか。苗をいただいてしばらく経つので、その間に学んだことや、育て方をまとめました。

イチジクをベランダで育てる!

イチジクはベランダでも育ちます。鉢植えでOKです。

イチジクの種類

いわゆる「イチジク」はクワ科イチジク属に属する植物で、実は種類がかなりたくさんあります。黒イチジク、白イチジクと分けられたりもしますし、果実が実る時期でも夏果専用種、秋果専用種、秋夏兼用種と分けられたりもします。

品種で言えば、カリフォルニアブラック、バナーネ、桝井ドーフィン、ビオレソリエスなどがよく聞くところですが、実際はもっともっと多いです。

ガジュマルもイチジクの仲間

実は沖縄などに生息するガジュマルもイチジクの仲間です。我が家のベランダで育てているアコウもその仲間。どれもクワ科イチジク属なんです。

我が家のイチジク

我が家のイチジクの品種は全くわかっていません。秋果専用種か夏果専用種か、はたまた秋夏兼用種なのかもわかりません。親木は年がら年中実が出来ているそうです。

なお、「年がら年中」というのは気になりましたが、秋果の方が一般的なようだったので秋果と踏んで育て始めたものの、親木は5月ごろも小さな実がなっているので、どうやら少なくとも夏果は実る品種のようです。秋果もたぶん実るんだと思っているのですが、どうでしょうか。

ベランダでのイチジクの育て方

さて、ベランダでイチジクを育てる際の、育て方について見聞きしたことをまとめます。

苗の入手

園芸店などに行けばイチジクの苗は容易に手に入るのではないかと思います。私は親木から剪定時に出た枝を挿し木にしたものをいただきました。

イチジクの挿し木は成功率が高いらしく、その後、私も挑戦したところ成功しました。

それから食べた乾燥イチジクの種から発芽した苗も育ててみましたが、無事に発芽しますし、育てるのも比較的容易でした。トルコ産の物でしたが、今は事情があって手元にありません。

イチジクの挿し木の方法

イチジクの挿し木をするにあたって、ミズゴケを利用すると簡単です。剪定時に出た枝の下部をミズゴケに包んで、それをさらにラップで包んでおくと、あっという間に根っこが生えてきます。ここで注意が必要なのは、枝の向きです。枝の下部にミズゴケを巻くと覚えておきましょう。見分け方は、葉がついていた跡の下側に点がいくつも出ています。つまり、点がある方が下です。

イチジクの挿し木の時期

挿し木の時期的には新芽が出始める少し前が適しているように思います。私が住む地域では1月下旬から2月上旬頃に新芽が出てくるのでその前の例えば1月中旬とかがいいように思います。

イチジクの栽培難易度

イチジクの栽培難易度は高くありません。細かいことを気にしなくても水さえあげていれば育っていきます。

結実させるには剪定の方法が肝になるようで、YouTubeでたくさん解説動画が公開されているのでそれを参考にすると良いと思います。夏果専用種と秋果専用種で剪定方法が異なります。

我が家のイチジクは秋果専用だと思って冬に強剪定をしたのですが、どうやら少なくとも夏果は実るタイプだったようです。

肥料

確実に結実させるには肥料も大切だそうです。落葉後と夏前、秋口に施肥すると良いそうなのですが、結実のためには花や果実用の肥料が良いそうです。

一時期は成分が平均的な肥料を与えていたのですが、花や果実用の「リン酸多めタイプ」に変更しました。

剪定

剪定時期は落葉後の冬が良いそうです。ほかに芽摘みなどをされる方もいるようですが、これもやはりプロの方がYouTubeに動画を上げられていますので、そちらを参考にするとよいと思います。

品種がわからないときは、どちらにも対応できるように、その年に伸びた枝を少しだけ残して剪定すると良いのではないかと思います。

仕立て方

イチジクの仕立て方は、開心自然形とか盃状形仕立て(杯状形仕立て)が一般的なようです。開心自然形は左右にバランスよく枝が伸びる整枝法で、盃状形仕立て(杯状形仕立て)は二本の枝を翼のように広げるような樹形です。この2パターンの場合、ベランダでやるなら、開心自然形の方が適しているように思います。

農家さんでは一文字整枝(一文字仕立て)という、枝を低く誘引し、それこそ「一」の形になるようにした整枝方法があって、ベランダでもそれは応用できそうです。「一」の文字と同じように低くまっすぐに主幹を伸ばすので、場所を取らずに栽培することができそうです。

我が家のイチジク

我が家にあるイチジクは一文字整枝を採用しました。極力ベランダを占有させたくなかったからです。でも、一文字整枝は右と左の二本を一文字にするのですが、我が家のイチジクはあいにく片方しか枝が大きく育たず、今のところ片一文字みたいになっています。これはこれで一文字でいいのかな?もっと重くなるようでしたら支柱をつけようと思っています。

なお、この一文字仕立ては樹勢の弱いイチジクには不向きだと考える農家さんもいるようです。

植え替え

イチジクの植え替えは冬がいいそうです。2年に1度程度で良いそうですが、結構根が伸びるので、常に様子を観察しておいた方が良いと思います。

植替えの際の土は赤玉土7に培養土3の比率にするつもりです。我が家の樹木系は大体この割合。培養土ではなく腐葉土がいいという説明も見るのですが、近所で腐葉土が一切売られていないので我が家では一般植物用の培養土を使っています。

イチジクの根(黒っぽいのは枯れた根)
イチジクの根(黒っぽいのは枯れた根)

我が家のイチジクは育て方が悪いのか、枯れた黒くなった根が結構な量含まれている場合があります。そういう枯れてしまった根は見た目も黒いですし、触るとカスカスなのですぐにわかるのですが、植え替えの際に取り除くようにしています。

水やり

イチジクは水が大好きな印象です。かなり水を吸収します。ですので、特に夏はほぼ毎朝水やりをしています。(雨が強く降っている日はしないこともありますが、それでも水やりは大切ですので、乾燥していないかよくチェックするようにしています。)

日当たり

イチジクは日当たりの良い場所を好みますが、夏の直射日光は当てない方が良いというお話もあるようです。逆に、夏も日向が良いとするお話も聞きました。

では、我が家ではどうしているかというと、午前中の3時間ほど直射日光が当たる場所に置いていたのですが、葉焼けすることもなく、しかし結実することもありませんでした。そこで、もっと日照時間の長い、直射日光が当たる時間の長い場所に移動しました。そこでは朝から昼にかけて、6時間ぐらい直射日光があたります。そこでも葉焼けはしていないようです。もっとも、そこでも結実はしていませんが。

害虫

アブラムシやアザミウマがイチジクの木にくっついているのは見たことがありませんが、イチジクには他の害虫が付きます。

イチジクの天敵カミキリムシ

イチジクで有名なのはカミキリムシです。カミキリムシの幼虫がイチジクの木の幹を中から食害します。今のところ我が家では見たことがありませんが、親木のある場所ではカミキリムシの成虫を見たことがあります。おそらく卵を産みに来たか、羽化したものではないかと。

アリ

イチジクの植木鉢に蟻が巣を作っていたことがあります。なかなか実ができないので蟻が何か悪さをしているのかとも思ったのですが、2022年暮れに植え替えた際、蟻はいなくなっていました。

ハダニ

ハダニも付くことがあります。今のところハダニによる大きな被害はありませんが、付くことは間違いないようです。

カイガラムシ

イチジクにはカイガラムシが大量につくことがあります。大量に付いたら歯ブラシや枯れた枝などでこすり落としています。見ている限りでは、また上ってくるということはないようです。

イチジクの実が結実するまで何年?

私が育てているのはいただきものの挿し木苗です。その挿し木苗と同様に、親木からいくつも挿し木にされていて、それらの中には1年目から実をつけているものがあったのですが、我が家のはさっぱり。

基本的に苗を購入してから3年ぐらいは実が付かないのが普通とのことで、最初はとにかく株を成長させることに集中すると良いようです。苗からならすぐに結実するのかと思ったら違うんですね。ただ、これも環境に左右されるそう。1年目でも結実することがあるそうです。

果たして我が家では何年で実ができるのでしょうか。

最後に

イチジク栽培はとても楽しいです。難易度も低いので初心者向けだとも思いますし。剪定をしっかりしていけばベランダでも十分に育てられると感じています。今後も継続します。