果物は木の上で完熟状態になるまで育てると最高に甘くなるのだそうですが、実際のところどんな感じなのか、自宅のベランダにあるイチジクで実験してみました。その結果をここに書き記しておきます。
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ベランダで育てるイチジクの木
数年前にイチジクの苗木をいただいて以来、ベランダでイチジクの木を育て続けております。あいにく最初にいただいた苗木は結実することなく枯れてしまいましたが、その後、2023年にすでにいくつか結実している苗木を二本新たにいただいたので、今我が家のベランダには都合二本のイチジクの木があり、2024年は5月の段階ですでに1つ目の収穫ができてしまいました。
ベランダでイチジクを育てるのは比較的簡単なのだと言います。ただ、最初にいただいた苗木は結実することはなく、枯れていってしまいました。一概に簡単とも言えないのかもしれません。
2023年にいただいた二本のイチジクの木
2023年にいただいたイチジクの木は最初から実が付いていました。そしてそれらは日に日に大きくなり、秋には収穫することができました。
イチジクはおいしいです。当然ですが美味しいイチジクの実ができました。
そして2024年になり、本記事執筆時も栽培を継続しています。
最適なイチジクの収穫タイミング
イチジクの最適な収穫タイミングはいつなのでしょうか。少なくとも2023年の段階では、触ってぽろっと取れるようならもう適期だと私は判断しておりました。
植物というのはよくできたもので、子孫を残すために種子が熟したら地面に落ちるようになっていると考えました。
実際そのように手でポロッと取れる状態を待って収穫したイチジクはしっかり甘く、おいしくいただくこともできましたし、その状態になってから以降は肥大もしないようでした。
しかし、果たしてそのタイミングが本当に最適だったのかは疑問が残ります。というのも、ネットで散見されるイチジクの写真はお尻部分が裂けていたりするのに、先ほどのタイミングで収穫したイチジクのお尻は一切裂けていないからです。もしかして早すぎた?
完熟を目指して実を放置!
最適な収穫時期を目指して、手でポロッと取れそうになってからもさらに数日放置してみることにしました。
ミニトマトが鈴なりになっている写真を見たことがある方も多いようですが、イチジクもそんな状態を目指せると良いなと考えました。
しかし、あいにくイチジクが鈴なりになるということは今のところなく、思ったよりも早く収穫せねばならない状況となりました。
付け根部分から実が裂けてくるイチジク
すでに収穫できそうなイチジクを放置して三日が経過したころ、実の付け根部分が裂けているのに気が付きました。
完熟したら実が落ちてしまうかもしれないという心配もしていたのですが、それが現実のものとなりそうでした。
お尻部分を見てもまだ裂けていません。しかし付け根が裂けているということは、すでに完熟状態では?と考え、収穫することにしました。
収穫してみると案の定実はかなり柔らかく、収穫する際に触れた部分の皮が剥がれて見栄えが悪くなってしまいました。それはまさに完熟と言って良い状態でした。
完熟したイチジクはやばいぐらい甘い!
完熟したイチジクを食べてみたところ、2023年に収穫したどのイチジクよりも甘く、最高においしいイチジクになっていました。
これか!これが自宅栽培のメリットか!
と思わせてくれるほどのおいしさに思わず「うまっ!」と言葉が出ました。
イチジクは輸送が難しい
これだけおいしいイチジクの実なのに、台湾ではスーパーで見かけたことがありません。その理由はいろいろあるのだと思うのですが、第一に輸送が難しいのだと思います。
イチジクに限らず、輸送のために早期に収穫して、店頭に出す前に追熟させるという方法で販売される果物は他にもあります。となると、木の上で完熟となった果物よりも甘味は劣る可能性があります。
なんとももったいないことですが、輸送に耐えるためには、ある程度の固さが必要で、完熟した状態だと輸送が非常に難しく、しかも傷むまでの期間が短いため、店頭に並べられる期間が短くなり、廃棄処分になるリスクも高まると考えられます。
安定して果物を食卓に供給する方法として、早期に収穫して店頭に並べる前に追熟させる方法というのはメリットも多いのですね。
完熟したイチジクはどう考えても輸送に適しているとは思えませんでした。じゃあ早期に収穫して追熟させればスーパーで販売することもできるのでは?とも思いました。
品種によっても特徴が違う
イチジクは全世界にものすごくたくさんの品種があるのだそうです。我が家にある二本のイチジクもなんだか微妙に品種が違うような気もします。5月に収穫できるイチジクってどんな品種なのでしょうか。台湾では「全季節収穫」みたいなPOPが付いて売られているイチジクの苗木も見たことがあります。もしかしたらそれかも?
輸送のしやすさなども品種で変わるのだそうです。品種改良の世界では、いかにおいしい品種ができても、輸送が困難だと普及しないということもあるようです。商業目的で成功するためには輸送性も考慮しないといけないんですね。
最後に
収穫できそうになったイチジクを、そこからさらに三日間ほど木の上に放置してから収穫するとかなり甘いイチジクになることがわかりました。
今後もその美味しいイチジクを味わえるよう、お世話を続けていこうと思います。