タンニン鉄を使用済みの使い捨てカイロと粉末緑茶で作ってみました

今まではタンニン鉄を鉄くぎで作っていたのですが、使用済みの使い捨てカイロでも作ってみました。

タンニン鉄とは

タンニン鉄とはイオン化した鉄の成分が溶けだした液体で、この液体を植物に与えると植物の生育に良い影響を与えると言われているものです。

タンニン鉄の作り方

タンニン鉄は簡単に言えば、タンニンの含まれた液体に鉄を浸しておくことで作ることができます。

使い捨てカイロを使ったタンニン鉄の作成

これまでタンニン鉄を作るときは鉄くぎを使用していました。今回は使用済みの使い捨てカイロを使ってタンニン鉄を作ります。

日本ほどではありませんが、ここ台湾も冬はそれなりに寒くなります。カイロが欲しくなることもあります。昨冬に使用した使い捨てカイロを捨てずにとっておき、それを用いてタンニン鉄を作ることにしました。

使い捨てカイロの成分

使用済み使い捨てカイロの中身
使用済み使い捨てカイロの中身

使い捨てカイロには鉄粉、活性炭、木粉(またはバーミキュライト)、塩、水などが含まれているそうです。そのうち、鉄粉は全体の50%程度の量になるようです。つまり、使い捨てカイロはそのほとんどが鉄粉であると言えます。

使い捨てカイロを使ったタンニン鉄の作り方

使い捨てカイロを用いたタンニン鉄を仕込んだ直後の様子
使い捨てカイロを用いたタンニン鉄を仕込んだ直後の様子

作り方は鉄くぎの時と同じにしました。ただ、カイロは袋に入っているので、それをティーバッグに移動しました。

  1. 使い捨てカイロから中身を取り出し、ティーバッグに大さじ1程度入れる
  2. カイロの中身を入れたティーバッグを容器に入れ、粉末緑茶を1g程度入れる
  3. 容器にお湯を入れて振る
  4. 24h常温で放置して完成

容器はお湯を入れる都合上耐熱容器を使う方が良いです。水ではなくお湯を使う理由は、過去に水でもお湯でも作ったことがあるのですが、お湯の方が反応が速いからです。

初回は黒くならず

使用済み使い捨てカイロでタンニン鉄作っても最初は黒くならなかった
使用済み使い捨てカイロでタンニン鉄作っても最初は黒くならなかった

使い捨てカイロを使ってタンニン鉄を作りましたが、数日経っても黒くならず、濃い赤茶色の状態のままでした。

なお、ここで出来た水溶液を数日に分けてオジギソウに与えましたが、オジギソウが枯れるようなことはありませんでした。もっとも、特段良い影響も見えませんでしたが。

使い捨てカイロを用いたタンニン鉄づくりに失敗した理由・原因

最初に失敗した原因はカイロの中に含まれていた鉄以外の成分による影響だと考えています。鉄粉以外に活性炭などが入っていることは上述の通りですが、それらの成分が鉄粉の周囲にまんべんなく付着している状態で、そのため反応があまり進まなかった上に、そもそも使用済みの使い捨てカイロだったため赤茶色の酸化鉄も豊富に含まれており、それらが溶けだしていたのではないかと考えました。

二回目は黒くなる

使い捨てカイロで作ったタンニン鉄
使い捨てカイロで作ったタンニン鉄

初回は失敗しましたが、同じカイロ、同じ容器を用いて再度挑戦しました。作り方は基本的に同じです。違うとすれば、鉄粉の周りに付着していたであろういくつかの成分は多少洗い流されているということ。

結果は24時間程度で黒くなりました。鉄くぎで作ったものと比較しても見た目的にはそん色ないものが出来上がりました。

カイロで作ったタンニン鉄の塩分

使い捨てカイロには塩が5%程度含まれているそうです。そのため、出来上がったタンニン鉄にも塩が含まれている可能性があります。塩以外の成分は活性炭、木粉(またはバーミキュライト)なのでそちらは特に問題ないと思いますが、塩は多量に植物に与えると悪影響が出る可能性が考えられます。

除草目的で塩水を草にかける方法がありますが、その場合は塩分濃度3~5%の塩水が使われます。つまり、3~5%の濃度の塩水は植物を枯らす可能性が高いということになります。当然ですがその濃度よりも低い濃度まで塩分濃度を下げてから植物に与える方が良いと思います。

カイロの中身15g(塩0.75g含)、粉末緑茶1g、お湯500mlの場合、塩分が完全に均等にお湯にとけ出したと仮定した単純計算ではありますが、おおよそ塩分濃度0.15%のタンニン鉄になる計算です。

除草に使われる塩水に比べ、濃度がかなり低いことがわかります。調べてみるとカイロを使って作られたタンニン鉄を直接希釈せずに使用されている方もいるようです。ベランダのオジギソウに希釈せずに与えましたが、枯れたりはしませんでした。

なお、カイロに含まれるのは塩そのものではなく、塩化物や塩類だとする方もいました。

タンニン鉄を粉末緑茶で作る理由

タンニン鉄はタンニンが含まれているなら紅茶やコーヒーなどでも作れます。その中で私はあえて粉末緑茶を選んでいるのですが、粉末緑茶を選んでいる理由は、紅茶のようにティーバッグを処分しなくて良いことと、コーヒーのように腐敗することが少ないからです(以前コーヒーで作ったらすぐに腐敗しました)。

飲むお茶を作るのよりも気持ち多いぐらいの、濃いお茶を作るぐらいの量を使って、何かしらの鉄とお湯を入れれば簡単に粉末緑茶のタンニン鉄ができます。

タンニン鉄の効果

植物には窒素やリン、カルシウムなどの必須多量元素と、鉄やホウ素、マンガンなどの必須微量元素が必要だと言われます。鉄は微量元素と呼ばれるものです。

タンニン鉄はこの鉄を補うために使われていますが、その実験結果は一概に良いものとは言えないようです。「根の張りがすごい!」というのも、そうはならなかったという実験結果もありますし、「植物が大きく生長!」というのも、そうはならなかったという実験結果もあります。

実際、我が家のベランダで感じた効果と言えば、水のみを与えた場合よりも草が元気だったというものだけです。それ以外は効果を実感したことがありません。

とはいえ、鉄は微量元素と呼ばれ、必要な物であることに違いはありません。そう考えれば、たまにタンニン鉄を与えるのは多少なりとも効果があるのかもしれないなと思っています。

最後に

カイロでも簡単にタンニン鉄を作ることができました。ただ、個人的にはカイロに含まれる塩なのか塩化物なのかが気になるので、やはり鉄くぎで作ろうかなと思っています。鉄くぎならティーバッグを用意することも、カイロを開封することも必要ありません。

鉄くぎを用いたタンニン鉄づくりは超簡単です。特段鉄くぎを入れ替えることなく、何度も繰り返し同じ鉄くぎでタンニン鉄を作り続けています。

容器も小さな500mlぐらいの瓶なので、毎日少量を作り、翌朝の水やりのタイミングでベランダの植物に与えています。もはやルーティーン化していて、朝お湯を沸かし、前日に作ったタンニン鉄を植物に与え、瓶に残った鉄くぎはそのままにし、粉末緑茶を再度投入し、沸いたお湯をかけておけば翌日の朝にはまたタンニン鉄が出来上がっているという感じです。