海外に住んでいると、日本のものが食べたくなることがあります。台湾で食べられるものもありますが、中にはなかなか食べることのできないものもあります。
最近台湾のドリンク店が日本に進出したという話を聞きました。同様に日本のラーメン店が台湾へ出店したという話も聞きます。こうやってそれぞれの国で人気があるものが海外へ出店し、自分の国にいながら現地の味を楽しめるものもあります。
クチナシを使わずに栗の甘露煮づくり
今回は栗の甘露煮をクチナシ無しで作る方法について書きました。
台湾で食べることが難しいもの
特に台北などの都市部では多くの日本食レストランがありますので、様々な日本の料理を楽しむことができます。しかし、それでも食べられないものもあるのです。例えば以下のようなものです。
- 自分が好きだったお店のつけ麺
- 週に2度は行っていた寿司屋のマグロ丼
- 山登りに行くたびに食べた、山麓のとろろそば
これらはどうしても台湾で味わうことができません。食は本当に習慣。慣れ親しんだものが食べたくなるのは習慣がそうさせるのだと感じます。
当然台湾にはない日本風のおせち料理
お正月になると毎年必ずおせち料理を食べていました。実家でしっかりおせち料理を食べた年も、一人暮らしで実家に帰らずにお雑煮だけ食べた年もありますが、やはりお正月といえばおせち料理です。
台湾のコンビニではおせち料理は売られていません。スーパーにも売られていません。おせち料理は日本の風習だから当然です。でも食べたいなら、過去に梅干を作ったように、やはり自分で作れば良いのです。
大好きな栗きんとんのために栗の甘露煮を作っておこう
さて、本格的におせち料理を作ることまでは考えておりませんが、一番大好きな栗きんとんだけでも作りたいと思い、栗きんとんに使うための栗の甘露煮を秋のうちに作っておくことにしました。
冬になって栗が手に入らなくなったら作れなくなってしまうからです。脱気まですれば長期保存ができるかはわかりませんが、何とか冬まで持つのではないか、と考えたのです。
問題はクチナシが手に入らないことですが、味に影響は無いと考えました。(後日クチナシは手に入りましたが、この記事を執筆した当時、まだ入手していませんでした)
クチナシを使わない栗の甘露煮の材料
- 栗 400g程度
- 水 400ml
- 砂糖 200g
これでもか、というぐらいシンプルな材料です。
皮を剥いた後の栗の重量に対して砂糖を同量、そして水をその2倍入れるイメージになります。つまり、皮を剥く前に400g前後あった栗の実が、皮を剥いた後に200gぐらいになっていたら砂糖も200gぐらいで水は400ml、もしも250g残っていたら砂糖も250gで水は500mlにすると良いと思います。
砂糖は白砂糖が良いです。氷砂糖でも同様に作れます。実際に作りました。三温糖はあまりおすすめしません。というのも、味はおいしいのですが、やはり色が若干茶色っぽくというか、黒っぽくというか、なんだかくすんだ感じになるからです。
なお、今回のテーマとは逸れますが、クチナシの実を入れる場合、上記分量では2個ぐらいのクチナシの実で十分です。後日クチナシを入手した際に実際に作ってみました。
クチナシを使わない栗の甘露煮の作り方
- 栗を30分ほど水に浸けておく
- お尻の部分を包丁で切り落とし、包丁の根元を使って鬼皮をむいていく
- 栗をまな板に固定し、渋皮を切り落としていく
- 皮をむいた栗を30分ほど水に浸けてアクを抜く
- 分量外の水で栗を20分ゆでる
- 別の鍋で材料の水と砂糖を熱し、砂糖を溶かしておく
- 「5.」のゆで汁を捨て、「6.」を入れて20分ゆでる
- 煮沸消毒した容器にお箸を使って丁寧に詰め、シロップも注ぎ入れる
- 軽く蓋をして、容器の7分目ぐらいまで外に水を張り、沸騰させて20分ほど温め続ける
- 蓋を少し開け、すぐに閉め、便を取り出してさかさまにして熱が冷めるのを待つ
栗の皮むき
毎度栗を使った料理を作る時に、どうしても時間がかかってしまうのが皮むきです。鬼皮をむくのも、渋皮をむくのも時間がかかります。だから最近は以下のようにしています。
鬼皮・・・鬼皮をむく前にしばらく水に浸けておきます。そうすることで鬼皮に包丁が入りやすくなり、また、そうすることで全体的にむきやすくなるように感じます。
渋皮・・・以前は手で全部むいていましたが、最近は包丁で身ごと”切る”ようにしています。多少身がもったいないようにも感じますので、できるだけ身を削り取らないように切ります。手で向くよりは圧倒的に速く感じます。
栗はおいしいですが、皮をむくのに時間がかかることがあります。少しでも速く皮をむくための努力をしていますが、それでも現状で60分ぐらいは時間がかかっています。もっと練習したいです。
ちなみに栗を使ったレシピではほかに栗ご飯なんかも好きです。
使う瓶は密閉できることが重要
使用する瓶については密閉ができることが条件になります。また、気を付けたいのは、力を入れて蓋を閉めたとき、ガパッと蓋が外れてしまうことがあります。できればそうならない瓶を用意したいです。もし、そういう瓶を使う場合は力加減に気を付けたいです。
脱気後の消毒について
脱気の手順で、蓋をきつく締めた後に瓶全体がお湯に浸かるようにして20分ほど消毒すると良いという話もあります。長期保存を前提としている時などはその方が良いかもしれません。今度挑戦してみようと思います。
脱気といえば、過去にジャムの記事も書いていました。
今回の栗の甘露煮の出来栄え
今回作った栗の甘露煮は、手前みそではありますが、とにかくおいしかったです。市販の栗の甘露煮でここまでおいしいと感じたことはありません。そこが自炊マジックなのかもしれません。例によって家族は食べてくれませんでしたけど。自分で作ると苦労の分だけ何でもおいしく感じるとか?
なお、食べてみたのは瓶詰した際にあまった10粒ほどです。もっと食べたくなってしまい、瓶を開けてしまいそうになりました。もう本当に手前みそ。
クチナシを使わないと変な色身になるのかと思えば、意外とそんなことはありません。栗は火が通るとほんのり黄色くなります。クチナシを使った黄色とは違いますが、これはこれで良いと思いました。
ミョウバンや亜硫酸塩について
市販の栗の甘露煮にはミョウバンや亜硫酸塩(亜硫酸ナトリウムなど)が含まれていることがあります。ミョウバンは煮崩れ防止、亜硫酸塩は漂白剤として使われているのだそうですが、私は使ったことがありません。
まとめ
色は多少違いますが、クチナシを入れなくても栗の甘露煮を作ることはできました。
栗の筋を中心にどうしても茶色っぽくなったり黒っぽくなってしまうのを防ぐ方法もあるようなのですが、今まで実際に試したことはありません。いつか試してみたいなとは思っていますが、リピートするならできるだけシンプルなレシピの方が良いなとも思っています。
手作りした栗の甘露煮の味は最高です。脱気したものもすぐに開けて食べてしまいたいぐらい。お正月まで持つでしょうか。