NIKON D300を素材に、特に静止物のピントが甘い原因がわからないという私みたいな初心者の人のために書いた記事です。一眼レフでピントが甘いと感じたときに見ると多少のヒントになると思います。具体的にはフォーカスモードの使い分けでピントが甘い現象を克服します。
目次
ピントが合わない一眼レフ
一眼レフを入手して写真撮影を始めた頃、どんなに写真をたくさん撮影しても、ピントが甘い写真ばかりを量産してしまうことが続きました。なぜか一眼レフで写真を撮影するとくっきり写らないのです。
ピントが合わない。なんとも克服したい事柄ではありますが、経験がないと単に一眼レフは使いにくいで終わってしまう可能性すら秘めた、結構大事なことです。
静止物すらピントが合わない
特に静止物ですが、一眼レフでどんなにたくさん写真を撮っても、どこかピントが合っていないような感覚がしていました。本当にピントが合っていないのか、それとも手ぶれしているのか。ピピッと音がして、フォーカスエイドも表示されている、にも関わらず出てくる写真はどこかピントが甘い。
さらに、三脚とリモートレリーズ(リモートシャッター)を利用しても同様にピントが合っていないように感じます。ということは手ぶれではなさそうです。
思えば、この時もフォーカスエイドが固定されないことを不思議には思っていました。
なお、3本のレンズで試してみましたが、どれもピントが甘かったので、前ピントか後ピンとかそういうことではないと判断しました。
一眼レフカメラのピントの合わせ方
オートフォーカスレンズの場合はシャッターを半押しするとオートフォーカスが働き、ピントが合うとピピっと音が鳴るか、フォーカスエイドというピントが合ったことを示すマークがファインダー内で点灯することでピントが合ったことが撮影者に伝えられます。なお、親指AFの設定をしている場合はその限りではありません。
撮影前にピントが合った場合、ファインダー内の画像も当然ながら鮮明にピントが合っているように見えるのが普通です。
マニュアルフォーカスレンズの場合はフォーカスエイドで合焦したことを確認するか、そのまま目でファインダー内の映像を見て判断します。デジカメの中にはディスプレイに被写体を拡大表示させてピントを細かく調整できる機能を搭載したモデルも存在します。静止物はディスプレイを拡大して確認することが多いでしょう。
ピンボケの原因
普通に考えれば、撮影前にピントを合わせ、そのままシャッターを切ればピントが合った写真が撮影できるわけですが、どうもピントが合っていないような写真が撮影された場合は、カメラの問題かレンズの問題、または撮影者の技術的問題などが考えられます。
カメラの問題
解像度が低いカメラの場合は鮮明に写らないということが発生することがありますが、それはカメラ本体の解像度が低いからで、その限界を超えることはできません。
ただ、例えば私のNIKON D300の解像度は1,230万画素と、パソコン画面やスマホ画面、カメラに内蔵されたディスプレイで見る分には申し分のない解像度です。解像度は問題ありません。
なお、カメラ屋さんに持ち込んだところ、ピンボケすることは店員さんも認めたものの、カメラの問題かはわからないとのことでした。
レンズの問題
レンズは絞り具合によって解像感が変わります。そのレンズごとに特性は異なり、一般的にはある程度絞った方が解像感は高まります。
しかし、レンズの絞りを調整しながらさまざまな設定で撮影しても、適度に絞れば解像感は上がりますが、結局どこかモヤッとした写真であることに変わりはありませんでした。
撮影者の技術的問題
これが最も疑われる原因ではありますが、同時に厄介な問題でもあります。
撮影者の技術的問題が原因だった場合、それを解決するには知識を高め、技術を身につけるしかありません。
そして、知識の欠落によりその時発生した事象が技術的問題なのかがわからないという負のスパイラル状態になります。
結論を申し上げますと、今回はこの自身の技術的問題によって引き起こされた問題でした。
まずは設定を見直す
今回ピントが合わなかった原因は、結果的にフォーカスモードの認識が間違っていたことから適切なモードで撮影できていなかったことが原因でした。
3つのフォーカスモード
![NIKON D300のフォーカスモード](https://mojital.net/wp-content/uploads/2018/10/P_20221018_144815_vHDR_Auto-1024x575.jpg)
NIKON D300には3つのフォーカスモードがあります。この違い、説明書を改めて読み直したことで、今更ながら知るに至りました。表示名はCANONやFUJIFILM、SONYなどのメーカーごとに異なる場合があります。
・AF-C(コンティニュアスAFサーボ)
動く被写体向けで、オートフォーカスは固定されず、常に被写体に合わせ続けます。
実際、AF-Cモードで撮影をしているとフォーカスエイドが点灯し続けることはほとんどありません。常に合わせては調整し、合わせては調整し、という感じで、特にオートフォーカスが迷いやすい被写体では細かく点滅する(プルプルと何度も細かく繰り返しフォーカスを調整する)感じです。
・AF-S(シングルAFサーボ)
静止物を撮影するのに適したモードです。一度フォーカスを合わせ、シャッターの半押し状態を維持するとフォーカスが固定され続けます。
・M(マニュアルフォーカス)
マニュアルでフォーカスを合わせるモード。目視とフォーカスエイドでピントを合わせます。半押ししてもフォーカスは作動しません。
常にAF-Cはダメ!
AF-Cを「常にピントが合う」という風に覚えてしまっていた私。つまりフォーカスモードはずっとAF-Cにしておけば良いんだよね!と思い込んでいました。
違います。AF-Cは「シャッターを半押ししている間、ピントを合わせ続ける機能」です。
この勘違いが元で常にAF-Cに設定していた私の写真はピントが甘いという状況に陥ったのです。
特に、ピントが迷いやすいような被写体では合焦機能が常にプルプルと動いている状態で、そのままシャッターを切ってもモヤッとしている、という状況でした。もちろんフォーカスエイドもピタっと点灯しません。ついては消え、ついては消え、という具合に細かく点滅します。
いつからかフォーカスエイドが点灯し続けることがなくなり、不思議には思っていたのですが、AF-Cにしていることが原因とはわかっていませんでした。
だから、動く被写体にはAF-C!動かない被写体にはAF-S!が正解です。
なお、最近ではAF-Aという、AF-CとAF-Sのハイブリッドフォーカスモードも存在しているようですが、D300にはAF-Aは搭載されていませんでした。
最後に
今回ピントが合わなかった原因は、フォーカスモードを勘違いしていたから発生したものでした。ちゃんと最初から取扱説明書を読めばよかったです。
コンデジ感覚で一眼レフを始め、ピントが甘い写真を量産し、それでも偶然に撮影された比較的きれいな写真を見ては「やっぱり一眼レフ良いなぁ」などと思いつつも、「でもピント合わせはスマホの方が簡単だよね」なんて思っていた私。
違う違う!そうじゃない!確かに静止物に対するスマホのピント合わせはお手軽かもしれませんが、芸術性の評価は別にして、一眼レフでピントがしっかり合った写真はスマホ写真と比べ物にならない程解像感が高いです。そして、ピント合わせの仕方(モード)を理解していないだけ、つまり技術が足りなかっただけでした。
一眼レフカメラでピントが甘いのに原因がわからない時は、フォーカスモードを確認しましょう!
フォーカスモードを理解し、被写体に応じたモードで撮影すれば、もっときれいな写真が撮れます。AF-CとAF-Sの使い分けを覚えましょう!
同じようなことで困っている方はぜひ確認してみて下さい!それでもダメならレンズの性能などを確認してみましょう。単にそのレンズがそういうレンズの可能性もあります。