【梅仕事2023】2023年の梅干しは思いのほかおいしくできました

ここ数年、梅干しづくりに挑戦をしているのですが、2023年の梅干しは思いのほかおいしくできたので、何をやったのかをここに書き記しておきます。

梅干しづくりでやったこと

台湾に引っ越してからと言うもの、デパートなどを除いて梅干しがスーパーに並んでいるのを見ることはなく、数年前から自分で梅干しを作り始めました。

梅干し自体もそうですが、梅酢を使った加工品も多くなく、例えば紅ショウガなんかもスーパーで売られているのを見たことはありません。梅酢さえあれば作れるのにといつも歯がゆい思いをしておりました。

なお、当然ではありますが梅酢が売られているのも見たことがありません。

梅の選定

2023年、3月下旬頃から市場に梅販売のトラックが並び始めました。まっさきに飛びつき、青々とした梅を購入しました。

3月下旬、つまり梅が出回り始めてすぐの梅だったので、青々としていて、完熟度としては非常に低いものでした。その一部を実験的に追熟させてもみましたが、シワシワになっていってしまいました。

台湾式えぐみ取り「殺青」

殺青と呼ばれるえぐみ取り(アク取り)にも挑戦してみました。

殺青をしたところ、一晩で黄色くなっていきました。

漬け込み

塩分濃度は18%としました。今までは20%で漬けていたのですが、18%でもそんなに変わらないだろうと考えました。

密閉できるチャック付きビニール袋で漬け始めたのですが、梅酢がかなり漏れてしまったので途中からガラス瓶と新調したバケツでの漬け込みに変更しました。

漬け込みには重しも使いましたが、特段重さは量りませんでした。3~4kgぐらいの梅に対して本を20cmぐらい積み上げました。

漬け込み期間は長めに2か月としました。

天日干し

家の中で天日干しできるところと言えばベランダぐらいなものですが、室内でもかなり直射日光が当たる場所があることに気が付き、2023年はベランダと新しく見つけた場所を利用して、これまでよりもしっかりと天日干ししました。

天日干しの日数は2~3日としました。

完成

天日干しが終わり、ガラス瓶で保管することにしました。天日干しが終わったばかりでまわりにたくさん塩が付いた状態の梅干しを食べてみたのですが、今までで最高のできでした。

2022年までの作り方と2023年の違い

毎年工夫をしてよりおいしい梅干しになるように努力していますが、2022年まではどうしてもえぐみ(苦味)が残っている梅干しとなっていました。特に2022年に作った梅干しは苦すぎて箸がまったく進まないレベルでした。

そこで、2023年は特に以下のことに注目して対策をしていました。

殺青でえぐみ対策

殺青は2023年が初体験でした。もともとは梅干しのためではなく、台湾で食べられる梅の加工品を作る際に行われていた作業ですが、梅干しにも応用できると考えました。

殺青を行った後は梅が黄色くなったので、えぐみの正体が青さなのであれば、一定の効果はあったのかもしれません。ただ、塩漬けを終えた段階の梅にはまだえぐみが残っていました。

漬け込み期間を長くする

毎年発生するえぐみは、梅干しを作ってからの年数が経過するにつれ、少しずつではありますが和らいでいくように感じられました。

そのため、塩漬けする期間を長くすれば今までよりもえぐみが取れるのではないかと考えて漬け込みの期間は一か月から二か月に長くしました。

よくよく考えてみると一カ月でもしっかりと漬かった梅干しは、内部に蓄えた塩分濃度が高くなっていると思われるので梅酢に浸かっていようと、漬かっていまいと、大差はなかったのかもしれません。実際に塩漬けを終えた段階の梅にはまだえぐみが残っていました。

しっかりと天日干しする

2023年の梅干し
2023年の梅干し

2022年までは天日干しをおろそかにしたり、室内で風に当てる程度だったりしましたが、2023年は日当たりの良い場所も確保でき、今までになく天日干しに力を入れました。

漬け込みを終えた段階の梅にえぐみが残っていたので天日干しでどこまでえぐみが取れるか半信半疑でしたが、二日間かけて可能な限り太陽に当てて乾燥させた梅干しは、えぐみもなく、今までで最もおいしい梅干しとなりました。

朝はベランダで3~4時間、午後からは室内の直射日光が当たる場所で4~5時間、そして夜はそのまま室内に放置し、翌朝ひっくり返して天日干しを継続し、二日目の夜を超えてから三日目の朝に天日干し終了としました。

白っぽくなった梅干し
白っぽくなった梅干し

上記のように天日干しした梅には、乾燥したことにより白い塩分のようなものが浮き出ていました。梅の種類や大きさ、熟し具合にもよると思いますが、今回の梅干しはここまでの状態になると、味としては食べられるものになっていました。

乾燥している分、果肉部分は小さくなっていくようにも感じましたが、えぐみで食べられないより、可食部が小さくなっても美味しく食べられる方が良いなと思いました。

最後に

2023年、思いのほか良い出来栄えの梅干しができた理由を考えたのですが、おそらく1つは台湾式あく抜きの殺青をしたことで、もう一つは例年よりもしっかり天日干しをしたことだと思っています。

2023年はかなり早い時期の、青々とした青梅を購入しました。そのため、殺青をしていなかった場合、干す前の段階で恐ろしいほどの苦味が感じられたはずですが、苦味は感じるものの、例年と同程度だったので、やはり殺青が効果を発揮していたのだと考えています。

また、天日干しを経た梅干しは、干し終わったばかりとは言え、苦味はほぼ消え、かなり良い出来となっていました。これは天日干しの効果が大きかったのだと考えています。

なお、一年前に作った梅干しは特に苦味がひどく、食べるのに苦戦していたのですが、しっかり干し直したところ味が激変し、食べやすい梅干しになりました。