シシトウをベランダで栽培した方法

シシトウと言えば日本の食卓を彩る野菜の一つとして日本ではかなりポピュラーではありますが、ここ台湾ではスーパーで見たことがありません。そもそもシシトウ含め、唐辛子類は種類も豊富で、国によって栽培される品種が異なることがあります。

シシトウとは

「シシトウ」とは「ししとうがらし」の略称で、漢字で書くと「獅子唐/獅子唐辛子」なのだそうです。唐辛子のような形ではありますが、辛味をほぼ感じないことが多く(たまに辛いのがある)、未熟果を食すことが多い野菜です。

学名は「Capsicum annuum var. grossum」とするケースと、「Capsicum annuum var. angulosum」とするケースが見受けられましたが、前者は辛味のない唐辛子類全般を言うようで、ピーマンも含めての学名のようです。実際、前者の名称でネット検索するとピーマンのような画像がたくさんヒットします。後者は画像検索をしても「シシトウ」に近いものが多く表示されます。

科で言うとナス科にあたります。シシトウはナス科の多年草です。多年草とは言っても、日本では一年草扱いなのだそうです。これは、冬の気温が生育適温を大きく下回るからではないかと思っています。

台湾では売られていないシシトウ

シシトウが食べたいなと思っても、台湾の一般のスーパーでは売られていません。市場でも売られているのを見たことはありません。

似た品種に糯米椒というのがありますが、たしかに糯米椒も辛くはないものの、見た目がものすごく辛そうで、シシトウとは違うものになります。

シシトウの種の入手

シシトウの苗が売られているのも見たことがありません。そこで、ネット通販を利用してシシトウの種を購入してみました。農友種苗という会社から糖果小甜椒という名前でシシトウのような野菜の種が販売されています。英語名はSweet Pepperと書かれています。写真を見る限りでは、シシトウか、それに近い品種だと思われます。Sweetなのできっと辛くはないか、辛いのがあっても一部かなと考えました。

シシトウの種

シシトウの種
シシトウの種

入手したシシトウの種は、他のトウガラシ類と瓜二つ。いや、むしろ唐二つ。私には種を見ただけでは区別ができません。

シシトウの種まき

購入したシシトウの種は土にそのまま蒔きました。シシトウは嫌光種子のため、深さ1cmぐらいの穴を開け、そこに種を入れて土をかぶせました。

シシトウの種まき時期は2月下旬にしました。すると、3月下旬には発芽しました。我が家の周辺の3月の平均気温は20℃前後です。

シシトウの発芽率

発芽した獅子唐辛子(ししとうがらし)
発芽した獅子唐辛子(ししとうがらし)

発芽率は驚くほど悪かったです。多分20%ぐらい。思うに、台湾ではあまりメジャーな野菜ではないため、売れ残っていたものを寄越したのではないかと。それでもいくつかは発芽したので、それを大切に育てています。

なお、いきなり土に蒔くよりも、湿らせたキッチンペーパーなどで包み、発根してから土に植えた方が発芽率、定着率が良かったです。

シシトウに付く害虫

我が家ではシシトウだけではなく、いわゆる唐辛子系にはアザミウマが発生し、新しい葉が変形していき生育不良となることが多いです。

一通り新しい葉のエキスを吸ったらどこか他へ行くのか、新しい葉の変形が止まったり、また変形したりを繰り返します。

色々と対策は試みていますが、決定打に欠けるというのが正直なところです。

それから、アオムシが発生したこともあります。ちょうちょって隙あらば卵を産む感じで、気が付いたらアオムシに葉が食害されていました。アオムシは見つけ次第捕殺します。

肥料

唐辛子類はかなりの肥料食いだと言われます。そのため、特に開花し始めてからは週に一回程度液肥を与えるようにしています。

収穫量

ベランダで実った獅子唐(ししとう)
ベランダで実った獅子唐(ししとう)

6月ごろ、ようやく1つ収穫できるぐらいのサイズになりました。

そこから順次収穫できるようになっていき、9月ごろには複数収穫できるようになりました。

辛いヤツ

今のところまだ辛いヤツには当たっていません。水やりを少なめにすると辛くなると聞いたことがありますが、真偽のほどはわかりません。外見からは見分けがつかないですよね。

植え付け

7月ごろ、大きめの鉢に植え付けました。

ただ、大きめの鉢に植え替えず、育苗ポットで育て続けていた予備の方が大きくなっていきました。熱湯消毒した土だったので、それがあまり良くなかったのかもしれません。

芽かき

芽かきは特段しませんでした。支柱は状況に応じて用意しましたが、二本仕立てにしてエックス字にしたりはしませんでした。

追肥

追肥は液肥を与えるようにしました。

水やり

シシトウの水やりは、土が乾いてから行っています。しかし、時折葉が萎びてくることがあり、そんな時は水切れが疑われるのですぐに水を与えるようにしています。

なお、水やりを少なめに、乾燥気味に育てると辛くなりやすいそうです。

最後に

はじめてのシシトウ栽培でしたが、他のトウガラシ類とそれほど違わない栽培方法でも、収穫をすることができました。

せっかくなので種も採って、翌年以降も連作に注意しながら栽培してみたいと考えています。