日本では生で食べられることも多い卵。しかし、世界を見渡すと生卵を食べる国はそんなに多くない、いや、むしろ少ないというか日本だけ?という感じでありますが、台湾の卵にも半熟のメニューがあるのでカルボナーラ作ってみました。
目次
台湾の卵は生で食べられる?
台湾の卵は生で食べられません。台湾で生卵を食べてはいけません。これが台湾に住む方の一般常識です。そもそも卵を生で食べるのは日本ぐらいではないかと思います。
台湾で生卵を食べてはいけない理由
台湾の卵はサルモネラ菌に感染している可能性が日本と比べて高く、感染した卵を食べると中毒症状を起こす可能性があるため、台湾の卵は食べてはいけません。
台湾の卵はサルモネラ菌感染率20%?!
とある台湾のデータでは、ある台湾の養鶏場の卵の20%が感染していたとのことです。感染率0.003%の日本と比較すると、台湾のこの養鶏場のサルモネラ菌感染率は約7000倍にあたります。
時代は変わりますし、以前よりも確実に管理は厳しくなっていると思われるので、すべてがそうだとは思いませんが、そういうケースも過去にはあったそうです。
サルモネラ菌に感染した卵を食べると中毒症状を起こします。その可能性が台湾は日本に比べると非常に高いです。
台湾でもすき焼きを提供するお店では生卵が提供されることがあります。ティラミスやカスタードクリームだってあります。それらも危険と言えば危険です。台湾では絶対に生で卵を食べてはいけません。
なお、台湾で卵は基本的に加熱して食べることが一般的で、サルモネラ菌は一定程度加熱することで死滅します。そのため、生卵の段階でサルモネラ菌に感染していても、加熱調理をすることで食べても問題ないレベルにできるようです。
2023年のサルモネラ菌集団感染
台湾では2023年にもバインミーのお店でサルモネラ菌の集団感染が発生しました。バインミーといえば日本でも流行の兆しが囁かれている人気のベトナムサンドイッチ。それが食中毒に!
なんでも、そのレストランは冷蔵庫の温度が十分ではなく、自家製マヨネーズを常温で提供していたのだとか。そもそもマヨネーズに使った卵がキレイではなかった可能性と、適切な温度管理がなされていなかったことが指摘されていました。
ティラミスやマヨネーズなど、生卵を加工して作る食品も安全とは言い切れないと栄養士は言います。
お店(つまりプロのはず)だから安心とか、有名企業だから安心とか、そういうのはもはや考えなくなりました。自分の身は自分で守る必要があります。
台湾の生卵の賞味期限
台湾における生卵は加熱調理を前提に販売されているものがほとんどのため、賞味期限も長いです。メーカーによって異なりますが、おおむね一か月前後のところが多いようです。
ただ、常温に置いておけばそれだけサルモネラ菌が繁殖しやすくなりますし、鮮度はどんどん落ちるでしょう。サルモネラ菌の繁殖を抑える意味ては、最低でも冷蔵庫に入れて、できるだけ早く、加熱をしたうえで食べるのが良いでしょう。
台湾におけるサルモネラ菌対策
台湾は2018年から卵の洗浄を法令で義務付け、2022年にサルモネラ菌ワクチンに認可を与えましたが、ワクチンは血清の型によって効果に差があり、さらにサルモネラ菌の検査には多額の費用がかかることから、長期にわたり継続することは困難だとしています。
統計では、台湾で流通する卵で洗浄がされているのは3~4割程度なのだとか。スーパーで売られるパックの卵には洗浄済みの記載があるものも多いです。
台湾では善玉菌を摂取させることでサルモネラ菌の数を減らす試みも行われているようです。
日本では生卵が食べられる理由
日本においては卵の生産過程において、母鶏が生まれる孵化器の段階から徹底してサルモネラ菌が繁殖しないように衛生管理をしているそうです。
清潔にするだけではなく、サルモネラ菌ワクチンを接種することで母鶏がサルモネラ菌を保有するリスク、内面(卵巣や卵管)からの感染を最小限に抑えています。
また、産み落とされた卵は次亜塩素酸ナトリウムが含まれた溶液で洗浄され、外殻からの感染も防いでいます。
それでもサルモネラ菌に感染していることはあるのだそうです。確率で言えば、0.003%ぐらいなのだとか。
日本のスーパーの卵が常温保存の理由
サルモネラ菌に感染した卵が産まれ、常温下で保管した場合、サルモネラ菌の繁殖が促されてしまい危険な状態となりますが、ご存じの通り日本ではスーパーでも卵は常温で陳列されています。スーパーにたどり着く前に徹底してサルモネラ菌の対策を行っているから常温による陳列ができるのですね。
なお、サルモネラ菌の繁殖を抑えるという意味において、やはり冷蔵庫による保管は常温保管よりも優れているのだそうです。
日本でも危険なケースがある
生卵を食すことが一般的な日本においても生卵を食べない方が良いケースはあります。それは、どのような生産工程を経たかわからないような卵です。
例えば自分で飼っている鶏が生んだ卵を生で食べるなどは言語道断。サルモネラ菌の対策を一切していないなら絶対に生食してはいけません。
業者であっても生食することを前提とした管理をしていないこともあり、その場合はやはり生食は避けたいです。
台湾で卵の生食は絶賛研究開発中
台湾でも日本のように卵を生で食べられるよう、日本企業と提携して研究開発を進めている企業が2社あります。
食品企業「大成」 生食可能と謳う生卵「上品語り」を発売
サルモネラ菌の対策が非常に困難だった台湾ですが、2023年10月に大成という名前の企業が生で食べられると謳った生卵「上品語り」を発売しました。なんでも日本の昭和産業と提携して進められていた事業だそうです。
セブンイレブンの予約購入にも近いうちに対応するようです。
大武山牧場はイセ食品と協業で生食できる卵を研究開発中
台湾の大武山牧場という企業は日本のイセ食品と提携し、生で食べられる卵を2024年にリリースすべく研究開発を進めているそうです。
最後に
台湾でも生で食べられると謳う卵が発売され、今後、台湾においても卵の生食はより安全になっていくのかもしれません。