スーパーで売られていた里芋のようなタロイモを買ってきて食べてみた

日本の食卓に並ぶことの多い里芋を台湾のスーパーで見ることはほとんどありませんが、農協のスーパーで似たものが売られていたので買って帰ったら別の芋「タロイモ」だった話です。

里芋はタロイモ

台湾タロイモのキヌカツギ風
台湾タロイモのキヌカツギ風

里芋はサトイモ科サトイモ属に属する野菜の一つで、日本では煮物にしたり蒸してキヌカツギにしたりして食べられることが多い野菜です。

英語ではTaroと呼ばれることもあるサトイモが属するサトイモ属は、世界に様々な品種があり、日本の里芋に似た強い粘りのあるタイプもあれば、紫色が強く、ホクホクとした食感の物もあります。

カタカナでタロイモと言う場合には、粘りのあるタイプではなく、紫色が強く出ている後者を言うことが多いようです。ですが、広義には強い粘りのあるタイプの前者もタロイモに含まれるそうです。

里芋とタロイモの見分け方

台湾のタロイモの子芋
台湾のタロイモの子芋

日本の里芋と海外のタロイモは、外観が非常に似ていることもあり、見分けることが困難です。

とはいえやはり違いはあり、タロイモは外皮に黒いぶつぶつがあることが多いです。

台湾のタロイモの断面
台湾のタロイモの断面

そしてカットすると切断面にタロイモは紫色の繊維が見て取れます。日本の里芋はほぼ真っ白ではないかと思います。

おせちに入れたい里芋

おせちに煮里芋を入れたいと数年前から考えているのですが、売られていないものは仕方がないとあきらめていました。

ところが去年の秋に農協のスーパーで売られていたのです。早速買って帰ってキヌカツギにして食べてみたところ、まぎれもなく里芋でした。

以来、チャンスがあったら購入してベランダで増やしてみようとチャンスをうかがっていました。

台湾のタロイモ

台湾にもタロイモはあります。鍋料理に入れたりタロイモスイーツに加工したりして庶民に楽しまれています。

タロイモの特徴

日本のような強い粘りの里芋は多くありません。一般のスーパーで売られているところを見たことは無く、あるとすれば農協の産直野菜コーナーに時々出てくる程度でしょうか。

台湾のタロイモの多くは檳榔心芋と呼ばれるタイプ。そのうち、水田で作られるものを水芋(沖縄などの水芋/タイモとは異なる)、水を貯めない一般の田畑で作られるものを旱芋(山芋と呼ぶこともあるとか)と呼んで分けています。旱芋の方が澱粉を強く感じる食感なのだとか。なお、ヤマイモは台湾では山藥(山薬)と書かれ、区別されます。

水芋は鍋料理に入れるのにもスイーツを作るのにも適する一方、旱芋は崩れやすいので鍋料理には向かないのだそうです。なお、甲仙という地域はタロイモの栽培で有名で、甲仙檳榔心芋と呼ばれることもあります。

里芋は原住民の方が栽培

聞けば、原住民の方などは日本の里芋に近い品種のタロイモを育てていることがあるのだとか。事実、ネット通販を覗くと赤芽芋という名称でセレベスや赤芽大吉のようなイモが売られていることが確認できます。

原住民の方が栽培している日本の里芋に似たタロイモは小山芋と呼ばれるのだそうです。芋仔子、抱子芋、赤牙芋、狗蹄芋などと呼ばれることもあるそうです。

今回私が購入したものは「芋仔」と書かれていたように思います。台湾では正式名称のほかに通称みたいなものがあることが多く、商品名がそれっぽくても中身が思っていたものと違うということがよくあります。残念ながらそのスーパーにおける「芋仔」は里芋のことではなく、タロイモの小さいものを指していたようです。

最近買ってきたタロイモ

最近もスーパーに出てきた子芋たち。里芋と勘違いして購入してきました。切り口を見ると紫色の繊維が見えます。これはタロイモの特徴。

いや、でも、もしかしたら里芋にもそういう品種があるかもと一縷の望みをかけて購入し、キヌカツギ風にして食べてみたのですが、もう皮を剥いたときから紫色で、見るからに台湾のタロイモでした。もちろん味もタロイモ。

芋圓(ユーエン)にしてしまう

台湾のタロイモで自作した芋圓(ユーエン)
台湾のタロイモで自作した芋圓(ユーエン)

タロイモをそのまま食べることが好きな方もいるのですが、キヌカツギ風に作ってはみたものの、想像通りの味というか、里芋とは違う味だったので、今回は台湾名物の芋圓に作り替えて食べました

芋圓は台湾観光で食べたことがある方も多いと思いますが、タロイモから作られる加工品の一つで、黒糖シロップなどと一緒に食べられる台湾を代表するグルメの一つです。

これが思いのほか美味しくて、またリピートしたいと思えるほどでした。自分で作ったこともあり、かなりバイアスがかかっているとは思いますが。

芋圓にはタロイモを使ったものの他、サツマイモを使ったものもあります。タロイモを使ったものは薄紫色で、サツマイモを使ったものはサツマイモの色に応じて黄色や濃い紫色をしています。

台湾ではタロイモを芋圓だけでなく、焼き菓子にしたりもします。今回は手軽な芋圓を作ってみましたが、いつかまた違うスイーツにも挑戦してみたいなと思っています。

タロイモをベランダで育てる

ベランダで発芽したタロイモ
ベランダで発芽したタロイモ

この時に購入したタロイモの2つを残しておき、土に埋めておいたところ発芽しました。ベランダでタロイモの栽培にも挑戦しています。

最後に

そもそも里芋が欲しくて買い間違ったのですが、結果的に自作の芋圓は非常に美味しいということがわかり、良かったなと思っています。

またタロイモ買ってきてスイーツ作りたいなと思いました。