カブトムシ?サイカブト?クワガタ?いや、その幼虫コガネムシでは?カナブンではない模様

先日、ベランダにある土の中から1匹の幼虫が現れました。見た目だけならカブトムシなどのそれと非常に似ています。以前、サイカブト(タイワンカブトムシ:椰子犀角金龜)が土に潜っているのを見ていたので、それの幼虫では?と思ったのですが、素人に判別はかなり難しく。

ネットで調べてもいまいちわからなかったので、サイカブトなのかそうではないのか、今まで調べたことをまとめてみたいと思います。同じように困っている方の一助になれば幸いです。

見た目がほぼ一緒の幼虫

カブトムシもクワガタもコガネムシも、さらに言えばカナブンも幼虫の見た目が非常に似ています。だから幼虫を見つけたときはワクワクもしますが、もしもそれがコガネムシやカナブンだったらどうしよう、という不安にもかられるのです。

私の場合、今回見つけたのがサイカブトなのかコガネムシなのか、そこに焦点を当てて調査してきました。

前提

サイカブトは名前に「カブト」とは付いていますが、どちらかというとコガネムシ寄りのようです。そもそも一般のカブトムシも、サイカブト(タイワンカブトムシ)もコガネムシ科の昆虫。つまり、科目でいえば同じ昆虫です。

しかし、カブトが付くという共通点はあるものの、幼虫の見た目が全く同じというわけでもないようです。ですので、カブトムシの特徴をそのままサイカブトの特徴とするのは時期尚早と考えて調査していきました。

幼虫の見分け方

さて、ここまで自分で調べてきた結果をまとめていきたいと思います。

1.固い地面を歩かせる

判別方法の1つ目は「固い地面を歩かせる」ことです。土のように掘り進める場所ではなく、アスファルトやベランダならタイルの上などを歩かせてみます。

この時、カナブンだけは背中をくねくねさせながら進んでいくのだそうです。蛇かナメクジかのような感じ?

さらに、正面を向いて(つまり足を地面につけて)、背筋を伸ばし、芋虫のように器用に歩き始めたなら、それはコガネムシだそうです。カブトムシは「C」の形に体が曲がっていて、自分の足で芋虫のように歩くことはできないのだそうです。(クワガタはわかりませんでした。)

この調査方法でわかりやすいのはカナブンです。カナブンの同定にはこれが良いと思います。

2.おしりの割れ方が違う

カブトムシ、クワガタ、コガネムシ、カナブンの中で、クワガタだけはおしりが縦に割れているのだそうです。

クワガタを見分ける場合、これが確実そうです。

3.毛を見る

幼虫をよく見ると毛におおわれていることがあります。カブトムシはそれほど毛深くないのだそうです。ただ、毛が全くないのではなく、小さな白い毛でおおわれているようです。とはいえ、ネットで見る限り、私にはカブトムシも茶色い毛が生えているように見えました。これはもしかしたらカブトムシの種類にもよるのかもしれません。

コガネムシは毛が多いという説と、毛がないという説が散見されました。

台湾のサイカブトも毛はカブトムシより多いそうです。ただ、素人にはそれが多いのか少ないのかの判断が難しいです。

実際、ネットでカブトムシの幼虫と言われる写真を見ましたが、私には毛がたくさん生えているように見えました。

毛の量だけで同定するのは素人には難しそうです。

4.頭の色

カブトムシはこげ茶色で、ほかは明るい茶色だそうです。ただ、台湾のサイカブトは頭が薄茶色なのだそうです。

つまり、頭の色で同定できそうなのは一般のカブトムシのみ。一般のカブトムシの頭は濃い色。

5.顔の大きさ

カナブンは他と違い、顔が体に陥没しているような形で、他と比べれば顔が小さく見えるのだとか。

背中で這って、顔が陥没しているならカナブンで間違いなさそうです。

6.発見場所

畑で発見されるのはコガネムシかカナブンが多く、森などの朽ち木で発見されるのがカブトムシやクワガタなのだそうです。

今回私はベランダで発見したので、前者の可能性が高いです。実際、詳しい方に聞いた時も、ベランダにいたならコガネムシだろうと言われました。

ただこれ、絶対ではないようにも思います。カブトムシが誤ってベランダの木のそばに産卵してしまったケースも0ではないのではと思います。

7.成長スケジュール

カブトムシの大まかなスケジュールは以下のようになるようです。

  • 7~8月:産卵
  • 8~9月:孵化
  • 8~10月:1令期 ※体調4~10mm、頭幅2mm
  • 9~10月:2令期(脱皮1後(孵化から1~2週間)) ※体長2~3cm、頭幅5mm
  • 10~翌5月:3令期(脱皮2後(脱皮1から3~4週間)) ※体長4~11cm、頭幅8mm以上
  • 5~6月:蛹化(脱皮3後)
  • 6~7月:羽化

カブトムシが成虫になるのは翌年の6月以降ということなのですが、サイカブトは3令になってから早いと2か月程度で蛹化するようです。そのため、台湾においては成虫を年中見ることができるそうです。

幼虫の大きさからわかることもあるかと思ったのですが、今は10月で、あの幼虫は4cm程度。これだけでは判断ができなそうです。

問題はサイカブトなのかコガネムシなのか

大きくなってしまえばカブトムシも見分けがつくのでしょうが、小さいうちにカブトムシかコガネムシかを判断するのはそう簡単ではなさそうです。

我が家に現れた幼虫の特徴をまとめると以下のようになります。

  • 固い地面を背中で這うことはない。
  • おしりは横に割れている(素人にはそのように見える)
  • よく見ると茶色い体毛がたくさん生えている
  • 頭の色は明るい茶色
  • 顔は陥没しておらず、比較的大きい
  • 発見場所はベランダ
  • 10月で4cm程度の大きさ

これらの特徴から、カナブンじゃない、カブトムシじゃない、クワガタでもない、ということまでは確定で良いように思います。問題はサイカブトなのかコガネムシなのか。

ネットで何度も見比べるのですが、まったくわかりません。

サイカブトは害虫

サイカブトは台湾ではヤシの害虫なのだそうです。そのため、歓迎されるような虫ではないようです。見ている分には可愛いのですが。

日本でもサイカブトは害虫扱いのようで、例えば羽化させたとしても、野に放つのはよくないとのことでした。

最後に

色々調べた結果、サイカブトかコガネムシで間違いなさそうです。ただ、いずれの場合も害虫扱いなので育てるのはやめた方がよさそうです。