昔食べていたようなみそ汁が作りたいのですが、なかなか思い通りの味噌が見つからず、結局自作することにしました。
初めての味噌づくりにしては上手にできたので、よくあるカビ発生をどのように防いだのかなど、ここに書き記しておきます。
目次
初めての味噌づくりは無事に成功!
数年前から味噌づくりに挑戦したくて、2024年2月にようやく挑戦する機会を得たので早速挑戦し、この度無事に成功しました!
聞けば味噌づくりはカビてしまうことが多いとのことだったのですが、今回はカビがほとんど生えることなく味噌を作ることができました。
味噌を作りたかったのは好きな味噌が見つけられなかったから
台湾に住んでいるため日本で食べ慣れた味噌を買うのは簡単ではありません。かといって一般のスーパーで売られている味噌で気に入る味の物をいまだ見つけられておらず、どうしたものかと悩んだ末の味噌づくりでした。
台湾で日本の物が全く売られていないということではなく、輸入品が売られていることもあります。しかし、どうも味が食べ慣れていた味と違うんです。
味が違うのは発酵を止めているから?
以前、九州の味噌販売業者の方と話す機会があり、台湾で売られている味噌の味が日本の物と違うのは、日本から輸入する際に発酵を止めるからなのだと説明されたことがあります。
実際発酵を止めるというのがどういう作業を指すのかはわからないのですが、それが味の違いに現れるのだそうです。
なお、日本からの輸入品がそうだとしても、台湾製造の味噌の味が日本と大きく違う理由はいまだにわかっておりません。
もう作っちゃえばいいのでは?ということで味噌づくりしました。
味噌づくりの作業はシンプル
材料の用意も、作業自体もそんなに難しいことはありません。注意したことは雑菌が入らないようにしたことぐらいです。
材料 3つのみ
- 乾燥大豆 300g
- 米麹 300g
- 塩 150g
作り方 難しいことはない
- 大豆を洗ってから15時間水で戻す
- 3時間茹でる。吹きこぼれそうになったら都度泡を取る。水が減ったら足す。
- 茹でた大豆をビニールに入れて潰す
- 米麹と塩135gを混ぜ、さらに潰した大豆も混ぜる
- 混ぜ合わせたものをおにぎりサイズのボールにしてジップロックに半分詰める
- 残り半分に残りの塩15gを混ぜ、さっきと同様にジップロックに詰める
- ジップロックについた汚れを拭き取り、二重にして冷暗所に置く
- 三ヶ月発酵させたら完成
使用する道具類はすべて消毒した方が良いです。煮沸消毒できるものは煮沸消毒、できないものは酒で拭くなどして消毒します。
私は発酵させるためのジップロックも料理酒を染み込ませたキッチンペーパーで肌に触れないように拭きました。雑菌の繁殖に注意しながら作業します。
半分ずつ塩加減を変えたのは、後半部分にできるだけ多くの塩を入れたかったからです。完成したら混ぜ合わせることを想定し、できれば空気に触れる可能性が高い後半部分に塩を多めに入れることにしました。
ただ、結局ジップロック内で空気に触れる部分は必ずしも後半部分だけではなく、思惑は外れてしまった感じでした。バケツなどの容器で漬け込む場合には良いかもしれません。
ジップロックを使用すると非常に手軽でカビも防げる
今回は量があまり多くなかったことと、発酵させるのに適した容器がなかったことからジップロックを使って味噌を発酵させました。
容器を買っても良かったのですが、今後何回も味噌を作るかはまだわからず、もしも作らなかったら容器が無駄になってしまうと考え、新しく容器を買うのはやめました。
味噌づくりでジップロックを使ったらすごく簡単に味噌が作れました。
塩で取り囲みながら発酵させる
発酵前まで作業が終わったものを冷暗所に置いたら、その周りに未開封の塩パック置いておきました。これはたまたま家にたくさん塩があったからやってみたのですが、もしかしたらそれもカビ発生抑制に一役買っていたのかもしれません。重しの代わりと考えていました。
少しだけ発生した黒いカビ
ほぼカビなかったと書いたように、全くカビなかったわけではなく、一部に黒い点が見て取れました。
発酵の過程で白っぽくなったところもありましたが最終的にそれらは消失し、黒い点だけが残りました。
この黒い点の部位は周り1~2cmぐらいを含めてスプーンで取り去って、残りの部分を食すことにしました。
本当に一部だけだったので、ほぼカビなかったと判断しています。時期や作り方、環境などによってもカビの量は異なると思います。
完成した味噌は最高の味
季節によって、また好みによって発酵期間は異なります。今回は2月に仕込み、5月に完成としました。3カ月です。
3カ月、待ちに待った味噌は、当然のことながら特別な味がします。手前味噌はなぜか美味しく感じるのです。市販のどんな味噌よりも美味しく感じます。
これは手仕事マジックと言うもので、第三者に聞けば評価は当然異なるのですが、自分で作ったという物語が味覚にも影響しているのでしょう。
実際高級レストランではその料理がどのような食材を使っているか、その食材がどのようなものであるかなどが説明されたりするそうです。それを聞いてから食べる料理と、何も知らずに食べる料理では味が異なるのでしょう。味覚とは本当に不思議なものです。
麹の米が気になる
今回米麹を使って手作り味噌を作りましたが、完成した味噌には米粒や大豆の粒が残っていました。今まで食べてきたみそ汁は米粒を感じないものが多かったので、自作の手作り味噌で作ったみそ汁はどうしても米粒や大豆の粒が気になりました。
このみそ汁に残る米粒や大豆の粒が気になるという方も多いのではないかと思いますが、それらを取るために味噌漉しがあります。味噌漉しを使ってみそ汁を作れば米粒などの塊がかなり少ないみそ汁を作ることができます。
米粒や大豆の粒が気にならない方はそのまま食べれば良いと思います。私も最初は気になったものの、それはそれで味があっておいしいと感じるようになりました。具の一つと考えれば邪魔とも思いません。
すり味噌とこし味噌
米麹で作った味噌には米粒が残っています。この米粒はみそ汁を作る際に味噌漉しを使って濾せば良いのですが、毎回では面倒という方も多いはず。
世の中にはすり味噌とかこし味噌と呼ばれるものがあり、それらは米粒をすり下ろしたりこしたりして舌触りを良くした状態の味噌なのだとか。そういえばスーパーで売られている味噌で米粒が気になるものは買ったことがありませんでした。
自分で味噌を作った場合、この米粒は残っています。麦麹を使用した場合は麦粒が残っていることでしょう。
フードプロセッサーがあればこの米粒や麦粒を細かくすることも可能なようですが、あいにく我が家にそれに適したフードプロセッサーはなく、そのままの状態にしています。
最後に
今回3カ月かけて味噌を作ってみて思ったのは、味噌づくりはすごく楽しいということ。カビが心配ではありますが、出来上がった味噌の味は格別で、この味噌をまた食べるためならどんなに時間がかかってもまた作りたいと思いました。