台湾風の干し大根「菜脯(蘿蔔乾)」作ろうと思ったのに全然太陽が出てきてくれなくて結局カビた話

以前、たくあんを作ろうと思い大根をベランダで干したことがあったのですが、その時はカビてしまって失敗に終わりました。今回は台湾風の干し大根に挑戦したのですが、またしてもカビてしまいました。

台湾風の干し大根は菜脯(蘿蔔乾)と書く

台湾も日本同様に様々なお漬物が存在するのですが、大根がその素材として使われることも多いです。そして、おそらく台湾で最もポピュラーな大根の漬物は「菜脯」です。「蘿蔔乾(干し大根の意)」で呼ばれることも多いです。庶民的なお弁当屋さんならほぼ間違いなくこの菜脯(蘿蔔乾)がお弁当に添えられています。

日本の干し大根「たくあん」と台湾の菜脯(蘿蔔乾)は別物

日本で干し大根と言えば「たくあん」がありますが、日本のたくあんと台湾の菜脯(蘿蔔乾)は作り方が異なります。当然味も異なります。

以前、たくあん作りはカビの発生により失敗しました。

たくあん作りはカビに注意しながら天日干し

日本でも大根は干しているときにカビることがあります。乾燥している冬ならカビる確率を下げることができるという話もありますが、ここ台湾は冬でも湿度が高く、たとえば本記事執筆時前後は連日80%~100%程度の湿度となっています。そのため、冬でもカビには注意しなければなりません

我が家のベランダは日光が当たる時間が非常に短いので、干すことはできますが、ほとんどの時間が天日干しとはなりません。そのため、その限られた時間だけで干すのは無理があるように感じます。せめて快晴の日が数日続くようなタイミングに干すことができれば良いのですが、台湾の中でも我が家のベランダは大根を干すのには不向きだと言えます。大根を干すならしっかり天日干しできる場所が良いです。

色々調べたのですが、日本と同じような大根の干し方を台湾でもしているという情報は1つも見つけられませんでした。それはつまり、我が家に限らず、台湾では日本のような方法は不向きということなのかもしれません。そこで台湾風の干し方に挑戦してみました。

台湾の干し大根「菜脯(蘿蔔乾)」を作る

菜脯づくり
菜脯づくり

台湾の干し大根「菜脯(蘿蔔乾)」は、塩と天日干しのダブルの効果で大根から水分を抜いて、長期間保存できるようにした漬物、保存食です。何年も前に作られた菜脯(蘿蔔乾)が食べられることもあるようです。まるで日本の梅干しみたいな扱いです。

菜脯(蘿蔔乾)の作り方

菜脯(蘿蔔乾)は、昼間は天日で、夜は塩で水分を抜いて、カラッカラの状態になるまで乾かしたものです。

菜脯(蘿蔔乾)の材料

  • 大根 お好み
  • 塩 大根の重量に対して1%×3日分(合計3%)

菜脯(蘿蔔乾)の作り方

大根を干している様子
大根を干している様子

今回は挑戦したタイミングが悪かったらしく、曇りか雨ばかりでした。最終的に失敗したのですが、色々と工夫した内容も含めて何をしたかを以下に記します。また、大根丸々一本を干す方法と、細く切り分けてから干す方法があるようなのですが、今回は大根を切らず、大根丸々×2本で挑戦しました。

まずは前段の作業として以下の手順を実行しました。結果は失敗だったのでご注意ください。

  1. 朝、よく洗った大根をザルなどに乗せて天日干し。
  2. 夕方、室内に取り込む。大根の重量の1%程度の塩を皮がこすれるぐらい強く揉み込み、そのままジップロックに入れて重石を乗せて一晩放置。
  3. 翌朝、出てきた水を捨て、再度天日干しする。

天日干しと書いていますが、実際はほとんど晴れませんでした。太陽が出ているのは朝1~2時間ぐらいでしょうか。とはいえ、上記の作業1~3を3日間繰り返したところ、一応は水が抜けていき、夜に塩漬けしても出る水の量が減っていきました。おそらくほとんどは塩の効果による脱水です。そして、後段の作業に移りました。

  1. 朝、大根をザルなどに乗せて天日干し。
  2. 夕方、室内の取り込み、冷蔵庫でラップなどをせずにそのまま一晩放置。

過去に大根をカビさせた私としては非常に心配で、夜は室内の乾燥している冷蔵庫の中に入れてさらに乾燥を促しました。なお、冷蔵庫に入れると冷蔵庫全体が大根臭に包まれるので要注意です。ドアを開閉するたびに大根の香りが漂います。

後段になってからは雨の日もあり、雲が厚い日は一日冷蔵庫に放置したままにしました。そして太陽が出てきたらベランダに干す、の繰り返しだったのですが、実際に太陽が出た日はほとんどありませんでした。

菜脯(蘿蔔乾) が完成するまでは2週間かかる

少しずつ水分が抜ける大根
少しずつ水分が抜ける大根

上手に太陽に干すことと夜間の水抜きが成功すると、2週間ぐらいで菜脯(蘿蔔乾)は完成するそうです。しかし、晴れの日が続かずに天日干しができない日が続くともっと長い間世話をすることになります。

そして我が家の菜脯(蘿蔔乾)は冷蔵庫から出せないまま約2週間でカビました。

カビた大根
カビた大根

たくあんに応用できないか?

今回も大根を乾燥させる段階でカビが生えて失敗となりましたが、この菜脯(蘿蔔乾)の作り方をたくあんに応用できないかなと考えています。たくあんは干した後の大根を塩と米糠、場合によってはミカンや柿の皮なども入れて発酵させた漬物で、例えば漬け込む作業を先にして、三日ぐらい快晴が続きそうなタイミングで取り出して天日干しする、というような方法を考えています。いつかやってみたいです。

最後に

菜脯(蘿蔔乾)づくりも結局太陽が出ていないと難しく、まだまだ課題だらけでした。