栗を発芽させてベランダで育てる方法

秋の味覚の一つである栗を発芽させて、ベランダで育ててみたいと思い、栗を買ってきては挑戦を繰り返しています。そしてついに発芽に成功したのでこれまでのことを書き記しておきます。

栗の木

秋になるとスーパーなどに並ぶ栗。ここ台湾でも秋になると栗が並び始め、2月になってもまだ栗がスーパーに並んでおります。

街中で栗の木を見ることは皆無。そもそも台湾に栗の木が生えているかは知りませんでした。

手に入れた栗の種類

日本国内だけを見ても栗はいろんな種類があります。今回手に入れたものがどの品種なのかはわかりませんが、台湾で購入したものなので台湾系の品種なのではないかと思ったのですが、もしかしたら中国などからの輸入品だったのかもしれません。

というのも、一般的に台湾で出回る栗は中国の物が多いからです。ネットで販売されている栗の産地もほとんどが中国大陸。今回私が入手した栗ももしかしたら中国のものだったのかもしれません。

台湾の栗の産地

台湾で全く栗を生産していないということではありません。台湾でも生産しています。

嘉義県、阿里山のふもとなどで、100年前に日本から持ち込んだという板栗の栽培をしています。他の地域でも試しているそうなのですが、なにぶん収穫まで8~0年かかるので途中で止めてしまう方もいるのだとか。

栗はしっかり収穫できるようになるまで8~9年かかるのですね。あれ?桃栗三年という言葉もあったように思いますが。上記の8~9年は商業用に適した量が収穫できるようになるまでという解釈をしております。

なお、上記阿里山のふもとで生産される板栗は黄金板栗としてネットで販売されているそうです。

私が購入した栗は地元のスーパーで売られていたもので、黄金などとは書かれていなかったのでおそらく中国から輸入した栗だと思われます。

栗を発芽させる方法

今までも栗を発芽させるために土に埋めたりなどをしたことがあったのですが、その時は一向に発芽しませんでした。

今回、低温処理をしたところ、処理中に発根して、発根したものを土に埋めました。そして無事に芽を出し、3月には葉が広がってきました。そこまでの過程を記録します。

栗の種

栗の構造って不思議で、通常、栗はウニのようなトゲトゲの外殻「イガ」に包まれていて、そのイガを取り除いた状態の、茶色い薄っすら光沢のある部分から芽が出ます。イガもできることから、どこまでが種と言えるのかはよくわかりません。

料理などでは茶色くて固い殻を剥いて、中の柔らかいところを食べますが、今回は茶色くて固い殻は剥かず、そのまま以下の処理をしていきました。

休眠打破が必要

ある程度の寒さに触れることで休眠状態を打破し、そこから春の暖かさを感じて発芽するという植物があります。栗もその仲間です。そのため、休眠打破をするために低温処理が必要になります。

低温処理が必要

栗というのは温帯の植物らしいのですが、なぜか寒い地域で育てられている印象があります。それは落葉樹だからかもしれません。

栗の発芽温度は思いの他低く、おそらくここ台湾で何もせずに発芽に至ることはほとんどないのではないかと思われます。冬に少なくとも10℃前後以下にキープできなかればいけないようです。つまり、休眠打破のために低温処理をする必要があります。

この低温による休眠打破が必要か必要ないかは落葉樹か常緑樹かで判断しております。栗は落葉樹。休眠打破のため低温処理として湿らせた状態で冷蔵庫に入れておきました。

具体的には栗を一晩水に浸けて置き、翌日、湿らせたキッチンペーパーで包み、それをさらに密閉ビニール袋に入れて冷蔵庫に入れました。

低温処理の期間の目安はおおよそ3か月。例えば梅やアメリカンチェリーは3か月も経つと冷蔵庫の中で発芽することがあります。

3~4か月で発根(冷蔵庫の中)

栗の発芽温度は10℃前後。冷蔵庫に入れているだけで発芽する可能性があります。もともと3か月ぐらいで一度様子を見て、もしも変化がなければさらに1か月単位で最長半年ぐらいまで低温処理を延長しようかと思っていましたが、3か月~4か月程度で無事に発根しました。

発芽率は試した3個のうち2個が発根したのでおおよそ66%。栗の発芽率は66%でした。

以前失敗したことがあり、その経験からもしかしたら半年ぐらいかかるかなと思っていたので、3~4か月でもむしろ早いと感じました。

土に植え付け

発根した栗は土に植え付けてベランダに設置しました。春に向けて大きく生長していってほしいのですが、まだこの段階では根が出ただけで芽が出てきていなかったので、芽が出てくるまでは安心できませんでした。

3月に発芽

発芽して間もない栗の苗
発芽して間もない栗の苗

3月になり、ようやく芽を出した栗の木。そこからの生長はかなり早く感じます。この様子だと、無事に育ってくれそうです。

最後に

桃栗三年という言葉があるように、栗は実生で種から育てることもあるのだろうとは思うのですが、今まで栗から発芽したことがなくて、今回やっと発芽を確認できたことは自分にとって大きな喜びでした。

今後どのように成長するのかはわかりませんが、楽しみながら育てていきたいと思っています。