あ、このサツマイモおいしいな!売られているサツマイモは数あれど、本当においしいと感じられるサツマイモは一握りだったりします。そんなサツマイモがいつでも食べられたらいいなとは思いますが、なかなかそうもいきません。そういうサツマイモは滅多に売られていないからです。滅多に売られていないならベランダで育てて、年中食べられるようにすればいいじゃないか!そんな考えから始めた無限サツマイモ栽培のお話。
目次
台湾で見るサツマイモ
サツマイモは種類が豊富で、皮の色も紫か薄茶色、中の色も紫か黄色、オレンジなどに分かれますし、細かな品種わけで言うとかなりの数の品種が存在します。
その中でも台湾でよく売られているのは中まで紫の「紫心地瓜」や、日本のサツマイモによく似た見た目の「栗子地瓜」、あとは私がベランダでも育てている「台農57号」です。それから、時々売られているのが「金時」です。私が好きなのは金時芋。これが滅多に売られていないのです。
金時芋を無限増殖させたい
2021年にも金時芋は栽培していました。しかし、思うような収量は得られず、残念な結果に。そして2022年になり、いろいろ考えたのですが、やはりスーパーなどで滅多に売られていない以上、自分で作るしかないと。
サツマイモの収穫時期
そもそもサツマイモの収穫時期というのは秋。秋の芋ほりは誰しも経験があるのではないかと思いますが、子供だけでなく大人も大盛り上がりの一大イベント。味の良し悪しはさておき、芋ほり体験におけるハイライトシーンと言えば、巨大な芋が土から出てきたとき。何キロもある芋が出てくると大盛り上がり間違いなし!
ベランダで1つ何キロもあるようなサツマイモが採れるとは思いませんが、芋ほり体験、そしておいしい金時芋を食すことが出来たらいいなと、2022年も栽培を開始しました。
サツマイモはなぜ秋収穫なのか
サツマイモの収穫は一般的に植え付けから120日~150日後が目安になると言いますが、さらにそれまでの積算温度、気温の累計が目安になるのだそうで、それは2200~3000℃なんだとか。極端なことを言えば、毎日の平均気温が22℃だったら100日で2200℃となります。これを実現させるには冬の低温では遅すぎるため、結局春に植え付けて秋に収穫となるようです。日照時間も関係ないわけではなく、1日に11~12時間が最適なのだそうです。夏は良いですが、冬は冬至前後の日照時間が10時間を切ります。ベランダなどではさらに短くなります。あまり日照時間が短くなると芋の成長にも影響があるようです。
つまるところ、積算気温および日照時間の関係から、冬の環境下ではサツマイモが育つのに必要な条件を十分に満たせない可能性があるということのようです。
年中売られている台湾のサツマイモ
じゃあ私の住む台湾ではどうなのかというと、冬でも10℃を下回ることは稀で、冬でも平均気温は15℃以上。室内ならもっと気温が高く、冬でもサツマイモは芽が出てきます。日照時間は日本とそれほど変わらないのではないかと思います。冬になれば夏より日照時間が短くなります。
それなのにスーパーの野菜コーナーには年中サツマイモが売られています。また、台農57号という品種は年中栽培ができるという話も聞きます。品種によっても適性は異なるようですが、少なくとも年中栽培できる品種はありそうです。
いざ、金時芋の栽培
さて、金時芋は年中栽培に向くのでしょうか。冬でも暖かい台湾なら何とかなるような気がしないでもありませんが、実際のところ、12月に芽出しし、つるを得るために育てていた金時芋は、1月や2月に成長スピードが著しく鈍化しました。一方、台農57号はおもしろいように成長していきました。
冬でも地温を暖かく保つための工夫にマルチがあります。マルチは地温の維持、雑草の予防、保湿などの目的で使用される黒いビニールの事です。もしかしたらベランダのプランター栽培でもそういった工夫をすると、もっとしっかり成長できたのかもしれません。
ベランダにおける無限サツマイモ栽培の目標としては、毎月1回、どこかのタイミングで芋ほりができるものとします。そのスケジュールで、積算気温をもとに植え付けのタイミングを計算すると、以下のようになります。
- 1月上旬植付→6月中旬収穫(4.9か月) ※マルチ使用
- 2月下旬植付→7月中旬収穫(4.6か月) ※マルチ使用
- 4月上旬植付→8月中旬収穫(4.2か月)
- 5月上旬植付→9月上旬収穫(4.0か月)
- 6月下旬植付→10月中旬収穫(3.6か月)
- 7月下旬植付→11月中旬収穫(3.6か月)
- 8月上旬植付→12月上旬収穫(4.0か月)
- 9月上旬植付→1月下旬収穫(4.6か月)
- 9月下旬植付→2月中旬収穫(4.6か月)
- 10月下旬植付→3月下旬収穫(5.0か月)
- 11月上旬植付→4月上旬収穫(5.0か月)
- 12月上旬植付→5月中旬収穫(5.2か月)
現在、多少時期はずれますが、2月下旬、4月上旬、それから5月上旬の植え付けが完了しています。2月に植え付けた際、マルチは頭に浮かばなかったため、2022年は使用しておりません。次は6月下旬にも植え付けをし、最初の2月下旬植付分を7月下旬に収穫予定です。
7月に収穫というのは待つ真っただ中で、秋に収穫されるのが一般的なサツマイモから考えると、早い時期の収穫になろうかと思います。
追記:積算温度で計算して収穫を試みたところ、小さな芋しか収穫できませんでした。つまり、単純に積算温度だけを目安に収穫してはいけないということになろうかと思います。
ベランダでは垂直栽培

さつまいもは蔓がどんどん伸びていくので、ベランダなどの限られたスペースではすぐに足場がなくなってしまいます。そこで、2022年は垂直栽培に挑戦することにしました。これは、さつまいもの蔓をネットに結び付け、上に向かって垂直に栽培する方法です。こうすることで地面を這うことがなくなり、スペースを有効活用することができるというものです。
最後に
時季外れのサツマイモは案の定小さなものばかりでした。スケジュールを再考しようと思います。