深センのスマホメーカーSUGARの端末は台湾で買える とにかく安い

ところ変わればスマホも変わる。台湾ではAppleのiPhoneやSamsungのGalaxy、それから台湾メーカーのスマホ以外に、SUGARというメーカーのスマホが売られています。はて?SUGAR?聞いたことないな、という方も多いのではないかと思います。今回はそんなSUGARの端末を2モデル紹介します。

台湾のスマホメーカー一覧

そもそも台湾には台湾のスマホメーカーがあります。

  • ASUS
  • HTC
  • Acer

ASUSはフラッグシップのZenfoneシリーズよりもゲーマー向けのROG Phoneシリーズの方が評価が高いようです。

HTCは一時期非常に勢いがあったのですが、今はかなり失速しているようです。

Acerは現在台湾でスマホ販売をしていないようです。

世界的に見ればAppleやSamsungの2大巨頭と中国のOPPO、Xiaomiがやはり強く、それは台湾でも同じです。

台湾メーカーも気になりますが、今回は中国のSUGARというメーカーのお話です。

中国深センのスマホブランド「SUGAR」

SUGARというメーカーのスマートフォンをご存じでしょうか。厳密に言えば、SUGARは「Shenzhen Sugar Mobile Communication (深圳糖果通訊科技)」という中国深センにある会社です。

Shenzhen Sugar Mobile Communication (深圳糖果通訊科技)とは

このメーカーは2013年に携帯電話端末の製造を目的に創設された会社です。

中国の深センとは

深センというのは中国の広東省南部の港湾都市。ちょうど香港の北側に位置します。昔から日本でも製造業の方が深センの向上と提携したりして、出張でよく訪れた方も多いのではないかと思います。

中国のシリコンバレーとも呼ばれる地域です。

SUGARというスマホメーカー

そんな深センにあるのが今回のSUGARというメーカー。台湾ではこのSUGARのスマホを買うことができます。日本ではどうなのでしょうか。あまり聞かない名前かもしれません。

SUGAR Taiwanのオフィシャルサイトにアクセスしようとするとウイルスソフトが30個近くのウイルスと思しきものをブロックします。アクセスはしない方が良いでしょう。

蝦皮という通販サイトにオフィシャルストアを出店しているので、そちらを見ると良いと思います。

SUGARの製品ラインナップ

さて、SUGARにはどのような製品ラインナップがあるか見ていきます。なお、ここで挙げる2モデルはいずれも台湾の大手通信事業者である中華電信も取り扱うモデルです。

SUGAR C60

  • OS:Android 11.0
  • CPU:MediaTed MT6765V
  • antutu score:104490(MT6765V搭載の別モデルから推測)
  • ディスプレイ:6.82インチ(解像度1640 x 720)
  • カメラ:メイン1300万画素F1.8
  • RAM:4GB
  • ROM:64GB
  • 電池:6000mAh
  • 充電:15W
  • 価格:TWD4,490
  • 5G:非対応
  • 蝦皮における販売実績:4台
  • 台湾における発売日:2021年6月2日

C60は一般的なローエンドモデルと言ったところでしょう。昨今のハイエンドモデルやミッドレンジモデルと比較すると、スペック的に勝る部分は見当たりませんが、その代わり値段が安いという印象です。

なお、ディスプレイは大きいですが、解像度は低いです。

スマホは何でもいい、とにかくスマホを手に入れたいという方には良いかもしれませんが、他のスマホを使ってきた方の2台目、3台目には適していないと思います。

SUGAR Y13s

  • OS:Android 10(Go edition)
  • CPU:MediaTek MTK6761D
  • antutu score:50,300(MTK6761D搭載の別モデルから推測)
  • ディスプレイ:6インチ(解像度960 x 480)
  • カメラ:メイン800万画素F2.0
  • RAM:2GB
  • ROM:32GB
  • 電池:3000mAh
  • 価格:TWD3,490
  • 5G:非対応
  • 蝦皮における販売実績:0台
  • 台湾における発売日:2020年8月20日

C60と比較した場合、さらにスペックを落としたモデル。さらにポイントはOSがAndroid Goだということと、画面解像度がかなり低いということ。

そもそもAndroid Goというのはインフラとしての通信が不安定であったり、経済的にあまり裕福でないような地域をターゲットとした端末向けに提供されているもの。解像度が低いスマホにも対応したOSです。

このY13sはいわば「らくらくホン」。おじいちゃんやおばあちゃんなど、そもそもスマホに興味もないという方向けのスマホとしては良いのかもしれません。

記憶容量も32GBと少ないので、現代人の使い方としては不十分でしょう。もっとも、私が使っているスマホも32GBですが。

SUGARの良い点

端末を見るとスペック的に優れているところが見当たりません。じゃあなぜ台湾大手の中華電信が取り扱っているのか。それは安いからに他ならないと思います。

通信事業者はいかに契約者を増やすかに腐心していますが、契約者を増やすには餌をまく必要があります。例えば「0円ケータイ」なんかもその餌の一つだったわけですが、さすがにiPhoneを0円にするにはプランの料金を上げるなどしないとバランスが取れません。プランの料金が高いとなると、新規加入者はその餌に食いつかないかもしれません。じゃあ、iPhoneなどのハイエンドスマホには興味ないけれど、孫に言われてスマホを持たなければならない。孫に電話したい、などと言ったお年寄りなどを引き寄せるための餌として、安価なスマホを0円ケータイとして提供し、安価なプランに契約してもらうということを狙っているのではないかと思います。

中華電信のプランを見てみると、C60が0円となるプランは399元/月~999元/月(3年契約)でした。執筆時、TWD399は日本円で1,800円ぐらいでした。Y13sが0円となるプランは299元/月~999元/月(3年契約)でした。同様にTWD299は日本円で1,350円ぐらいでした。

最後に

スマホを買う時、今までメーカーのフラッグシップモデルやハイエンドモデルしか使ってこなかった方は、「スマホなんてなんでもいい」と安いスマホを買うのはちょっと待った方が良いと思います。安いスマホは驚くほど低スペックだったりして、自分の想像する「なんでもいい」の範囲を逸脱している場合があるからです。私はそれで失敗しました。

SUGARには安いという大きなメリットがあります。そのメリットが自分の中でどのぐらい大きいか、機種変更などの際はよく検討すると良いと思います。今までスマホを使ったことがなくて、初めてスマホを買う場合で、しかもなんでもいいと思っている場合は検討の価値はあると思います。