2022年夏、我が家にやってきたウツボカズラの鉢になにやらタマシダのようなものが生えてきました。そのまま2023年11月までウツボカズラと一緒に育て続けたので今回はそのタマシダについて書いていきます。
目次
タマシダとは
タマシダとはシダ植物の一つで、ツルシダ科タマシダ属に属しています。一般のシダ植物と同様に花は咲かず、種子を作らず、胞子を作って増えていきます。
緑色が美しいタマシダですが、ここ台湾では普通にそこら中に生えている植物でもあります。観葉植物として育てることもできるぐらい見た目もきれいな植物です。
ヤンバルタマシダ
調べてみたところ、我が家に生えてきたタマシダは台湾の言葉で毛葉腎蕨と言うらしいのですが、その学名はNephrolepis browniiかNephrolepis hirsutulaだそうです。それらの日本名を調べてみたところヤンバルタマシダと紹介されていました。
ホウビカンジュ
台湾では長葉腎蕨というタマシダも見られ、それは日本語でホウビカンジュと呼ばれています。これは上記タマシダやヤンバルタマシダよりも羽片が長く、18cmにもなるそうです。そして、タマシダやヤンバルタマシダよりもさらにはっきり軸が見やすいのだとか。なお、鱗片に毛はなく塊莖もないそうです。
普通のタマシダとヤンバルタマシダの違い
タマシダには種類があります。台湾でよく見られるのは通常のタマシダとヤンバルタマシダ、ホウビカンジュの三種類です。
以下に通常のタマシダとヤンバルタマシダの違いをまとめます。
- タマシダは葉が60cm程度だが、ヤンバルタマシダは葉が1mほどにも達する
- タマシダの鱗片は無毛だが、ヤンバルタマシダは鱗片に毛が確認できる
- タマシダの羽片は3cmぐらいで先端が丸まっているが、ヤンバルタマシダの羽片は5cmぐらいまで長くなり先端が尖っている
- ともに羽片の付け根部分に耳のような形のでっぱりがあるが、背面から見たときにタマシダはこれが軸を覆い、ヤンバルタマシダは軸を覆わない(軸が比較的はっきり見える)
- タマシダには貯水の役割がある塊莖があるが、ヤンバルタマシダに塊莖はない
育て方
タマシダを意識して育ててきたわけではありませんが、今までウツボカズラと同じ育て方で問題ありませんでした。
設置場所
我が家のタマシダ(ヤンバルタマシダ)はウツボカズラの鉢から勝手に生えてきました。そのため、ウツボカズラのお世話のついでにタマシダもお世話していました。
設置場所もウツボカズラを基準に考え、あまり直射日光の当たる場所ではなく、当たるとしても少しの時間だけという、日陰メインの環境に設置しました。
うっそうとした森林の中で、時々木漏れ日が当たる程度の場所にシダ植物って多いですよね。そういう環境を再現できるとベストではないかと思います。
冬越し
ウツボカズラが寒さに弱い都合上、2022年暮れから室内に入れていました。基本的に10℃以下になると枯れるそうです。ウツボカズラも15℃以下にならないようにしたかったので、ちょうどよかったように思います。
ここは台湾なので、日本の多くの地域よりも暖かいですが、大体12月から翌年3月ぐらいまでは室内で過ごしました。
どんどん増える
タマシダはどんどん増えます。増えすぎるぐらい増えます。
もともとウツボカズラを育てていたはずの鉢だったのに、気が付いたらメインがタマシダに変わっていたぐらいです。
タマシダはどうやら地下茎が伸びてそこから芽を出し、どんどん増えていくようです。また、その地下茎は鉢から飛び出してどんどん伸びていくので、生える範囲もどんどん拡大していきます。
タマシダは地植えにしたら増えすぎて大変なことになると思います。鉢植えでも地下茎が鉢の上からも下からも飛び出すので定期的に見ておかないとその地下茎が他の場所で根付いてしまってそこからさらにタマシダが生えてくることにもなりかねません。
撤去する場合、地上部を切るだけではなく、地下茎もすべて取り去る必要があろうかと思います。
増やし方
ただでさえどんどん増えるタマシダですが、意図して増やす場合、株分けをすればどんどん増やすことが可能でしょう。
水やり
温かい時期は少なくとも一日に一回は水やりをし、同時に葉にもシャワーをかけていました。真夏は朝と夕の二回水やりをしていました。
冬は室内に取り込んでいたので毎日水やりをすることはありませんでした。土の様子を見ながら、乾燥してきたら水やりをするようにしていました。
基本的にタマシダは水が大好きな植物だと思うのですが、状況に応じて回数を調整しました。
最後に
タマシダは室内で観葉植物として育てるのもおしゃれでいいなぁと思います。もちろん私みたいにベランダの半日陰みたいなところで育てることもできます。
ベランダに複数の植物がある場合は特性によってエリアを区切ってお世話をすると良いのではないかと思います。