食べた種から桃を育てたいなら割安のネクタリン

以前から気にはなっていたのですが、台湾のスーパーには「甜桃」という桃に似た果物が売られています。もしかしてネクタリン?と思ったら本当にネクタリンでした。早速買ってきて食べ、そして発芽に挑戦しました!

ネクタリンとは

台湾で購入したネクタリン
台湾で購入したネクタリン

ネクタリンは桃と同じバラ科植物で、大きさは桃とスモモのちょうど中間ぐらいです。桃のような産毛はなく、つるつるとした見た目ですが、スモモなどよりも固い印象です。

ここ台湾でもネクタリンは栽培されているようですが、よく見るのはチリ産のネクタリンです。

ネクタリンの食べ方

ネクタリンはスモモなどよりも桃よりの果物です。そのため、桃と同じような食べ方をします。包丁で切って、種を取り、生で食べる方が多いのではないかと思います。

皮は剥く方と剥かない方がいるようですが、これは好みの問題だと思います。個人的には皮を剥かない方が簡単に食べられるので好きですが、残留農薬の懸念がある場合は皮もしっかり剥きます。

ネクタリンの追熟

ネクタリンは常温で置いておくと追熟できます。桃同様に少しずつ柔らかくなっていきますが、桃ほどのジュクジュク状態になったネクタリンは食べたことがありません。ネクタリンは比較的固いです。

ネクタリンの味

おそらく品種やグレードにもよるのだと思いますが、ネクタリンの味は桃そのものです。ネクタリンの食感は桃よりも固いです。ただ、これは熟し具合にもよるかもしれません。

ネクタリンの種まき

種をまくにあたり、いくつかは休眠打破のために湿らせた状態で冷蔵庫に入れました。

桃やアメリカンチェリー、梅などは種が休眠状態になっていて、休眠打破のために低温処理をします。日本のように雪が降るほど寒くなる地域では冬前から土に種を埋めておけば自然に休眠打破されて春には芽が出てくるようですが、ここ台湾は冬でも平均気温が18℃ぐらいあるので冷蔵庫に湿らせた状態で入れておき、休眠打破させます。

ネクタリンの種の中にある仁
ネクタリンの種の中にある仁

また、桃の場合は低温処理をせずに食べた直後に殻を割り、湿らせたキッチンペーパーで包んでおいたところ発芽したので、ネクタリンでも挑戦してみました。具体的には固い殻を割り、茶色い薄皮も剥き、それを湿らせたキッチンペーパーで包んで、乾燥しないように上からラップをして室内に置いておきます。

桃を育てるなら割安のネクタリン

種から育てているネクタリン
種から育てているネクタリン

桃系の植物を育てたいと考えて、白桃、スモモ、プルーンなどを育てていますが、それらの中で白桃が最も高価な果物になります。1つあたりの大きさも他より大きいので当然と言えば当然ですが、種1つあたりの単価を考えると、白桃は割高となります。

食べた後の種から植物を育てることを目的にする場合、白桃はコスパが良いとは言えません。白桃と比べたらスモモやプルーンの方がコスパは良いですが、白桃にもっと近いものと言えばネクタリンです。

誤解を恐れずに言うならば、ネクタリンは毛のない白桃です。サイズも白桃よりはちょっと小さいことが多いです。ここ台湾における白桃の一般の価格は1個当たり50元。それに対してネクタリンは1個当たり20元。半額以下です。

ネクタリンの苗

あまり数は多くないようですが、台湾のネットショップではネクタリンの苗が売られています。値段は150~200元。苗の数で言うならば白桃の苗の方がネクタリンの苗の5倍以上多いです。

種から育てるネクタリンは別のネクタリン

例えばおいしい桃を食べて、その種を植えて育て、その木から桃を収穫しても親とは違う品種になるのが一般的です。これはネクタリンも同様だと考えています。

桃は双胚果と言って、胚が二つ、つまり種が二つできるケースがあります。一般には双胚果は核割れ果となって裂果を招いたり、生理落果が発生したりするそうです。双胚果は品種や年度によって発生率が異なるそうなのですが、桃類で双胚果が発生しやすいのがネクタリンなんだそうです。

すでにスーパーに並んでいるネクタリンは双胚果だったとしても食べられるレベルまでキレイに育ってくれたものなので問題なく食すことができると思うのですが、その種が2つとも成熟していて、それをまいたときにそれがどのような遺伝情報を持つ物なのかはわかりません。マンゴーなどの多胚種子とはまた別だと思われるので、いずれにしても親の性質と全く同じと言うことは無く、栄養繁殖ではなく種子繁殖なのではないかと思います。

そういえば過去に桃は種が二つ入っているものがありました。双胚果だったんですね。今回育てているネクタリンに双胚果はありませんでした。ということは種子繁殖で親の性質を受け継いではいないと思われます。

なお、双胚果や核割れ果の見分け方ですが、割れ目の左右の大きさがキレイに同じぐらいで、まん丸になっているものが双胚果や核割れ果である可能性が高いそうです。

最後に

白桃は台湾でも生産されています。ネクタリンはどうでしょう。調べてもわかりませんでした。最近はチリ産の物が多いようです。ということは台湾の気候はネクタリンの栽培にはあまり向いていないのかもしれません。とりあえず発芽はしたので、このまま継続して育ててみます。