狭いベランダでいろんな植物を育てているのですが、今回は種から育て始めたブドウの話です。
目次
台湾で流通しているブドウの品種
台湾で最も多く流通しているのは巨峰です。そのほかに黑后(ブラック・クイーン)、蜜紅、金香(ゴールデンマスカット)、真香(台中一号)、紅地球(レッドグローブ)、無籽綠(オータムクリスプグレープ、オータムキング、スイートグローブグレープ、コットンキャンディグレープ)、麝香(シャインマスカット)などがあります。
私が発芽に挑戦したブドウがどの品種であったかは定かではありません。上記無籽と書かれているのは種なしなので、少なくともそれ以外だろうとは思います。例によって種を見ると植えたくなってしまうため、何も考えずに発芽に挑戦しました。色だけで判断するならレッドグローブか蜜紅が近いようにも思いますが、台湾で生産量が多いのは蜜紅になります。
上記のうち、台湾でも生産されているのはワインなどに使われる黑后、それから生食向けの巨峰、蜜紅で、金香と台中一号は生食もしますが、ワインにも使われるそうです。
ということでたぶん蜜紅でしょうね。
台湾で売られているブドウの苗
どんなブドウの苗が売られているのか調べてみたところ、紅寶石(ルビーの意味)、藍寶石(サファイア)、日本のシャインマスカット(名前を「〇インマスカット」のように伏せている販売者もあれば、「日本の系統」と強調している販売者もあり)、金香、巨峰などが見つかりました。
ネットではいろんなものが買えますね。私は買いませんが、買うのであれば台湾の気候に適した台湾の品種を購入すればいいと思います。
種なしブドウの作り方
種なしブドウって品種の違いなのかと思ったら、ジベレリンというホルモンを塗ることで花粉生成を阻害し、種を強制的に作らせないようにするのだそうです。そのため、例えば巨峰なども種なしの状態にすることが可能なのだとか。
この際、全部種なしにしたらどうだろうかとも思ったのですが、そうすると必然的にブドウの値段も高くなり、流通量が減るかもしれませんね。
なお、ヒムロッドシードレスはそもそも種なしの品種なんだそうです。
ブドウの種まき
今まで何度となくブドウの発芽には挑戦してきたのですが、ただ土に種をまくだけでは一切発芽しませんでした。ブドウの種の発芽には低温処理が必要です。
発芽には低温処理が必要
日本であれば冬前に種をまいておけば冬を経験することで休眠打破ができるのかもしれませんが、ここ台湾では人工的に寒い環境を作らなければなりません。そこでよく使われるのが冷蔵庫です。
キレイに洗ったブドウの種を冷蔵庫で3か月ほど保管しておくことで強制的に休眠打破させます。3か月後に取り出し、種をまけば発芽するというわけです。ただ、発芽率はそんなによくなく、私が発芽に成功した時は、発芽率10%前後でした。
ブドウの殻は割らなくてもいい
低温処理をするにあたり、半分は固い殻を少し割った状態で冷蔵庫に入れました。しかし、殻を割った状態だとカビが生えてしまい、結局殻を割ったものは1つも発芽しませんでした。そして、殻を割らずに冷蔵庫に入れ、その後も殻を割らずに土に植えた種のみが発芽しました。つまり、ブドウを発芽させることが目的の場合、殻を割る必要はありません。
ブドウの種が発芽するまで
私が発芽に成功したブドウは2022年の9月ごろに食べた物でした。9月に食べて、そこで出た種を洗って、湿らせたキッチンペーパーで包んで冷蔵庫に入れておきました。
冷蔵庫から取り出したのは2023年の1月。約4か月冷蔵庫に入れていました。取り出した種は一切変化なし。しいて言うなら多少カビていました。そしてその種をそのまま土に植え、ベランダで水を上げ続けていたところ、土に種まきしてから1カ月ぐらい経過したころに2つほど発芽しました。
2つ発芽したものの、1つは早々に枯れてしまい、今は残りの1つのみを育てています。
以前は冷蔵庫に入れずにそのまま土にまいていましたが、それでは一切発芽しませんでした。
実生苗にできる果実は何?
ブドウは一部の品種を除いてジベレリン処理をしない場合、受粉をすることで種ができます。ということは、種を発芽させて育てる実生苗の場合、親株と違った性質を持つことが考えられます。
そのため、収穫を目的とする場合、種苗店で苗を購入した方が収穫の確率が高まると思いますし、しっかりとした品種の物が育てられるのではないかと思います。
最後に
そういえば義実家にもブドウの木があったのですが、それはあるタイミングで枯れてしまったようです。以前はかなり大きかったのに何でだったんでしょう。
そんなこともあってブドウ栽培は決して簡単ではないという認識でおります。ましてや種から栽培だなんて。
でも種から発芽させて植物育てるの楽しいですよね。これからもできるところまで育ててみようと思っています。