【必食台湾グルメ】台東発祥の国民的弁当『池上飯包』

日本では行楽や学校行事、高校生のお昼などにお弁当が必要になることがあると思いますが、そのお弁当は家族が作ってくれたものの場合もあれば、外で買ってきたものの場合もあるでしょう。

台湾では外で買う割合が比較的高い印象があります。そんな台湾にあって、昔から庶民に親しまれているお弁当に池上飯包というのがあります。

今回は池上飯包とその容器について書きます。

池上飯包とは

池上飯包
池上飯包

その昔、台湾の東海岸を走る台湾鉄路で台東地方から台北に行く行商人のお腹を満たすために、台東の駅でお弁当を販売し始めたことに始まるのがこの池上飯包。

当初は握り飯程度だったものが、次第に木箱を用いるようになり、そして現在の形に落ち着いたのだそうです。

中身は非常にシンプルで、底に白飯を敷き詰め、その上に豆干(固い味付け豆腐)、炒め野菜、台湾ソーセージ、半分に切った味付け茹で卵、そしてメインの味付け豚肉などが全面に敷き詰められたお弁当です。

池上飯包の販売店

池上飯包を販売するお店はたくさんあります。台北周辺だけでも悟饕池上飯包や米香池上飯包など、「池上飯包」で検索すると大量にヒットします。

お店それぞれ微妙に具材が異なり、それぞれの特色を出していますが、基本的に昔ながらの池上飯包は「經典(クラシック)」などと書かれていることが多いです。店名に池上飯包と付いている場合は「招牌」というお弁当名になっていることもあります。

基本的に店名に「飯包」が含まれている場合、この池上飯包を販売するお店である可能性が高いです。

池上飯包の味

經典や招牌の池上飯包に共通するのは醤油ベースの味が付いた豚肉の切り身です。この豚肉が癖になります。

メインの豚肉以外もご飯が進む味付けになっていて、あっという間に食べ終わってしまいます。台湾に住み始めた頃からよく食べていたので、今では私も安心する味だと感じるようになりました。

池上飯包のサイズ、量

池上飯包には伝統的に木で作られたお弁当箱が使われます。サイズはいくつかあるようですが、最も一般的なのは165x120x35mmのサイズ。

このサイズの池上飯包の量は成人女性でちょうどいいぐらいではないかと思います。もちろん人それぞれではありますが、実際そんなに大きなお弁当ではありません。

いつも大盛ご飯を食べているというような方は、池上飯包以外にもコンビニなどで何か買うか、ほかで間食するかなどで対応できます。

池上飯包の金額

お店によって金額は異なりますが、おおむね100元以下で購入することができます。物価が年々上昇している台湾にあって、この価格はかなり良心的であると感じます。また、乳酸菌飲料を無料で一本サービスしてくれるお店もあったりします。

なお、お店によっては主食の豚肉を除いた經濟便當なるものがもっと安い金額で販売されていることもあります。経済的に困窮していたり、とにかく安いお弁当が食べたい場合にはそういう選択もありかもしれません。

池上飯包の木箱

池上飯包に使われる木の弁当箱は、マメ科植物である麻六甲合歡(ファルカタ)などで作られています。この容器を見ると「あ、池上飯包だ」とすぐにわかります。

調べてみると日本でも同様の物が販売されていましたが、私が見つけたものはグラシン紙というシートが表面に貼られていて耐油性・耐水性に優れたもののようでした。台湾のものはそのような素敵な物は貼られていなそうです。

台湾で池上飯包の木箱を製造している会社も探すとすぐに出てきますが、四角いものだけではなく、丸いものや、重箱スタイルのものまで存在します。

木箱の再利用

池上飯包の木箱をきれいにしてから接着しているところ
池上飯包の木箱をきれいにしてから接着しているところ

ファルカタ材は天然素材なので自然に優しいのがその特徴です。ゴミとして捨てるとしても、環境負荷が少なく、心も痛みにくいという特徴があるわけですが、だとしても、なんだか毎回木材を捨てているような気がしてなりませんでした。

そこで、まずは木箱を洗ってそのまま再利用することを思い立ちましたが、木箱と言っても実際はテープや紙などで四辺をとめられていて、水洗いすることでその部分がフニャフニャに溶けてしまったりします。つまり、そのままでは再利用ができません。

また、非常に薄い木材(1.5mm程度)で、一度水に濡れてから乾燥させると途端に曲がっていったり縮んでいったりしてしまい、使い物にならなくなります。

そこで考えたのは、この1.5mm厚の弁当箱を広げ、キレイに洗い、できるだけ縮みが出ないように乾燥させ、それを何枚か重ねてボンドで接着するという方法でした。

そうすることでもしかしたら曲がりが多少は軽減されたり、また強度的にも扱いやすいレベルになるのではないかと考えました。

接着して強度を増した池上飯包の木箱から作った木材
接着して強度を増した池上飯包の木箱から作った木材

結果は大成功。でも、問題はこれからで、こうやって作り出した木材をどうやって使用するかです。今考えているのは、この木材を加工して、改めてお弁当箱を作るというもの。そうなると今度はこれを精密にカットしたり、寸法を調整する技術が必要になります。

最後に

台湾の国民食ともいえる池上飯包。台湾に行く機会があったらぜひ食べてみてほしいお弁当の一つです。私も日常的に食べています。

木製お弁当箱の再利用については今後も継続して検討していこうと思っています。