台湾の中秋節2023を振り返る

去る9月29日はここ台湾の中秋節にあたり、おのおのいろんな楽しみ方をしていたわけですが、私はと言うと、バーベキューにいそしんでおりました。

台湾における中秋節の過ごし方について書きます。

中秋節

旧暦(農歴)の八月十五日はここ台湾では中秋節と呼ばれます。旧暦のため、新暦では9月上旬から10月上旬のいずれかの日となることが一般的です。旧暦と新暦は進み方が異なるため、毎年新暦上の中秋節の日は変わります。

二十四節気の「秋分」に由来する民俗行事で、2023年においては新暦の9月23日~10月7日までが二十四節気の秋分に当たり、9月29日が中秋となっています。

台湾において中秋節は祝日になります。連休となったため出かけていた方も多かったようです。

楽しみ方

基本的には満月になることが多いため、満月を見ながら何かをするというのが中国や台湾、日本で共通の楽しみ方にはなっています。

台湾ではバーベキュー

台湾には中秋節の前後に文旦や月餅を贈り合う習慣があります。そのため、この時期会社のオフィスは月餅と文旦だらけになります。日本で言うところのお中元に近い印象を持っています。

それから、1980年代に焼き肉のタレのテレビCMが放映されたことをきっかけに、多くの人が中秋節にバーベキューをするようにもなりました。そのため、中秋節が近づくとスーパーも雑貨屋もバーベキュー用品が入り口に山積みになり、多くの人がバーベキューを楽しみます。

聞けば、萬家香という台湾の焼き肉のタレメーカーがテレビCMで言い始めて、さらに他の金蘭という焼き肉のタレメーカーもテレビCMで啓蒙したことでブームに火がつき、今では風習として根付いたものなんだそうです。

台湾の若者に聞いてみると、中秋節にバーベキューをするのは当たり前だけど、なぜかは知らないという人も多いです。逆にお年寄りに聞いてみると「バーベキューなんかしません!」と突っぱねられることもあります。

バーベキューはしなくても、家族で集まって食事をするという人は多いです。

日本では十五夜観賞

日本でも中秋の名月という言葉があるように、旧暦八月十五日はススキやお団子を用意して月を愛でるというのが一つの習慣になっています。

そもそも十五夜は旧暦の十五日、それも毎月の十五日の夜を指す言葉で、新月から数えて十五日目の夜なので満月であることが多いです。そして、八月の十五日の月を中秋の名月と呼びます。単に十五夜と呼ぶ場合はこの八月の十五日の夜のことを指す場合が多いです。

しかし、私は実際にそうやって十五夜を楽しんだ記憶はありません。日本では祝日でもありませんし、それにちなんだイベントも特段体験したことがなかったように思います。

我が家は家族が集まるようなこともありませんでした。

2023年の中秋節

もともとバーベキューをするつもりも月見をするつもりもなかったのですが、急遽思い立ち、庭のある家庭をお借りしてバーベキューをしました。

道具はその辺のスーパーでいくらでも売っています。使い捨ての網や炭を買って、手軽にバーベキューをすることにしました。

ヤシの繊維でできた炭に火をつけているところ
ヤシの繊維でできた炭に火をつけているところ

今回使用したのはヤシの繊維でできているという炭。なお、バーベキューの火おこしなど人生で数回しかしたことのない私は、火をおこすだけで悪戦苦闘。一応着火剤を使いはしたのですが、夕方ごろに始めて、火が付くころにはすでに日が暮れていました。

中秋節のバーベキュー
中秋節のバーベキュー

野菜もピーマンやとうもろこし(茹で済の物)などもあったのですが、写真撮り忘れました。肉は他の人に調達を任せていたのですが、全部味付け肉でした。台湾式BBQですね。

中秋節のバーベキュー
中秋節のバーベキュー

鶏肉もありました。焼きたいものがあれば何でも良いようです。海鮮類は用意しませんでしたが、牡蠣などを焼く場合も多いようです。

台湾の「てんぷら」をべーべキューで焼いているところ
台湾の「てんぷら」をべーべキューで焼いているところ

台湾の「てんぷら」と呼ばれる練り物もバーベキューの定番。私は食べませんでしたが、他の方には好評でした。

中秋の名月(中秋節)
中秋の名月(中秋節)

帰り道、ふと夜空を見上げるとそこには月が出ていました。一応の満月。多少雲がかかっていましたが、きれいなお月様も拝むことができました。

なお、高齢者はバーベキューの面倒さ、および食べ始めるまでの時間の長さにくたびれてしまい、「もう来年はやめよう」と言っていました。いや、むしろあれは「来年はやめなさい」というニュアンスのようにも聞こえました。

個人的にはバーベキュー楽しかったです。確かに火をおこすのに時間はかかるし、焼く人は汗だく煙まみれで作業をしなければなりませんが、まあそれでも年に一回の楽しみなのだから、またやればよいと思っています。

最後に

ところ変われば風習も変わります。2023年はバーベキューをする人もいましたが、比較的焼き肉を食べに行くという人も多かったです。その方が面倒なこともなく、しかも安定のクオリティーなので、そちらを選ぶ人も多いようですね。なにもバーベキューをしないと罰が当たるというものでもないようなので、それでも良いのかもしれません。