ビオトープに流木を入れると水が茶色くなる不思議

ベランダにグッピーを移動したことからスタートした我が家のビオトープ。流木や枯れたローゼルの木質化した根元部分を入れたところいろんなことがわかったのでここに書き記します。

ビオトープに入れた物

ビオトープは人間の手を離れた生態系を人工的に作り上げるものだと認識しておりますが、これがなかなかに難しく、立ち上げにはそれなりに知恵をしぼらなければなりません。

ビオトープに入れる物は人工物だけでなく、自然界にあるものもあります。例えば土、草、落ち葉など、自然界に当たり前に存在するものも中に入れ、微生物の発生を促し、虫を呼び込み、生物の自然発生的な循環を小さなスペースに実現します。

我が家のビオトープにも流木や木質化したローゼル、ベランダで園芸用に使っていた古い土、新しい赤玉土、落ち葉などを入れました。

そのまま木を入れたときに起きたこと

我が家のビオトープには2つの木(流木とローゼルが木質化したもの)を入れましたが、ローゼルは何も処理をせずに水槽に入れました。何も処理をしていない木質化したローゼルをそのまま水槽に入れたところ、水が茶色くなりました。

木の灰汁が水に溶けだす

水槽に流木などの木を入れる際は、あく抜きと言う作業が必要になります。あく抜きをしないと水槽の水が茶色くなります。これは木に含まれる灰汁(あく)の影響なのだそうです。水が茶色くなった理由は木に灰汁が含まれているからです。

当初、木に灰汁が含まれるというのがにわかにイメージできなかったのですが、例えば野菜でも木に似た(?)ゴボウには多くの灰汁が含まれています。

木のアクの成分はポリフェノール

木に含まれるアクの成分はポリフェノールです。タンニンなどのいくつかのポリフェノールが含まれているそうです。ポリフェノールの含有量は木の種類や状態などによって異なるのではないかと思います。

なお、ゴボウに含まれる灰汁もポリフェノールです。

流木のアク抜きの方法

流木はあく抜きをしました。流木のあくを抜くためには水にさらす作業が必要になります。流木がすっぽり入る容器を用意し、流木を入れ、全体が浸かる量の水を入れます。

流木のアク抜きに使う水は?

流木のアク抜きには水道水を使いました。塩素成分が気になる方は調整した水を使っても良いと思いますが、なにぶん頻繁に大量の水交換をしなければならないので私は水道水で行いました。流木を水槽に入れた今も特段大きな問題はないように思います。

あく抜きに使う水に重曹を入れる方がいるようですが、私は重曹を使ったことがありません。

なお、中にはお湯で煮るという方もいるようです。鍋に入るサイズならそれでも良いかもしれません。水だと時間がかかります。それから、アク取り剤という薬品を使う方法もあるようですが、私はやったことがありません。

流木のあく抜きは何日?

浸水させる流木のあく抜きは1か月行いました。日数(時間)は人によって感覚が異なるようですが、私は水を交換しながら1か月程度あく抜きしました。水の交換頻度は可能であれば毎日の方が良いようですが、私は2~3日に1回程度しか交換しませんでした。

水を交換しながら1か月も浸水しておけば灰汁はほとんど抜けるだろうと考えていますし、実際1か月浸水していた流木を水槽に入れたときは特段茶色くなったりしませんでした。

流木が水に浮いてしまう場合の対処方法

流木のアクを抜くために流木を水に沈めても、流木が水に沈まないということがあります。この場合、強制的に流木を水に沈めるために石などの重しを乗せれば沈ませることができます。

私は流木のサイズに合ったゴミ箱を用意し、そこに流木を入れ、水をため、さらに上から漬物石のようなものを乗せました。1か月経っても流木は浮いてきましたが、最初のころよりは重くなっていたので、少しずつ水を吸っていると思われます。水槽に入れた今も、小さな石を重しにして設置していますが、そのうち浮かなくなるのではないかと思います。

流木が水に沈むまでの時間は流木によって異なります。1年かかるものもあるのだとか。気長に待とうと思います。

流木のあく抜きをしないとどうなる?

あく抜きをしていない木(枯れたローゼルの根元部)を投入した際はてきめんに水が茶色くなりました。これをブラックウォーターと呼び、魚に害はないとする説明も見ますが、素人の私は日に何度も観察して異変がないかを確認しています。非常に心配です。

ただ、水が茶色くなってからもグッピーは元気に泳ぎ回っているようなので、確かに実害はなさそうです。むしろブラックウォーターの方が自然界に環境が近いのではないかとすら思います。

景観(見た目)重視の場合はあく抜きをした方が良いと思われます。

ブラックウォーターの黄ばみを取る方法

ブラックウォーターの黄ばみを取るには水換えをします。それか、活性炭などのフィルターを使用して水を循環させます。

水換えが一番手っ取り早い方法のようにも思いますが、一回交換しただけではまたじんわりと黄色くなっていくのではないかと思います。根気強く、しばらくの間定期的な水替えを続けていくと、少しずつ薄くなっていくようです。

全く水流のないビオトープの場合、活性炭がどこまで有効かはわかりません。いつか試してみたいと思っています。

流木の塩分はどうする?

水槽に入れたい流木が、例えば海を流されていた流木だった場合、流木に海水の成分が含まれている可能性があります。その中で特に気になる成分は塩分です。

塩分が含まれたままの流木を水槽に入れた場合、淡水魚には悪影響が発生することが考えられますし、塩分濃度が変われば海水魚にも影響があると考えられます。それに、水草にも影響が出るかもしれません。そのため、塩抜きもした方が良いでしょう。

流木の塩分を抜くには水にしばらくの間流木を浸水させます。あく抜きの作業を行うことで、塩分も抜けていくと考えています。

なお、我が家のグッピーはと言うと、そもそもグッピーは淡水でも海水でも生きられる熱帯魚だと聞きました。塩分に関してはそれほど問題にはならないようです。

最後に

より自然に近い形ならブラックウォーターで良いのでしょうが、透明の澄んだ水もキレイで素敵だなと思います。そのため、個人的には流木などはあく抜きをしてから入れるのが一番かなと思いました。