日本のシャッター業界と台湾の防犯意識

台湾の鉄格子の窓すごいなぁ。台湾観光に来てそんな風に思った方も多いのではないかと思いますが、台湾に住んでいると結構慣れてきます。自分の実は自分で守る、その意識が定着しているのかもしれません。

台湾の防犯意識

台湾は日本よりも人口比で事故も事件も多いです。自分の身は自分で守る。これが大事。窓には鉄格子、塀には有刺鉄線、車はフルスモーク(?)です。

台湾の建築物

台湾に来て最初に日本と違うなと感じたのは、建物の雰囲気というか、構造そのものでした。なにしろコンクリート造りの家が多い。都市部でも田舎でも、高層ビルでも戸建てでもコンクリート造りの家が非常に多いです。そしてそのコンクリートは気候の影響もあってかどこか苔のようなカビのようなものがたくさんついているような印象があります。日本統治時代に建てられたと思しき木造建築も残っていないわけではないですが、基本的に木造建築よりもコンクリート建築が優勢で、台湾の方に言わせると、木造建築は不安だ、という印象すらあるようです。というのも台湾も日本と同じように地震が大量に発生するからです。コンクリートの方が安全、というのは台湾では共通認識なのではないかと思います。

台湾の建築物の特徴は他に、窓に鉄格子がはめられているということがあります。外から見ればそれは牢屋のようでもあるのですが、外から簡単に中に侵入できないようになっているのです。逆を言えば、窓ガラス一枚だけで外の世界と隔たれているというのは考え方によっては非常に危険で、というのもガラスは割ろうと思えば結構簡単に割れるからです。車に使われているような強化ガラスなら多少は違うのかもしれませんが。鉄格子があればガラス一枚よりははるかに安全と言えます。

さらに、田舎に行けばその特徴がよく表れているのですが、戸建ての門も金属製で、かつ塀の上には有刺鉄線、もしくはガラス片がモルタルでちりばめられていて、そう簡単には不審者の侵入ができないようになっています。軍や政府の期間だけではありません。一般の民家でもそういった光景は目にすることができます。もちろんすべてではありませんが。

それから車庫にはシャッターか金属製の重い門がスタンダード。田舎の比較的新しい建物はシャッターが多いように思います。街でシャッター専門店も見かけますし。ただ、日本のように窓にシャッターが使われているのはそれほど多くないように思います。私は実家の窓がシャッター仕様だったのでなじみがないわけではないのですが、よく考えてみるとそういう建物はあまり見ません。ただ、これは私が住んでいる地域だけの話かもしれませんね。お店ではよくシャッターが使われています。マンションの1階部分はテナントになっていることが多いのですが、その多くが電動シャッターで、お店が開いている時間以外はシャッターが下りている状態になっています。

日本のシャッターメーカー

話は逸れますが、日本でシャッターメーカーと言えば三和シャッターの名前が浮かびます。三和ホールディングスのウェブサイトによると軽量シャッターの国内シェアは50%以上なんだそうです。

世界にもシェアを広げているところのようですが、ここ台湾でも関連企業の「安和金属工業股份有限公司」という会社があるそうです。安和金属工業股份有限公司は非常に実績のある企業のようですが、取扱製品の中にシャッターはありませんでした。ただ、三和ホールディングスのグループネットワーク紹介ページには「シャッター」とも書かれています。もしかしたらウェブサイトに掲載していないだけで、取り扱いはあるのかもしれません。

それから、「台灣三和捲門股份有限公司」という企業が台中にあるようなのですが、解散したのか実体がないようでした。三和とはついていますが、もしかしたらその昔、代理店などをやっていたのかもしれません。台灣三和捲門股份有限公司は三和シャッターのウェブサイトでは紹介されていないので、少なくとも現在は関係が切れているのではないかと思います。

上位3社でほぼ寡占状態のシャッターメーカー

シャッターメーカーは上位3社でほぼ寡占状態、9割のシェアを誇るのだとか。これは三和シャッター、文化シャッター、それから東洋シャッターではないかと思います(鈴木シャッターはLIXIL系で、そもそも三和シャッターが制作しているのだとか。そこで外しました)。

台湾関連で言えば、文化シャッターも台湾企業との合弁企業「BX文化台湾社」を設立していましたが、2017年に解散を発表しています。高価な高付加価値商品が売れず、他社の安価な製品に押されてしまったようです。台湾で生活しているとこれめっちゃわかります。

東洋シャッターは台湾に進出している気配がありません。あっても規模としてはそれほど大きくないのかもしれません。

シャッターじゃなくてシヤッター

ちなみに、三和シャッターも、文化シャッターも、東洋シャッターも、実は本当はシャッターではなくシヤッター。これ、商標登録や商業登記に小文字が使えなかったことの名残なんだそうです。ほかにも「キャノン」とかありますよね。本当は「キヤノン」。

最後に

シャッターは目的によって、防犯、防水、防火など、適したものを選ぶ必要があるそうです。また、設置場所によってもシャッターの種類は異なるのだとか。

台湾で、なぜ店舗にはシャッター、民家の窓には鉄格子なのでしょうか。民家の窓もシャッターで良いようにも思います。鉄格子の方が防犯性が高い?シャッターは完全に中が見えませんが、鉄格子は中が見えます。破壊するならシャッターの方が楽?

また街の建築物を見ながらブラブラ散歩してみようと思います。