ぬか漬けの作り方と台湾の糠(ぬか)事情

台湾でぬか漬けを作ったという話ですが、台湾で米ぬかを手に入れるのに異常なほど苦労したという話がメインになった記事です。

台湾に住む日本人がやることの一つ、ぬか漬け。これはもうホームシック以外の何物でもないようにも思うのですが、日本にいる時はそんなにぬか漬けなんか食べなかったのに、日本を離れると日本の物が食べたくなるという。

日本人ならたくあんぐらい作れるでしょ?

数年前、日本に住んだ経験のある台湾の方が、日本文化の紹介をしていました。

「ねえねえみんな知ってる?日本のたくあんと台湾のたくあんは全然違うんだよ!」

ええ、確かに違います。

「あなた日本人だよね?作れないの?」

「!?」

たくあんなんか作ったこと無いでごあす。たくあんと言えばぬか漬け。米ぬかが必要だし。中国語の米ぬかって何なのか。調べてみたら「米糠」と書くらしい。これ、日本語読みすると「米糠(こめぬか)」。いっしょなんかい!!

たくあんの作り方はよくわからないけど、とりあえずぬか漬けに挑戦してみよう!

台湾で米糠を手に入れる方法

さて、米糠なんかどこで売っているのか。近所のスーパーを見て回りましたが売っていません。農協直営のスーパーにもありません。農協で聞いてみましたが、米工場で売ってるとのことで米工場に行きましたが売っておらず。

そんな折、義実家にて「米麩」なる茶色い粉を発見!しかも分けてくれました。おお!これはもしかして米糠の別称なんじゃあるまいか!そんな興奮のさなか、成分を見ると「米」とある。しかたないから米屋に電話してその成分について質問したら「米麩は米麩だよ!は?米糠?ええと、ん~米麩だよ!」

ちがうんだな。きっとちがうんだな。どこで米糠がほしいと言っても、結局見つからず。そうなるともうネットしか残っていません。ええ、ネットなら売ってます。でも、食品偽装とかで悪名高い某ネットショッピングサイトのみ。詐欺など当たり前、商品が写真と違う、売主が無責任などは覚悟のうえで使わなければならないサイト。当然善良な売主もいるとは思われますが、そういった一部の非善良な方のおかげで「そこでは絶対に食品を買ってはダメ!先払いもダメ!」と言われております。

だがしかし!私がほしい米糠はそこでしか売られていないのよ。結局そこで買いました。

ぬか漬けに適した米ぬかとは

ぬか漬けに適した米ぬかとは、生の米糠だそうです。生の米糠で、食品レベルに衛生管理されたものがないと、なかなかに不安です。もちろん農薬も不使用の方がいいですね。

台湾で米ぬかを買う方法

そもそも近所でも売られている米麩とはなんなのか。また、ぬか漬けに適した米ぬかとは何なのか。

米麩

米麩とは、2つの意味があり、1つはそれこそ米糠を指します。しかし、もう1つは米を炒って粉状にし、場合によっては砂糖などの添加物を加えたいわゆる健康食品。後者はお湯にとくなどして食べます。

あいにく前者の米糠にあたる米麩は全く売られておらず、米麩と書かれている場合はほぼ健康食品。間違って使わなくてよかった。

炒り糠

米麩の前者、つまり米糠も種類がいくつかあって、その一つが炒った米糠です。これなら他のより信頼のおけるネット通販サイトでも売られています。純米糠などと称されている場合もあります。しかし、この名称を使っているものは炒った米糠である可能性があります。

飼料用の生米糠

ここからは生の米糠2種ですが、1つ目は飼料用。つまるところごみの残量が多かったり、真空保存されていないものを指すようです。これらは動物の飼料やたい肥作りなどに使われます。

食品レベルの生米糠

ぬか漬けを作るならこのレベルのものが必要です。それは、生の米糠で、かつ食品レベルの衛生管理、そして真空パックされたものです。私が購入したのはその怪しいネットショッピングサイトで「生!食品級!真空パックの米糠!日本のぬか漬けに使用可!不純物や虫の混入率は低い!製造過程で殺虫剤不使用!※だから虫も1%の確率で発生するよ!理解してくれる人だけ買ってね!」というもの。これを見つけるのに思いのほか時間がかかりました。

購入して届いた米糠パックは1つは真空、もう一つは真空になっていませんでした。悪気はないんでしょうね。大丈夫だと思ったんでしょうね。

ぬか床の作り方

今回初めてぬか床を作りました。用意したのは以下の材料。

材料

  • 米糠 1kg
  • 塩 130g
  • 沸騰させてから冷ました水 1L(結局使ったのは500ccのみ)
  • 煮干し 20g程度
  • 乾燥昆布 20g程度
  • かつおぶし 10g程度
  • 乾燥唐辛子 2本分(輪切り)
  • 乾燥シイタケ細切り 1つかみ(片手)

作り方

  1. 米糠を網で濾す(虫がいるかもしれないから)
  2. 塩と水半分(500cc)を入れて手で混ぜる ※ここでちょうどよさそうな水加減になったのでそれ以上は足しませんでした
  3. 唐辛子、シイタケ、かつおぶしを入れてさらに混ぜる ※実はかつおぶしは入れ忘れて後から入れました
  4. 良く混ざったら容器に移し、最後に煮干しと昆布を突き刺し、空気を抜くように容器に詰めていき、表面を平らにする
  5. 縁についたぬかをふき取って最初の作業は終了 ※その日の夜に捨て漬けのためにキャベツをいくらか入れました。
  6. それから毎日2回かき混ぜる(10日ぐらいは2回、それ以降は1回) ※気温が暖かく(半そででも良いレベルに)なってきたらは冷蔵庫保管するつもりです。

最後に

そもそもたくあんを作ろうと思って始めた米糠探しだったのですが、気が付いたらぬか漬け作ってました。捨て漬けとして入れたキャベツを3日目に取り出し、洗ってから食べたら味はおいしかったですが結構しょっぱい感じ。ちょっと塩抜きしたら良い感じかな。

キャベツを取り出した後、大根を入れました。さて、どんなお味になるか。まだぬか床の発酵具合が進んでいないと思われるので、徐々に味が変わっていくと思われます。