RICOHのコンデジGR IIIとGR IIIxのスペックを比較したら両方ほしくなった件

2021年10月1日に発売されるRICOHのGR IIIx。もともとのGR IIIと何が違うのか整理してみました。

RICOH GR III

高級コンデジと言う言葉がだいぶ前に流行ったように思うのですが、高級コンデジとはコンパクトデジタルカメラの中でも高級な部類のカメラで、一般的には大きめの撮像素子を搭載したモデルに言うことが多いです。このRICOHのGR IIIもそんな高級コンデジの一つ。APS-Cクラスのセンサーを搭載したコンデジで、もともとは2019年3月15日に発売されたものです。

GRと言えばスナップショット。パッと出してパッと撮影するようなスタイルに最適なカメラという印象を持っています。実際、街撮りなどに使われることが多いようで、作例などを見ても街の一場面のような写真が多いです。

APS-Cであることのメリット

APS-Cクラスのセンサーを搭載していることで、画質がキレイであるという特徴があるわけですが、光量が十分に確保できる状況では、最近のスマホでもかなりキレイに撮影ができます。また、暗所撮影において大型のセンサーはノイズが少ないという特徴がありますが、この点もやはり最近のスマホはかなり優秀で、暗所でもかなりキレイに撮影できる機種も出てきているように思います。

そうなってくると何が違うのか。違いは当然あって、それはボケ方になります。背景や前景をボカシた写真を撮影したい時、ソフトウェアで合成したのではなく、光学的にボケている写真の方がやはり自然に写りますが、小さなセンサーよりも大きなセンサーの方がこの点はやはり有利だと言えます。

スマホとの比較でいえば、コンデジは電話などの機能がない純粋なカメラなので、撮影中に電話がかかって来たり、アプリに容量を食われたりと言ったことがありません。スマホより操作性に優れるコンデジも多いです。

GR IIIとGR IIIx

GR IIIもGR IIIxもAPS-Cセンサーを搭載したコンデジです。基本スペックはほぼ同じなのですが、違う点はレンズの焦点距離最短撮影距離、それからサイズおよび重量です。

焦点距離の違い

  • GR III:28mm(4群6枚構成)※クロップ:35mm/50mm
  • GR IIIx:40mm(5群7枚構成)※クロップ:50mm/71mm

焦点距離の違いはそのまま出てくる写真の違いにつながります。どんな写真を撮りたいかによってレンズを変えるように、焦点距離が違えば用途も変わってくるでしょう。新しく登場したGR IIIxは焦点距離が40mmの準標準レンズ。標準レンズよりもちょっと広角よりです。これに伴い、クロップした場合には50mm/71mm相当の画角で記録できるとしています。これは中望遠域になります。

つまり、GR IIIとGR IIIxでは以下の範囲をカバーできることになります。

  • GR III:広角~標準(クロップ使用)
  • GR IIIx:準標準~中望遠(クロップ使用)

つまり、クロップという形ではあるものの、GR IIIとGR IIIxの二台があれば、広角から中望遠まで対応できるということになります。SIGMAのQuattroに近いコンセプトなのかもしれません。

最短撮影距離の違い

  • GR III:10cm(標準) 6~12cm(マクロ)
  • GR IIIx:20cm(標準) 12~24cm(マクロ)

最短撮影距離はさすがに違います。レンズは一般的にマクロレンズでもない限り、焦点距離が大きくなるにつれて最短撮影距離も大きくなります。焦点距離が40mmとなるGR IIIxは、通常のGR IIIよりも最短撮影距離が大きいです。

F値はともに2.8のため、そうなると28mmと40mmでは、被写体までの距離が同じなら40mmの方が被写界深度は浅くなります。つまり背景や前景がよくボケるということです。ただ、最短撮影距離が違うので、被写体までの距離によっては何とも言えなそうです。というのも、被写体までの距離でボケ感が変わるからです。スマホでも被写体に極限まで近づき、遠くの背景を合わせると結構ボケます。

一般的な一眼用のレンズと比べた場合、マクロレンズでもない限りは最短撮影距離10cmや20cmというのはかなり小さい部類です。かなり近い距離で接写することができることを表します。GR IIIxの方が数値は大きいですが、それでも標準で20cm、マクロモードで12cmです。

サイズ・重量の違い

  • GR III:109.4 x 61.9 x 33.2mm 本体:227g(総重量:257g)
  • GR IIIx:109.4 x 61.9 x 35.2mm 本体:232g(総重量:262g)

GR IIIと比べた場合、GR IIIxは奥行きが2.0mm大きく、重量は5g重いことになります。個人の感覚ですが、ほぼ同じように見えますし、スペック上もほぼ同じように感じます。

最後に

GR IIIとGR IIIxを比較してみましたが、見れば見るほど両方ほしくなってしまって大変です。二台合わせても総重量519g。私が持つ一眼レフの本体にも満たない重さ。軽い!サイズも当然小さい!それでいて基本スペックが私の一眼レフを凌駕している!いやぁ、ほしい。両方ほしい。

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