ハマる人続出? 流行の陶芸ではなく家で焼成できるオーブン陶土で遊んでみた結果

最近は陶芸に流行の兆しがあるのだそうで、私自身も陶芸には興味があるのですが、近所で陶芸を楽しめる場所も見つからず、しかたなく諦めていたのですが、しばらく前にオーブン陶土なるものがあると知り、初めて購入して焼成までしてみました。その結果をここに記録しておきます。

家で陶芸を楽しめるオーブン陶土

オーブン陶土ヤコ(YAKO)
オーブン陶土ヤコ(YAKO)

子供のころ、修学旅行か何かで陶芸を体験させていただいたことがあります。子供にとって粘土遊びのようで、しかもそれが焼成されて作品になるということで、非常に良い思い出になりました。

大人になった今も当時の原体験から私は陶芸に良い印象、楽しい印象しかないのですが、いざ大人になってから体験しようとしても、陶芸教室などが無ければ難しいです。

もしも自宅で陶芸を楽しもうとするなら、自宅に焼き窯を用意しなければなりません。それが常識ではないでしょうか。

しかし、世の中にはオーブン陶土なるものが存在していて、オーブン陶土を使えば自宅で気軽に陶芸が楽しめてしまうのだとか。

以前からいつかはやりたいと思っていましたが、この度実際にオーブン陶土で遊んでみました!

オーブン陶土とは

オーブン陶土は自宅のオーブンで焼成できるタイプの陶土のことで、一般的には本物の陶土に樹脂などを混ぜ込むことで低温度の焼成でも強度を保つことができるようにしてある製品です。

樹脂などが入っているため、一般の陶芸で使われる陶土とは異なります。具体的には、焼成温度をしっかり守る必要があります。温度が高すぎても低すぎてもいけません。

完成品に関しても一般の陶器などよりも強度が低いという意見もあるようです。私個人の感想では、思っていたよりも強度はありましたが、想像よりも完成品は軽かったです。

オーブン陶土「ヤコ」

ヤコのオーブン陶土というのがネットで売られていたので購入しました。ほかに、日本では100均などでもオーブン陶土が売られていることがあるそうですが、あいにく我が家の近所で見つけることはできませんでした。

ヤコのオーブン陶土はいくつか種類があるのですが、私が購入したのは工作用というタイプです。

普通の粘度とは違う

これまで、私は油粘土や紙粘土などで遊んだことはありました。また、樹脂製のカラフルな軽い粘度でも遊んだことがありますし、今でも樹脂製の粘度を使って遊ぶことがあります。

それらの粘土と今回購入したオーブン陶土は全く異なるものでした。

まず、オーブン陶土は重いです。水分含有量の関係などもあるのかもしれませんが、開封する前からずっしりと重く、開封しても当然同じで重く感じました。

当然ながらオーブン陶土を触ってみた感じ、こねてみた感じも一般の粘土とは異なるもので、オーブン陶土の方は想像する陶芸に限りなく近く、土を感じる触感でした。思い出したのは子供のころの泥んこ遊び。土の中にある粘土質の土を使って形を作っていたあの感覚に近いものがありました。密度が高いと書けば少しは伝わるでしょうか。

成形の難しさを痛感

YouTubeなどで陶芸を見ていると、みなさん上手に形を作られていますが、素人にそんな芸当ができるわけもありません。何も基礎の無いところから突然オーブン陶土に挑戦した私は、その難しさに当初閉口してしまいました。

紙粘土や樹脂粘土とは勝手が全く違います。形を作ろうにもうまく、きれいに作ることが難しく、そして試行錯誤しているうちに乾燥していきます。

それでもなんとか作品を作ることには成功しました。

乾燥しがちなオーブン陶土

乾燥してしまうオーブン陶土
乾燥してしまうオーブン陶土

樹脂などの粘土に慣れてしまっていると、オーブン陶土は乾きやすいと感じました。水分が少ないと成型時にひび割れが多く発生します。

水分が少ない場合は水分を適度に含ませてあげる必要があります。方法は何でも良いと思いますが、少しずつ水を付け、練り込むことで柔らかくなっていきます。

仕上げは水でナデナデ

オーブン陶土で作った作品の表面をきれいにするには、乾燥前に水を付けてナデナデします。シワも消えますし、なんならその時に形も微調整できます。

よく陶芸の動画などで水を手に付けて成型しているのと同じようなイメージを持つと良いと思います。結構しっかり目に濡らすと成形しやすいように感じました。

身近にある道具も使える

オーブン陶土の作品作りで使用した道具
オーブン陶土の作品作りで使用した道具

成形するにあたり、生地を伸ばしたり、切ったりしたいと思うようになりました。そんな時、専用の道具を購入するのも良いですが、今回は身近にある「ケーキ用のプラスチックナイフ」や「割り箸」などを使いました。

身近な物でも、ないよりはマシでした。本気でやりたい場合は専用の道具をそろえることも考えた方が良いと思います。

お試しに作ったボタン

オーブン陶土で作ってみたボタン(乾燥後)
オーブン陶土で作ってみたボタン(乾燥後)

オーブン陶土を購入したのは良いものの、何を作るかまでは考えていませんでした。コップ?植木鉢?皿?水に使うものは釉薬などがないと厳しそうです。今回釉薬は購入していないので、水に使うものではなく、ただの置物などを作ることにしました。

そして作ったのはボタン。ボタンというか、ちょっと突起の有る、いびつなボタン。本当はもっと長かったのですが、短く折れてボタンのようになってしまいました。

乾燥後は割れに注意!

割れてしまったので修復したオーブン陶土の作品
割れてしまったので修復したオーブン陶土の作品

オーブン陶土は成型が終わると乾燥工程が必要になります。その乾燥工程を経ると、作品は白っぽく変色し、水分が抜けていくのですが、乾燥したものは非常にもろく、追加工などをする際は割れないように注意が必要です。乾燥はしていても、他の紙粘土などとは違って、土が乾いただけの状態です。もろく、崩れやすいです。

もしも割れてしまったら、余っているオーブン陶土に水を多めに溶かし、それを接着剤のようにして接着させると良いです。もちろん、その後再度乾燥工程が必要になります。

乾燥の工程は作ったものにもよりますが、私は1週間~10日程度乾燥させました。

170℃で45分

オーブン陶土で作ったボタン(焼成後)
オーブン陶土で作ったボタン(焼成後)

焼成温度や時間は公式サイトやパッケージの説明を参照してください。自分の作った作品に合わせて調整する必要があります。私は170℃に設定して45分間焼いてみました。また、安全のため焼成中はオーブンの近くにいました。煙とか異臭にすぐに気が付くためです。

この焼成温度と時間を守らないと、トラブルの原因になるようです。おそらくは樹脂などの陶土とは別の物質が入っていることが原因でトラブルになるのだと思います。ただ、樹脂がないと家庭のオーブンで陶芸を楽しむなんてできなかったでしょうから、やはりルールを守って、安全に作業したいものです。

完成品の軽さに驚き

今回焼成したボタンのようなものを含め、焼き上がった作品はどれも非常に軽いものでした。普通の陶芸でもそうなのでしょうか。子供のころに陶芸体験で作った作品はそんなに軽くは有りませんでした。

強度は思ったよりもありました。ちょっと力を入れたぐらいでは割れたりもしません。ただ、これは厚みとか、作った作品のデザインにもよると思います。

また、色は焼成前とだいぶ違います。白っぽい感じはなくなりました。なお、使用したオーブン陶土はYAKOの工作用というオーブン陶土です。

最後に

初めてオーブン陶土で作品を作ってみましたが、思ったよりも難しく、でも、やはり楽しく、また機会があればぜひ作品を作ってみたいと思いました。その時は釉薬も買えると良いかもしれません。