ソニーから新しいスマートフォンXperia PRO-Iが発表され、興奮が冷めやらない方も多いのではないかと思います。私もその一人だったですが、19万8千円という価格のため購入は断念しました。
でも、気にはなるそのスペック。ちょっと確認してみました。
Xperia PRO-I発表
2021年10月26日の昼、ソニーから新しいスマートフォンが発表されました。名前は「Xperia PRO-I(プロ・アイ)」。ソニーのコンデジRX100シリーズとスマホが融合したような端末。PRO-Iの「I」はImagingの頭文字「I(アイ)」から採ったもので、カメラ機能をかなり強化したスマホと言うべきか、スマホ機能を搭載したコンデジと言うべきか。形だけを見れば従来のスマホと同じく縦長で薄っぺらいバー状の物体。Xperiaと銘打っているからにはスマホの延長上にあるアイテムなのでしょう。
Xperia PRO-Iのカメラ
Xperia PRO-Iのカメラスペックをかいつまんで見ていくと以下のようになります。
- 背面超広角カメラ(16mm F2.2 1.4μm) 12MP
- 背面広角カメラ(24mm F2.0/F4.0 2.4μm) 12MP/1インチセンサー!!
- 背面望遠カメラ(50mm F2.4 1.2μm) 12MP ※50mm固定
- 背面3D iToFセンサー(構図認識用)
- 前面カメラ 8MP
広角カメラは1インチセンサーを搭載!
1インチセンサーを搭載したスマホと言えばAQUOS R6(2021年6月発売/1インチ/2020万画素/F1.9)、Panasonic CM-1(2015年3月発売/1インチ/2010万画素/F2.8-11)が今までありました。
しかし、これらを除けば今まで最大はおそらくXiaomiのMi 11 Proの1/1.12インチが最大だったのではないかと思います。
Appleを中心に、各社センサーサイズの大型化は少しずつ進んではいるものの、センサーサイズの大型化よりもソフトウェア面による画質向上、機能向上を目指している感があった昨今、もはやAppleやSONYといったメーカーは1インチセンサーなど搭載する予定はないのかと思っていました。
というのも、iPhone 13のシネマティックモードなどはその最たるものと思えたからです。あのボケ感を光学性能で実現出来たら最強だろうなと思ったものですが、現段階でそれは無理なのか、コストが高すぎるのか、実際はソフトウェアによって実現する形となっています。
そんな中Xperia PRO-Iに搭載されたのは1インチセンサー。1インチよ。それ、もうRX100じゃん。実際RX100M7(RX100VII)に搭載されているセンサーをカスタムしたものなのだそうです。
広角カメラはF2.0とF4.0を切り替えられる!
RX100M7(RX100VII)は焦点距離24-200mm、F2.8-4.5。でも以前のRX100M5Aまでは24-70mm、F1.8-2.8でした。Xperia PRO-IのセンサーはRX100M7のExmor RSをカスタムしたものということでしたが、焦点距離やF値はRX100M5Aに近いように思います。そして、Xperia PRO-Iの広角カメラではF2.0とF4.0を切り替えることができるそうです。
ソニーの一部のスマホ専用のカメラソフトPhotography Proでも、従来の機種ではF値がレンズ固定で変更できなかったのだそうです。それがF2.0からF4.0に切り替えられるようになったとのこと。これは進化ですね。
広角カメラは像面位相差AFを採用!
XperiaといえばAF。今まで発売されてきたスマホの中から、最新ハイエンドモデルのXperia 1 IIIを選ぶ理由があるとすれば、やはりAF性能だったのではないかと思います。このXperia PRO-Iはリアルタイム瞳AF、リアルタイムトラッキングに対応。さらに広角カメラは像面位相差AFを採用し、約90%のAFカバー率だそうです。
マクロレンズがない!
カメラの構成にマクロレンズが見当たりません。Xperia 1 IIIもそうでした。iPhone 13 Proはマクロ撮影ができることで話題ですが、iPhone13 Proもマクロ用のレンズが搭載されているわけではないようです。
そもそもマクロ撮影が可能になってはいても、単独でマクロレンズを搭載しているのはOPPOやPOCO、realmeやXiaomiの一部の機種ぐらい。その他のメーカーでは、マクロが超広角カメラに含まれるもの。もしくはマクロ撮影可能と謳っていないか。
マクロ撮影は趣味的な要素が強いのかもしれませんが、個人的にはぜひ試してみたいと思っています。
Vlog向けの機能、アクセサリー
Vlog Monitorという、背面モニターのようなアクセサリーが一緒に発表されました。これがあれば前面カメラではなく背面カメラを使って映像を見ながら撮影が可能になるわけですが、こういうの、見覚えがありますね。そう、ASUSのZenfoneの一部機種に採用されたフリップカメラです。あちらはアクセサリーではなく、カメラ部分が物理的に回転することで背面カメラ=前面カメラとなり、自撮りも背面カメラで行うことができるというもの。
この手の機構は今後どちらかがスタンダードになるのか、はたまたどちらもすたれていくのかはわかりませんが、個人的にはソニーの「アクセサリー」方式も魅力的だなと思います。写真を見た感じではそんなに大きいわけではありませんし。
手振れ補正もすごい
YouTubeで歩きながら撮影した動画、走りながら撮影した動画を見たのですが、ジンバルなしでもかなり手振れが抑えられていることが確認できました。もちろん、撮影者の技術も大いに関係あるとは思いますが、かなり安定した、素晴らしい映像でした。もしもそれに外付けジンバルを使ったら、さらにすごい映像になるのではないでしょうか。
台湾におけるXperia PRO-Iの価格
2022/06/15に調べてみたところ、32000元前後でした。これはXperia 1 IVとほぼ同じ価格で、日本円にすると12万8千円程度です。発売からしばらく経ってだいぶ下がってきました。なお、Xperia 1 IIIは26000元程度、日本円で10万4千円程度です。
最後に
発売当初の19万8千円という価格は、スマホとして考えると高いですが、例えばコンデジRX100にスマホ機能が付いてくると考えると考えればそんなに高くはないのかもしれません。先ほどアクセサリーのVlog Monitorが魅力的だと書きましたが、荷物の数が少ないことが魅力なのもまた事実。RX100などのコンデジと、Xperiaなどのスマホの2台持ちならXperia PRO-Iが1台で置き換わってしまう部分もあるでしょう。
最近、スマホは日進月歩で進歩するので、やはり最新のものを買った方が良いのかなと思うのですが、にしても19万8千円はちょっと高すぎて手が出ないと感じました。この価格ならMac買えるし。
でも、このXperia PRO-Iが好きかと聞かれれば、大好きです。ほしい!