私は通信制大学を卒業というちょっと変わった経歴を持っています。当時、私の周りに通信制大学に通っている人など皆無で、通信制大学で勉強している人はとても珍しかったです。
何かと謎の多い通信制大学について、実際に通信制大学を卒業した身として思うことを書いていきます。
目次
通信制大学を卒業して思うこと
当時日本ではまだまだ通信制の大学というのは一般的とは言えず、でも様々な事情が重なって社会に一度出てから、社会に身を置きつつ、つまり仕事をしながら大学卒業を果たしました。これは通信制大学だったからなし得たことです。
なお、ここでいう「通信制大学」は学位取得が可能で、通学ではなく通信によって受講するスタイルの大学です。
通信制大学のメリット
スクーリングがあったとしても短期間であったり、スクーリングが無い通信制大学もありますから、自宅に居ながらにして授業を受講できるのが通信制大学の最大のメリットです。そのことにより忙しい日々を過ごしている人でも隙間時間に勉強をすることができます。なにかしらの事情で通学が困難な人にとって通信制大学は有力な選択肢の一つだと感じます。最近ではeラーニングと称してインターネットで受講することのできる通信制大学もあります。
若い人とは逆にすでに社会人として仕事をしてきた人が、改めて通信制大学で学び、卒業したようなケースでは見られ方も異なります。なぜなら、仕事をしながら大学を卒業することは簡単ではないからです。中には志が高いと感じる方もいるようです。
また、全てeラーニングで受講する場合は、海外在住でも入学、受講が可能な場合があります。海外在住者にとってもありがたい存在だと感じます。
通信制大学のデメリット
通信制大学とはいえ、スクーリングがある場合があります。スクーリングがある場合、仕事をしながらだとほぼ不可能だと思われます。
通信制大学は横のつながりが希薄になりがちです。自分と学校のつながりも顔を見ながらではないためどうしてもつながりが希薄になりがちです。そうならないようにスクーリングがあったり、私が卒業した大学では教授と面談できる機会なども用意されていました。
また、学位を取得できた場合書面上は一般の大卒と変わりませんが、その後就職活動などをされる場合に、不利になる可能性は捨てきれません。特に若い人の場合、一般の大学に通わないで通信制を選んだことを、論理的に説明する必要が出てくる可能性があります。それぐらい通信制大学は特殊だと考えられます。
通信制大学はやめた方がいい?
私は通信制大学には向く人と向かない人がいると考えています。
今まさに高校を卒業しようとしている18歳の場合
高校を卒業したのち、すぐに通信制大学には行かない方が良いように思います。高校を卒業してすぐの方は通信制大学はやめた方がいいです。
理由は、まだまだ通信制大学は一般的ではなく、もちろん企業の選考基準、面接官の考えなどにも左右されますが、就活の際に不利になる可能性が捨てきれません。
一般の大学に問題なく進学できる方はやめた方がいいというのが私の考えです。
ただ、何かしらの事情で通学が困難な場合、通う予定の通信制大学に対する世間の評価が著しく高い場合は通信制大学も有力な選択肢となります。
すでに学校を出て社会人となっている大人の場合
すでに仕事を持ち、知識を深めたり大卒の資格がほしいという社会人の方には最適だと思います。むしろ社会人の方には通信制大学がおすすめです。通信制大学なら仕事をしながら学び、学位を取得することができます。
通信制大学は大卒扱い
学位の取得が可能な通信制大学を卒業すると、権利としては学位取得者となります。 学位の取得が可能な場合、当然書面上は大卒扱いです。
この場合、どんな大学かわからなくても大卒であることは間違いないので、単に「大卒以上」という選考基準を設けている会社があった場合に、その条件に関してはクリアできると考えられます。
事実、私は大卒以上を募集している企業に転職したことがあります。
通信制大学卒業後の就職について
すでに仕事を持ちながら、社会人として通信制大学で学んでいる方は就職先を探すということは無いのではないかと思います。あるとすれば、大学で学んだ知識を生かしての再就職。つまり転職です。高校卒業後に社会人を経験せずに通信制大学を卒業する場合は新規で就職先を探すことになります。
選考基準は会社によって違う
就職の優位性については採用を行う企業によって選考基準が異なるため、一概に言えません。
そして各企業の選考基準は公開されないことも多いでしょう。そうなると実際に応募してみないことには結果はわかりません。
通信制大学卒業で大手企業に就職は難しい?
例えば2人の候補者がいて、一人は一流大学、もう一人は名も知らないような通信制大学だった場合、学歴から一流大学卒業者を選ぶ企業、担当者がいてもおかしくはありません。
個人的な考えでは、歴史の長い大手企業に入ることは、よほどのことがない限り難しいのではないかと思います。
もちろん、評価が著しく高い通信制大学を卒業したとなれば、むしろ優先的に選考されることもあるかもしれません。
通信制大学卒業後の進路
通信制大学の中には、卒業後の進路をある程度公開している大学もあります。
例えば新規就職が何人、転職が何人などです。参考にすると良いと思います。
私はすでに企業で働いていたため、特段変わることはなく、新規で就職ということもありませんでした。
通信制高校もある
通信制の高校も存在します。
通信制の大学や高校が少しずつ一般的になっていくような流れもあるのかもしれません。
ある有名ユーチューバーの方が通信制高校に入学したとニュースになっていました。
まとめ
通信制大学は書面上では一般の大学と同じです。しかしながら、就活などにおいて必ずしも一般の大学と同じ扱いをされるかは面接をする企業によります。それでも社会人経験のない若い人が通信制大学を卒業して学位を取得した場合、新卒であることに変わりはありません。
通信制大学によってはスクーリングが発生します。また、通信制ということで横のつながりが希薄になりがちです。しかし、スクーリングが必要ない通信制大学もいくつか存在します。社会人や海外在住者にとって通信制大学は最も有力な選択肢です。
通信制大学は、最低限「学位の取得可否」「スクーリングの有無、および期間」「受講方法」「費用」「希望する学問分野の有無」「入学時期(春入学/秋入学)」を調べた方が良いです。また、説明会に参加するのも良いと思います。
様々な事情から通信制を選択する、という状況から、あえて通信制を選択する時代も来るかもしれませんね。いや、もしかして、もう来てる?