【梅仕事】梅干しの作り方 注意点やコツなどを知って最高の梅干しを!

今まで何度か梅干しづくりに挑戦してきて、成功も失敗も経験して、その中で感じたことなどを本記事にまとめます。これから梅干しを作りたいなと思っている方が見れば、実際に梅干しを作るときに役に立つと思われる情報です。

梅干しの作り方

梅干しは梅の塩漬けを干したものです。ですので、梅干しを作る手順は梅の塩漬けを作るところから始まり、梅を干して完了となります。

梅干しの材料

材料は梅と塩のみ。1kgの梅に100~200gの塩です。梅干しの重量に対して10~20%の塩分量です。

ほかに赤紫蘇を加える方もいますが、赤紫蘇がない場合でも梅干しは作ることができます。そういう梅と塩だけの梅干しを白梅干しと呼びます。

赤紫蘇やはちみつなど、補助的な材料は、まず白梅干しを作って、それから補助的な材料を用いた調味液に浸けるという方法が取られることもあります。

梅干しに使う梅

梅干しに使う梅は南高梅が肉厚で良いと言われます。また、純粋な梅ではなく梅と杏の雑種だと言われる豊後なんかも大きくて好む方がいるそうです。もちろん小梅の梅干しが好きな方もいますので、好みの梅を使うと良いと思います。

梅干しに使う梅を選ぶ際は、実績のある梅を選ぶと良いです。実績と言うのは、その梅を使って梅干しが作られていることです。例えば海外の場合、日本のような梅干しは作られていないことがあります。その場合、そもそもその梅が灰汁の強い品種で、梅干しに適していない場合もあります。日本で梅干し用に売られている梅を購入する場合、そのようなことは少ないとは思いますが、念のため気を付けると良いと思います。というのも、私が2022年に台湾で手に入れた梅は渋くてしょうがなかったからです。

梅干しに使う梅の追熟

青梅の状態で手に入れた梅は追熟した方が良いです。追熟すると渋味・苦味が減るだけでなく、皮がやわらかくなります。

追熟するには紙袋や段ボールなどに入れて常温で放置しますが、追熟は長くとも2~3日程度にした方が良いです。というのも、あまり長く放置すると今度は梅の水分が抜けてシワが出てくることがあるからです。一度水分が抜けてしまうと、ふっくらした梅干しにはなりません。追熟は様子を見ながら行う方が良いです。

日本では完熟梅なども売られていると思うので、それを入手するのが一番早いと思います。

梅干しに使う塩

梅干しを作るには粗塩が良いです。理由は梅酢が早く上がる(早く出てきて早く梅が梅酢に浸かる)からです。

梅酢が早く上がるということのメリットは、カビの発生を抑制するという点にあります。梅干しを作る際にカビるのは梅酢が上がる前か、梅酢が上がった後に空気に触れている上部です。少なくとも塩分濃度10~20%で作られている梅干しの梅酢に浸かっている状態ではカビは生えません。危険なのは空気に触れている状態です。

ですので、空気に触れないよう、梅酢を早く上げる必要があります。それに有利なのが粗塩というわけです。

岩塩とかどうなんだろうと考えたこともありますが、実際に使ったことはありません。今までは海の物で、できるだけ粒の大きなものを購入して使用していました。

梅干しの塩分濃度

梅干しの塩分濃度は10~20%です。昔ながらの梅干しは20%、そこから減らせば減らすほどカビるリスクが増していきます。減塩の梅干しを作りたいということでしたら10%ぐらいでも良いと思います。私も10%で作ったことがあります。ただ、その時はカビが結構発生しました。10%以下は経験がありませんが、結構難易度が上がるのではないかと思います。

はちみつ漬けなどにする場合、一旦白梅干しを上記の塩分濃度で作って、完成したものを塩抜きし、塩抜きしたものを再度はちみつの調味液に浸けて完成します。

個人的におすすめしているのは20%です。理由は単純にカビにくく、作りやすいからです。そして出来上がった梅干しは塩抜きをしてあげれば最終的に減塩することができます。

なお、20%の梅干しはそのまま食べるのには適しません。かなりしょっぱいです。昔はそのまま食べたのでしょうか。

梅干しに使う道具

梅干しを漬ける時、漬ける容器と重石が必要になります。ガラスや陶器製だったらそのままでも良いですが、プラスチック製の場合はビニール袋を併用する方が多いようです。その際のビニール袋は日本なら漬物用の厚手で丈夫なものを入手すると良いです。あいにく我が家の近所では手に入らないので適当なビニール袋を使ったこともありますし、ガラス瓶にそのまま漬け込んだこともあります。

それから、ジップロックみたいな密閉袋を使う方法も最近は流行っているようです。ジップロックで梅干しを作るメリットは簡単であることと、梅酢が全体にいきわたりやすいということです。これは失敗を減らすという意味でもメリットになります。ただ、梅の全量が3kgとかになってくると、3kgの梅を入れるジップロックはおそらくないので、何袋かに分けることになります。それでも上記のメリットはかなり大きなメリットであると感じています。梅酢に浸かっていない状態が危険なわけで、ジップロックなら簡単に梅と塩をゴロゴロさせて塩や梅酢に触れる面をコントロールできます。

いずれにしても、道具はすべて消毒をする方がカビ防止に良いです。煮沸できるものは煮沸消毒、できないものは焼酎などで消毒すると良いと思います。

漬け込むときの容器は、梅酢を上げることに有利であること、そして清潔であることが要求されます。そして、重石の置きやすさ、重ねやすさも重要です。梅と重石の間には落し蓋もあると良いです。

重石は梅の重量の2倍を目安に準備します。最初の梅酢が上がるまでは2倍。梅酢の上りが悪い場合はさらに重くします。要は、上から重しをかけて梅酢を出やすくしているわけですが、全体に重力がかかれば良いので、例えばペットボトルに水を入れたものとかでも安定するなら大丈夫です。2Lのペットボトルに満タンの水を入れたら約2kgになります。

梅酢が上まで上がったら重石を梅の重量の1/2~1倍にします。ここでは梅の上部が空気に触れないよう、落し蓋を支える意味があります。それらをしないと梅が浮いてきて、上部が空気に触れてしまい、そこがカビるということが発生する可能性が高くなります。もっと軽くしても梅が空気に触れないならそれでもいいと思います。

梅干しの漬け方

  1. 完熟の梅と塩を交互に消毒済みの容器に入れていきます。最後は塩で蓋をするように計算しながら入れていくようにしましょう。
  2. 次に、重石を乗せます。最初は梅の重量の2倍の重さの重石です。そして常温、冷暗所で放置します。数日で梅酢が上がってくるはずです。
  3. 梅酢が上がりきるまでは、毎日容器を振って、塩や梅酢に梅が触れる部分を動かしましょう。これはカビ防止です。
  4. 梅酢が上がって完全に梅が使ったら重石の重さを1/2~1倍に変えて、そこから常温で30日以上漬け込みます。
  5. 塩漬けが完了した梅を天日干しします。梅雨の時期と重なる場合は梅雨明けまで待った方が安全です。好みのシワ加減になったら梅干しの完成です。

上述の通り、梅と塩だけで作った梅干しは白梅干しとなります。

梅干しの天日干しについて

梅干しの天日干しは三日間と言われます。ただ、これは梅の様子と相談しながら行うと良いです。その理由は2つあって、1つは、梅のサイズによっては1日程度でも適度な干され具合になるということ、2つ目は三日連続で晴天になる日を探すのは、地域によってかなり困難であることです。いや、それでも晴天が続く日の方が安全でしかも確実なのですが、絶対に三日間干さなければならないということではなく、好みの干され具合になれば大丈夫です。

塩漬けにした実をザルなどに広げ、天日干しをスタートするわけですが、日に何度かひっくり返すと乾燥が早まります。というのも、ザルに接している部分の乾燥が遅いからです。私はひっくり返す際に一緒に、梅の果肉を皮から剥がすイメージで少しだけモミモミしています。

夜露に濡れる可能性がある場合は、夜になったら室内に入れる方が良いです。梅酢に戻すという方もいます。私の場合、天気予報で次の日も晴れの可能性が高いならそのままザルに放置して、翌朝外に出します。もしも次の日が雨になりそうだったら梅酢に戻し、また晴れるまで待って、晴れの日にまた取り出して干して、を何回か繰り返します。ちょっとずつ、ちょっとずつ干していくイメージです。

梅干しの保存について

塩分濃度20%で作った梅干しは常温の冷暗所に置いておいても、今までカビが生えたことはありません。密閉はしていました。それで数年は大丈夫でした。なお、放っておくと塩が結晶化するレベルです。

塩分濃度10%で作ったものは、塩蔵過程でカビが発生したこともあり、冷蔵庫で保存しています。

塩分濃度が低いほどカビるリスクが高くなります。塩抜きしたものは無条件に冷蔵庫保存です。

赤紫蘇やはちみつ梅などの調味液

赤紫蘇を使った赤い梅は、梅酢が上まで上がった段階で赤紫蘇を投入します。赤紫蘇は葉だけを取り、洗ってきれいにした後、梅干しづくりと同分量の塩、例えば赤紫蘇100gだったら20gの塩を入れてよくもみます。すると、どす黒い、赤いというか紫というかの液体が多少出てくるので、その汁をできるだけ出してから広げて梅の容器に投入します。こうして一緒に漬け込むことで梅が赤くなります。ただ、私が挑戦した時は赤紫蘇が少なすぎてうまく赤くなりませんでした。

調味液に後漬けする場合もあります。はちみつ梅などはそうやって作られるようです。過去に何度かはちみつ梅に挑戦していますが、そのいずれもシワシワになってしまいました。これは浸透圧の問題で、調味液が甘すぎたことが原因だったようです。今も試行錯誤をしています。良い結果になったらまた共有しようと思います。

ほかにも鰹節などを使った調味液などもあるようです。

梅の渋味・苦味

梅干しに限らず、梅シロップや梅ジャムも、作ってみると渋かったり苦かったりすることがあります。2022年は梅干しが渋かったです。

最後に

梅干しづくりってかなりハードルが高い気がしていましたが、意外と素人でも作ることができます。カビには注意する必要がありますが、シーズンが来たら試してみるのもお勧めです。