【梅仕事2023】梅酒、梅シロップ、梅干しづくり

いつからか続けている梅仕事の季節がやってまいりました。2023年も梅干し、梅酒、梅シロップを作ったので反省も含めて報告いたします。

梅仕事の前に

梅仕事とは旬の梅を用いた加工品づくりのことで、家によっては毎年の恒例行事になっているかと思います。

梅仕事の時期は、日本においては5月中旬頃からかと思いますが、私の住む台湾では3月下旬頃から始まり、4月下旬頃には終わりを迎えます。

梅を見極める

梅のシーズンが始まると台湾では主に市場で梅が売られ始めます。一般のスーパーに梅が並ぶことはあまりありません。

市場の脇に軽自動車を停めて、荷台から直接販売することが多いようです。

梅には熟し具合があります。その熟し具合によって用途は異なり、しっかりとその梅がどの程度熟したものなのかを見極める必要があります。追熟したら同じじゃないか?と以前は考えていましたが、追熟したからと言って木の上で熟したものと同じとは言えないようです。

梅の何を作るか

SOGOなどのスーパーに行けば梅干しぐらい売っています。でも、自分好みの梅干しが見つからなかったら自分で作るほかありません。

いや、自分で作ったからと言って自分好みになるかと言ったら必ずしもそうではないのですが、梅仕事は自分で作る楽しみも味わうことができます。

梅仕事では梅干し、梅シロップ、梅酒、梅ジャムなどを作ることができます。ほかにも梅を使った加工品は数多くあるようで、それらはまた違う年に挑戦してみたいと思っています。

何を作るかを決めたら、適した時期に梅を買いに行きます。

2023年は梅干し、梅酒、梅シロップ

2023年の梅仕事は梅シロップから始まり、梅酒、梅干しを作りました。

梅シロップ

2023年に梅シロップ
2023年に作った梅シロップ

密閉できるチャック付きビニール袋に入れて作ってみたのですが、あいにく空気が漏れるタイプのあまり密閉が得意ではないタイプだったみたいで、あまり上手に使いこなすことができませんでした。

ただ、ビニール袋で作るのは大成功で、何しろシロップの出が速かったです。それこそものの1日でかなりシロップが出てきたので、カビたりの心配も不要でした。密閉はできませんでしたが、ビニール袋を使うことは今後に活かせそうです。

なお、1日経過してシロップがかなり出てきた状態の物をガラス瓶に移し、そこからはガラス瓶でシロップを抽出しました。

2023年に作った梅シロップ
2023年に作った梅シロップ

2023年に作った梅シロップの味は、多少苦味があるものの、発酵などもせず、ドロドロになるわけでもなく、比較的出来が良いものでした。最初に渋抜きとして台湾の殺青をやったのも良かったのかもしれません。

また、砂糖は2回に分けて入れました。梅がシワシワになるのを防ぐ目的でしたが、結果的にはどちらも変わらなかったようです。梅はシワシワになりました。

来年はもうちょっと熟した梅、かといって完全に黄色くなる手前ぐらいの梅を使用したいと思っています。

梅シロップがドロドロに?

梅シロップはシロップなだけあって、水のようにサラサラした感じではなく、多少はドロドロしています。かといってハチミツのようなドロドロ感は通常ありません。特に、梅のエキスがしっかり出てきた後はドロドロ感が薄れていきます。

逆を言うと、漬け始めたばかりのころは染み出てきている梅のエキスが少ないこともあって、その分砂糖の比率が高くなり、ドロドロ感は高いです。でも、今まで何度か作っていますが、いずれの時も次第にドロドロ感は薄れていきました。

また、梅のエキスの抽出が終わった後に煮詰める場合がありますが、そうすると必然的に糖度が高くなり、その分ドロドロ感が増します。これは私も経験があります。その時ははちみつのようなドロドロの状態になりました。

雑菌の繁殖を防ぐために火にかけることは有効ではないかと思います。実際、2023年は完成した梅シロップが濁ったり、不純物が浮遊していたりしました。冷蔵保存していたのですが、ダメでした。水分が減ってドロドロになってきたら水を足して、さらに沸騰させれば良いように思います。

梅酒

2023年に作った梅酒
2023年に作った梅酒

梅仕事で最も失敗が少ないのが梅酒です。他の加工品では苦味が出るようなケースも、梅酒だとほとんど苦味が気になりません。それはお酒を使用しているからではないかと思っています。

液体の酒に漬け込むのでカビる心配もほとんどありませんし、ほぼ放置で出来上がります。

梅干し

密閉できるチャック付きビニール袋で挑戦した梅干しづくり
密閉できるチャック付きビニール袋で挑戦した梅干しづくり

殺青をしたのち、密閉できるチャック付きビニール袋に入れて作ってみましたが、梅シロップ同様にやはり密閉できず、空気も梅酢も漏れ出てきてしまいました。ん~やはり上手に使いこなせませんね。

梅干しはやはり容器で漬け込むのが良いかなと思い、適度な大きさのバケツを買ってきました。きれいに洗ってからすでにつけ始めた梅と出てきていた梅酢をバケツに移動して使用しはじめました。それから、すでに家にあったガラスの容器も使いました。

梅の熟し具合

梅干しを漬けこんだ後に、梅は成熟度によって用途が異なることを知り、意気消沈しておりました。なるほど、毎年梅干しがうまくできない理由はこれだったのかと。

梅干しは未熟な梅ではなく完熟梅を使って作られます。じゃあ未熟な梅も追熟すれば良いじゃないかとなったのですが、あまりに未熟な梅だと、追熟する過程でシワシワになってしまいます。つまり、木の上で完熟した梅と、かなり未熟な状態で収穫して追熟させた梅ではそもそも違うものなのです。

梅仕事でいっつも出来が悪いのが梅干しです。もう何回もやっているのに思い通りの梅干しができません。

2024年も挑戦して、おいしい梅干しを作りたいと思っていますが、2023年は2023年でもう漬け始めているので、ちゃんと最後まで作り上げようと思っています。

漬け込む期間

梅酒は上手にできることが多いという事実から、もしかしたら梅干しも梅酒のように長期間漬け込めば渋味も消えるのかもしれないと思い、2023年は約2か月梅酢に漬け込みました。

約2か月経過したものをかじってみましたが、2022年の梅よりは渋味が少ないものの、多少青い味がしました。

天日干しの期間

梅干しを干す準備
梅干しを干す準備

天日干しも渋味と関係があるのかもしれないと思っていて、今までよりももっとしっかり、長く天日干ししようと思っています。マンション住まいなのでどうしても太陽が当たる時間が限られます。

ただ乾燥させるだけなら夕方以降も、日が当たらない時間になっても継続して室内で扇風機に当てるのが早いです。でも、やはり太陽光に当てることにも意味があるのではないかと考え、1日の中の少ない直射日光が当たる時間以外は梅酢に戻し、また翌日太陽が出てきたら干すというのを繰り返しています。

天日干しの期間は一般に1~3日程度と言われるようですが、台湾は干し始めたこの時期(6月)梅雨も重なるので、晴れた日に3時間干すのを繰り返し、積算で24~72時間になるよう、見た目も注視しながら干し始めました。

最後に

台湾に長く住んでいると少しずつ中国語がわかってきます。2023年、市場で売られている梅を見て気が付いたことがあって、それは梅の品種が2種類あることと、大きい梅も小さい梅も実は同じ品種で、トラックで一気に大も小も運んできて、店員さんがその場で大と小に振り分けているだけであると。売られているパッケージ(ビニール袋)を見ればそれが何なのかがわかります。大体青梅か黄梅(青梅と同品種)、胭脂梅のどれかです。胭脂梅はちょっと割高です。

毎年いろんな気づきがあるので梅仕事は面白いです。